続 最弱魔王?
大ぶりの変な猫とふさふさの尻尾が3つに別れた変な犬と奇妙なサルが魔王の玉座を取り囲み口々に喋り始めている。
「だっせぇなぁ~ もうちっとは上手くやられた ふりしないといくらガキでもあれじゃ 気が付くぜ。
それでなくても、最近は来てくれる勇者が少ないんだからな」
変な犬が魔王にダメ出しを入れている。
「あたしは、ご飯にありつければそれで良いんだけどぉ ご飯まだぁ?
そろそろ晩御飯の時間なんだけどな。
今日はパン屋のおばさんが差し入れてくれた余り物のミートパイ食べたいなぁ
あそこのミートパイ美味しいんだよね」
変な猫はご飯しか興味が無いようだ。
変なサルはとどめの一言を放った。
「まあまあ 今に始まった事じゃ無いんですから二人ともそんな事は言わない、
こんなダメ魔王でも一応はうちらのボスなんだから、形だけでも立てとかないとまずいでしょう。」
魔王は一向に気にしてないようだ。
「ごめん ごめん。 今度はもう少し上手にやってみせるよ 反省!」
と言っている。
「反省だけならサルでも出来ますけどね」
サルが追撃の一言を放った。
魔王は少し体が傾いたようだ。
どうやら魔王と魔王の親衛隊らしいが、魔王の威厳も何も有ったものじゃない
それ以前にどちらが立場が上かすら疑わしいものである。
その姿を見ていたかのんは3匹と1人の前に走り出して
「あの~ 私も魔王退治参加させてもらっても良いですか?」
あっけにとられている3匹と1人を尻目にかのんは子供たちが忘れていったぬいぐるみの剣を拾うと魔王の頭をぽこっと叩いた。
あっけにとられている魔王の傍でサルが呟いた。
「魔王・・・」
我に戻った魔王は「ぐぅぅおぉぉぉぉ~~~ この程度で終わらせた物とと思うなよ 魔」
魔王が喋り終わる前に犬が魔王に頭突きを食らわせ、
「終わらなくてどうする! 」犬がダメ出しをした。
思い出したように魔王が床の上に倒れ込み、へたくそな死んだふりの演技をしている。
猫は出す言葉が見つからないらしく あきれ顔で静観している。
暫くの沈黙の後サルが口を開いた
「反省だけなら・・・」
この展開はかのんも予想外らしく目を丸くしてあっけにとられている。
「私 おじゃましちゃったかな・・・・・・?」