思いの欠片
ゆきなが消えた後に、一人残されたかのん。
崩れ落ちた天井の穴から柔らかい月の光が差し込み
かのんを照らし出している。
「・・・幻だったの?
ううん 何でも良いよ・・・会えてよかった
ありがとう、ゆきな」
リボンを拾うと かのんは洞窟から駆け出した。
かのんが洞窟の外に出ると
洞窟の外には騒ぎを聞きつけて何時もの面子が集合している。
かのんは思いっきり頭を下げて
「みんな心配かけて本当にごめんなさい!
もう大丈夫よ。
それと、改めてよろしくお願いします。」
「ゆるさん! 鳴いて謝れ」
セージがふんぞり返って笑いながら
かのんを見ている。
「にゃあ にゃあ ごめんにゃん
これで良いかな?」
かのんがおどけた笑顔を見せて、
セージの頭をを軽く押すと セージは尻もちをついた。
「いってぇ~
でも鳴いて謝ったから許す!」
セージは腕を伸ばし 拳を かのんに突きだした。
かのんはしゃがみ込むとその拳の先端に自分の拳をそっと重ね、
「これからも ずっとよろしくね」
かのんは笑顔で答えた。
「ん?
そのリボンどうして かのんが持ってるんだ?
おれが何処かで無くしたと思って居たのに。」
セージは かのんの持っているリボンに気が付いたようだ。
「あの洞窟の中に落ちていたのだけど
返した方が良いの?」
かのんが尋ねると
「かのん お前にそのリボンやるよ
おれは覚えてないんだけど、おれが逃げて来る時に、
ずっと身に着けていたらしいから
お守り代わりに持ってたんだ。」
でももう要らない
そんな過去にに縛られるなんて
女の腐ったような事からはもう卒業するからな。
それに新しいお守り見つかったしな」
そう言うとセージはかのんの拳に
もう一度力強く自分の拳を押し当てた。
「これからも よろしくな」
「ふぅ・・・
あなたたちは、どうして野蛮な事しかできないのかな~
喋れば済むのじゃない?」
ローズが呆れた顔でため息をついている。
「ば~か こうやってやるから
分かり合えるんだよ」
ごつ!
セージが近くにいるバジルを小突いた。
「な~ バジル?」
バジルは涙目で答えた。
「今回はローズの方が
僕は正しいと思うんだけど・・・。」
「バジルのくせに生意気だぞ~」
セージがバジルをさらに小突こうとした瞬間、
「やめなさい!」
ローズが隠し持っていたお玉でセージの頭をひっぱたくと
くわぁ~ん 凄い音が響き渡った。
「痛てぇ~~~
何で叩くんだ、この凶暴女!!」
セージが頭を抱えて転げまわってる。
「バジルをいじめようとするからよ」
ローズがさらりと流した。
「今回は セージあんたが明らかに悪いとおもうんだけどぉ
毎回叩かれるバジルにもなってみなさいよぉ」
シルビアは微笑みながら話している。
「かのんさんの時は
洞窟で一体何が出たんですか?」
ウッドが真面目な顔でかのんに尋ねると、
彼女は洞窟での出来事をみんなに話した。
「そんな馬鹿な??
ゴスロリ服の自分と もう一人、親友が居たのですか?」
ウッドは頭を搔きながら考えている。
「あそこは潜在意識を実体化するガスが充満させてあるんです、
ゴスロリ服の自分はもう一人の自分の意識としても、
親友が出たのは理論上有り得ないんです。
其処にゆきなさん本人が近くに居ない限りね」
「何でも良いじゃないか、
こうして かのんが無事に戻ってきて居るんだからな」
ゾットがウッドに話しかけた。
「気になるなら、お前が後で洞窟調べてみろよ、
ど~せ何時もの故障じゃねえか、
お前と一緒でデリケートな作りなんだろあれは?」
「あ・・・
もしかして、あの中で暴れたりするのはダメだったり?」
かのんは思い当たる節があるようで
ネコ口でウッドに申し訳なさそうに話しかけた。
ウッドの顔が強張った、
「もしかして、中で剣を振り回したりで暴れました?」
「ごめんなさい
中でもう一人の自分と剣を振り回して戦いました、
後で天井とか所々穴が開いちゃってましたけどね・・・」
かのんが笑顔で答えると
「う~~ん・・・ なんという無茶をやるんですか・・・」
ウッドが目を回して倒れ込んだ。
「形あるもの何時かは滅す、
たまたま今日壊れる運命だったんだよ 気にするなよ」
エドも無責任に慰めている。
「ウッド 修理頑張れよ~~
俺らは手伝えないから応援はしとくぜ」
そう言うとゾットは無責任にウッドを励ました。
夜空には少し太った三日月が夜空を照らし続けている。




