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説明

「ただいま」


俺は少し疲れ気味に帰宅した。

当然だが明日もあのお嬢様に会うことになる、同じクラスなんだからな。

しかしどうしようか、あの手から出てたのは何だったんだろう、明らかに非現実のモノだった。

帰りながら整理してみたが、彼女が作った自称初代自信作を屠ったのが俺だと知ってお怒りになられた。

そしてなんかしらの異能を持って俺をこらしめようとした。

こんなところだろうけど、昨今漫画やアニメ、創造物が蔓延してる世の中で現実にはありえないと常々思っていたことが、そいつが現実になって自分に襲い掛かってくるとは・・・・・・いやしばらくは夢を見てるんだと思い続けよう、じゃないと俺自身おかしくなる。

だから俺は考えるのをやめた、明日なんかしらの行動をおこすだろうがこの世から消されるとかじゃない限りは我慢しよう。

結局俺が悪さしたんだからな。


「あら、おかえり~、学校はどうだった~?」


母さんが書斎から出てきて言った。

母は物書きの仕事をしている、詳しくは知らないけどそこそこ稼いでるらしい。ちなみに父は単身赴任中、今は俺と母さんの二人で暮らしている。


「一日でどうだったも何も無いだろう、普通だったよ」


と今日あったことを隠し、なんとも無かった風に伝えた、。心配はかけたくないし言った所で厨ニ病を疑われたら嫌だ。


「そう? 少し疲れてるみたいだけど、気のせいだったみたいね、それより晩御飯どうしようか?」


流石お母様、息子のことをよく見てらっしゃる、察してくれたのか深く追求してはこなかった、ありがたや~。


「そうだなー、一昨日買ったキャベツまだあったからロールキャベツにでもしよっか?」


ご飯はお互い手が空いてるときに適当に作ることになってる、うちの一家は皆総じて家事が出来る、我ながら恵まれた血を持ったと思っている。


「んー、でもお肉無かった気がする、ウィンナーがあったからポトフにでもしたらどう?」

「おーそっか、じゃそうするよ、出来たら呼ぶから待ってて」

「うんー、おねがーい」


なんとも仲睦まじい家族、良いよなーほんと、昼ドラとかドロドロした一家を見てるとうちって本当に平和で良い家庭だよなー、とシミジミ思う。


そんなこんなで晩御飯作って母さんと一緒に食べて、風呂入って居間でお茶飲みながらテレビを見ていた。

すると携帯が鳴った気がした、部屋に置いてあるので気がしたのだ、自分の部屋に行って携帯を見てみた。


『よーっす、今日はおつかれー、でさ明日の朝一緒に行こうぜ! 今日部活見て回ったんだけど、なんか明日から部活勧誘が始動するんだってさ、朝一人でいると心細いから一緒に行こうぜ』


仁からのメールだったんだが、そうかー、めんどくさい行事だな。

了解のメールを返し、明日のことを少し考えることにした。

帰った時は夢にして現実逃避することにしたけど、やっぱりそういうわけにもいかないよな、対策はとくにないが、あれについてしっかり聞くべきかどうかだよなぁ、聞いたら戻ってこれないだろうな、でも聞いてみてとぼけられるかもしれないし、そもそもあちらさんはもう一度俺と話をしたい雰囲気だったな、詳しくは説明してくれないだろうが何かしら話してくれるだろう。

こっちの願いは唯一つ、あなた様と事を構えるつもりはございません、お互い普通の高校生活を送りましょう。

うん、これだな、つーかこれしかない、お嬢様が何者でも俺には全く関係ないんだ、しっかり説明して無事に明日を終わらそう!

そう心に決めたところで、俺は眠りにつくことにした。




翌朝、適当に朝ごはんをすませて家を出た、若干憂鬱だ。

昨日は風が心地よかったが、今日は晴れているのに無風に近い、これだけで不吉に感じる。

だいぶ心にダメージがあるな、俺の日常の危機だから当たり前か。

歩いていると信号につかまった、何気ない日常、信号で止まるなんか当たり前なんだけど、この時俺は気が狂いそうだった。


「おはようございます、朝霞君」


出た出た、待ち伏せ? 偶々? 昨日は見なかったんだけどなー貴女のこと、しかも取り巻きの二人も無し。

こんなところに貴女みたいな美人が一人じゃ危険じゃありませんかー? きっと自家用車とかあるんだろ? 歩いて通学しなくてもええやん。


「・・・・・・おはよう飯坂さん」


信号待ちがやけに長く感じる、これから沈黙が始まるのかと思ったがそれは杞憂だった。


「昨日は少し取り乱しました、すみませんでした、会って間もない相手に手を上げるなんて失礼ですよね」

「いや、話の流れからいって俺が小さい頃壊したあれは、多分キミが作ったものだと思うよ、俺が悪かったんだ、本当にごめん」


よしよし、スムーズに謝罪できた、このまま遺恨を残さずフェードアウトだ!


