Pretend back pendulum
どのくらい 走っただろう
気が付けば かのんは洞窟の前に居た。
「あははっ
あたしって最低だ・・・
あんな事を言っちゃうなんて何も変わってない・・・
ごめんね ゆきな・・・」
座り込んで空を見上げるかのん、
その顔からは涙がこぼれ落ちている。
かのんは 親友のゆきなの事を思い出していた。
何をやるのも一緒 何時も庇ってくれて
幼な馴染みの親友だったのに
かのんが死に追いやった一番大切だった親友。
半年前に遡る
「ゆきな~ そろそろ帰ろっか?
そんなゴスロリ服で居たら目立つよ
そんな目立つリボンまでつけてるんだから」
私服姿のかのんが親友のゆきなと喫茶店チェーン店で
大好きなアップルパイをほおばりながら アールグレイを飲んでいる。
「かのん あんた昔から意志が弱すぎ、
自分の好きな事好きなようにやれば良いの
あたしはこのファッションが気に入ってるんだから
ババアになって この格好はさすがに無理でしょ?
そもそも このリボン かのんが選んでくれたんだよ?
かのんは何時も天然なんだから」
ゆきなはコーヒーを飲みながら かのんに微笑んだ。
そう こんな日常がずっと続くと思って居た
あの事件が起こるまでは。




