急襲
巨大な声は村々に響き渡った。
「やばいな、早すぎる」
魔王の部屋の二階の窓から空を見ていたゾットは呟くと、
蝙蝠のような翼を背中に出現させ部屋から駆け出していった。
その様子に気が付くセージ
「いったいさっきの声は何だよ?
それにゾット様の背中に翼ってあったか?」
「ガキの出番じゃない、ここでバジルと大人しく隠れてろ」
凄味の利いた声でゾットが言うとセージは動けなくなった。
「くそ おれは、もう子供じゃない」
セージは震えながらも追いかけようとしている。
ステラの家の近くの畑に寄り添う二人の姿が有った。
「おいおい さっきの声は何だったんだ?
それにあれは何だ? 」
ゆうじとリーザが見上げる方向の遥か彼方に、うっすら青く光る生き物の姿が有った。
「あの生き物は、ブルードラゴンと言われているものですわ。
別名 悪魔竜とも呼ばれて居て、
あの生き物が現れた時は世界の終わりと始まりを告げると言われています。」
リーザがゆうじに寄り添って話している。
「今日世界が終るのでも
貴方とこうして居られるなら後悔は無いわ」
リーザはゆうじの方に体を寄せて小刻みに震えている。
「そんな事は絶対にないぜ
きっと かのんが何とかしてくれる」
ゆうじはリーザの手を握り締めた。
「ありがとうございます ゆうじさん」
「ついに その時が来たんですね、
どうか死なないで下さい かのんさん」
ウッドは洞窟の入り口から遥か遠くにある竜の姿を見て呟いた、
「この試練、ゾットしか終わらせた事が無いんだろう?
相当、分が悪い勝負になりそうだな」エドがウッドを見ながら話している。
「かのんさんなら
私たちと違う方法で終わらせてくれそうな
そんな気がするんですよ」