「貴方の謝罪の気持ちは良く伝わりました、こちらもそれについて言及するつもりはありません、ですが・・・・・・」


まてまて、続けなくて良いよ、もう終わっとけって。


「あなたは見えますね?」


そういって、彼女自身はまったく動いていないが、人魂のようなものが俺の周りを飛び回り始めた。


「っ なんのことだ? 何かあるのか?」

「しっかり目で追ってますね」


くっ! 口ずさんだりしなくても出るのか! 油断した。


「まぁ危険は無いので安心してください、しかしこれが見えるということは、少しあなたにお話ししなければいけないことがあります。放課後うちの部室にきてください、お願いします」


そういって信号が変わってから歩いていってしまった。

こうして確信した、さらば俺の日常、こんにちわ厨ニ病。


途中仁と合流して、部活勧誘の群れを突っ切って教室にたどり着いた、飯坂はもう来ていた、取り巻きも一緒に居る。


「篤ー、顔色悪いぞ? どっか悪いのか」

「気にするな、多分これからデフォになる」


学校の授業を終えて放課後になった。


「朝霞君」


周りが少しどよめいた、教室内で他人と会話をほぼしない、正確には取り巻き二人意外と喋ったことはなかった飯坂が、二日目にして、しかも異性の男子のこの俺に話しかけてきたんだ、驚く声と桃色の声が聞こえて精神的に辛い。


