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光と波の記憶 6話

レンが言った言葉の意味はすぐに判った、

酒に酔った身なりの良い兵士二人が、レンに絡んで来たのだ。

「お嬢ちゃん 一回幾ら?」

そう言うとレンの腕を捕まえて何処かに連れて行こうとしてる。

「止めてください、私はそんなのじゃありません!」


 何処にでも居るのね この手の奴ら・・・


「ん? こっちの姉ちゃんの方が、遥かに美人じゃねえか」

そう言うといやらしい目つきでこっちを見ている。


 へぇ あたしに声を掛けるとはね

剣に思わず手を掛けそうになる。


「あの・・・ 貴方方は近衛兵の方じゃありませんか?」

声の方を見るとロングドレスに不釣り合いな巨大な剣を背負っている

大きな胸の女性が立って居た。


その女性に兵士は気が付いたようだ。

「やば・・・

ねえちゃん済まねえな」

そう言うと兵士は足早に逃げ去ろうとしているが、


「まて 今お前たちは何をしていたのだ?」

地の底から響くような大声で兵士たちは立ち止まった。


「な 何もしてません! 

凄い美人が居たから声を掛けただけであります!!」

兵士は青ざめた表情で返事を返した。


そちらの方にはヒグマのような巨躯の壮年の男性が仁王立ちしてる。

「ふむ・・・赤髪の少女が震えているが?」


「・・・」黙り込む兵士


「儂を誤魔化せると思うなよ!」

そう言うと壮年の男性の巨腕が轟音を上げ兵士に襲い掛かり、

二人の兵士を一瞬で気絶させた。 

「この二人を牢に入れて来る 後は頼むぞシェリル」

そう言うと男性は兵士を鷲掴みにして去って行った。


「ありがとうございます、ルーク様」

レンは深々とお辞儀をした。


「あの男は何者なの?」


「守護騎士団長 ルーク スタンレー様ですよ

一年ちょっと前に前の王様が死去してから、今の王様に変わったのだけど

近衛兵たちが酷い事をしていたのが、更に酷い事をするようになって

それを助けてくれるのがあの人なんです」


 なるほどね・・・ そう言う意味か



「あの・・・ お怪我は有りませんでしたか?」

大きな胸の女性が話しかけてきた。


「あたしは大丈夫よ、あなたの名前はシェリルさん?」


「・・・はい 私の名前は シェリル スタンウエイ

守護騎士の一人です。

 あの・・・すごく気になって居たのですけど・・・

貴方のは凄く小さいのですね・・・」

 

 貧乳で悪かったね! どうせ胸は有りませんよ!!

 あれっ? 何処かで聞いた様なやり取りね・・・


「あんたのが巨大なだけよ」


「・・・お目が高いのですね、この巨大な剣はスタンウエイ家の

斬魔剣と言うものですよ。

貴方のは凄く小さいのだけど、二刀流なのでしょう?」



「私は二刀流?」


「・・・はい、体のこなしから直ぐに判りましたよ。

本能的に両手で剣を抜こうとしてましたし、

それに剣と体のバランスが全然釣り合って居ないから・・・」


「この人は記憶を無くして居るんです、

何か心当たりはありませんか?」レンが尋ねた。


「・・・二刀流の使い手はそう多くありませんね、

噂では シルビア ロックハートがそうだったと記憶しています・・・」


「じゃあ この人はシルビアさんなの?」


「いえ・・・ 違うと思います、シルビアさんを有名にしたのが

巨大な胸を揺らしながら空中を突進する様子から、

地獄のホルスタインとか言う別名がありますから・・・」


 つまり、あたしのような貧乳じゃ無いと言いたいのね

 でも シルビアって名前は何処かで聞いた様な気がする


「あんたは記憶ないのか? そりゃご苦労な事った」

不真面目そうな青年が周りのお店の屋根の上に寝転がりながら此方を見ている。


「あの・・・・兄上 そこで何をしているんですか?」シェリルが尋ねると


「朝飯 あ~んどサボってる、

あのルークのおやっさんが来たら教えてくれよな?

さっさとずらかるからな」そう言うと男は笑っている。


「あの男は一体誰?」


「スタンウエイ家のシグルド スタンウエイ様ですよ、

何時もあんな調子で何を考えて居られるのやら」レンが答えた。

「・・・何も考えてないと思います」シェリルが続けた。

 


気持ちの良い風が広場を吹き抜けている。

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