「飯坂さん、教室で話しかけられるのは困るんだ、あとで必ず部室に行くから、先行ってて」


小声でそう伝えると彼女は分かったと言って教室を出て行った。

その後数人のクラスメイトに小言を言われたが、そんなもの気にしてる暇はない、とっとと帰り支度をして部室こと悪魔城に向かうことにした。


そして人形作り愛好会の部屋にたどり着いた、ノックをして俺は入った。


「失礼します」

「いらっしゃい」


そういって飯坂は迎えてくれた、相変わらず一人しか部員は居ないようで俺達以外誰も居ない。


「紅茶と緑茶どっちが好みですか?」

「・・・・・・水でいいよ」


少し緊張してたので喉は渇いてた、こういう場合水が一番良いんだ。

そう、と言って彼女はコップを出してペットボトルの水を入れてよこした。


「さて、本日お越しいただいたのには訳があります、内容は概ね承知していますね?」

「あぁ、あの異常な光景が見えたのがまずいっていうんだろう?」

「異常、ですか・・・・・・まぁ普通は見えないんですからそうでしょうね、しかしまずいって程のものではないですよ、実際それ事態には危険はありませんから」


そういって彼女はまた人魂を出してみせた。


「これは精霊の力を目に見えるようにしているだけで、実害はありません、触れることも感じることも出来ません」

「見えるだけ、って何の意味があるんだ?」


当然の質問だろう、というか精霊とかまたベタな力だな、そいつが目に見えるだけじゃ昨日俺にしようとしたものの説明がつかない。


「人の目に見えるようにするだけではとくに意味はないです、精霊と意思疎通を図るのに便利ってだけです」

「なるほどね、じゃあ昨日俺にやろうとしたことは意思疎通以外の目的で使ったんだな?」


彼女は言葉に詰まった、さぁ俺に何をしようとしたか言ってもらおうか、ここまで来たら知らなきゃ恐ろしくて被害妄想が広がるばかりだ。


「はい、この精霊の力を具現化して、相手に実体として影響を与えようとしました」

「あの平手で殴られたら俺はどうなってたんだ? 口に出来ないような惨事にでもなったか?」

「そんなことはしません! ただ、ちょっと時間がたてば炎症を起こして一晩痛みを伴う程度で・・・・・・」


なんて嫌がらせだ、しかも時間差攻撃! まぁ悪戯好きなんだろうさ、今度からもう少し距離を置こう、話しは通じるみたいだから邪険にはしないけどな。


「まぁ不発だったから不問にする、んで本題に戻ると、俺がこれ見えることに何か問題があるの?」


現状俺はこの異質なモノが"見える"だけだ、彼女がやったように他人に危害を加えるような真似は出来ない。


「それは、そうですね、この精霊の力は本来"こちら"の人間には使うことも見ることも出来ないはずなんです、精霊に干渉する力が無いので」

「こちらって言ったな? あんたどっか違う世界の人間ってことだな?」

「えぇまぁ、でも簡単に言えばこの世界とは違う発展を遂げた、もう一つのこの世界です」


なんだかよく分からないなぁ、鏡面世界を思い浮かべればいいのかな。まぁ別に何処の誰でもかまわないから細かいことは気にしない方向で。


「俺は変な奴ってことなんだな」

「いえ、そんなことは、しかし見えてる以上これからそういう不思議なものが見えるようになると、お伝えしたかったんです」

「それは、アンタやいつも一緒にいる二人がクラスメイトで、近くに居るから?」


彼女は答え辛そうにしていたが、静かに頷いた。

なるほどねー、まぁこういう力を持ってる奴が近くに居れば頻繁に目に入ることは容易に想像できる、逆に説明してくれたからスッキリしたな、危険は無いって話だし。

勝手に納得していると、彼女の方は何か悩んでいるように俯いていた、そういう態度は不安になるからよして欲しいんだけどな・・・・・・


「ところでこの浮遊物体そろそろ消してくれる?」

「あ、ごめんなさい」


そういうとふっと消えてくれた、さっきから鬱陶しくてたまらなかったんだ。


「まぁだいたいは理解したよ、危険はないようだから見えても驚いたりしないで知らんぷりするよ、ありがとう丁寧に教えてくれて」

「いえ、こちらこそお時間をとらせてしまって、いえ、わざわざ足を運んでいただいてありがとうございました」


彼女は首をふりつつ謝辞を述べ、笑顔を見せてくれた、可愛い顔でそんなこと言われたら男はいちころだな、俺は疑心暗鬼で素直に受け取れないがな。

それじゃ、と部屋を出ようとした時裾を掴まれた。


「あの、やはり貴方にはしっかりとお話ししておこうと思います」


ん~、もう終わりで良いじゃない、俺キミに何か親切にした? 逆に悪いことしちゃった悪人だよ? もう捨ておいて欲しい。


「私は、もう一つの世界での身分は・・・・・・小国でありますが姫と呼ばれる身分にあります、そのようなものが私情に任せて手を上げたなど、とんだ恥知らずです、ですから身分を明かし正式に謝罪します、朝霞篤さま。真に申し訳ありませんでした」


うげぇ、お嬢様からお姫様にランクアップ~、そんな方とお知り合いなんて波乱の幕開けとしか思えないじゃないかぁ・・・・・・


「そ、そっか、うん、なんていうか凄く誠実なんですね、おひ・・・ いえ、飯坂さん、そちらの世界ではそういう高貴な方なのかもしれないけど、こっちはこっちの世界なんだから気楽にいこう、同じ人間なんだからさ」


うぅ、角を立てないように生きてきたせいかこういう有体な台詞がポンポン出てくる、この異常な人に対しては良い事にはならなそうなのに。


「そ、そうですね、ありがとう朝霞くん」


少し頬を染めて言われたので、俺は可哀想なものを見る目で返してやった。

初心者がいきなりポンポン執筆できるわけ無いですよねぇ、文章のストックも無いので時間がかかるかかる、あーしたいこうしたいっていうのを中々形に出来ないですねぇ、これからはもう少しストックを溜めてから投稿したいと思います、加筆修正も多くなると思いますがご容赦をぉ。

ところで最近私が執筆するきっかけとなった作者さんの活動報告を見たんですが、ストックに万単位で文章をいくつか用意しているとのこと! 凄すぎる、これが普通なんでしょうか・・・

改めて自分の未熟さを痛感しました、しばらくあれやこれや悩んでいきたいと思います、連載はある程度書置きが出来たら投稿します、短編なんてのもあるみたいなんでそっちの方をやるかもです、長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

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