表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日から魔王始めました  作者: くろねこ
2章 秘薬エリクシール
275/283

娘と父

「イザベラ、待って」

「フィリア、このクソ忙しい時に何?」


 広場から逃げ出し、石畳の通りを走っていたシルビア、イザベラ、フィリアの3人は、フィリアの声に歩を止める。

 そして、彼女は銀髪をゆらし広場の方をみつめながら、


 「ルークさんの威圧が消えてない?」、と尋ねた。

 

 今まで、三人の所までルークとかのんの戦いの気配が届いていた。

 だが、今、あたりを支配していた彼の巨大な気配だけが、ふっと消えていた。

 ーーつまり、それはかのんとルークの戦いが終わったことを意味していた。

 その言葉を聞き、イザベラは複雑な表情を浮かべながら、目を見開く。


 「ーーかのんさんが勝ったのね」


 戦いの行方を察したイザベラは、一瞬、広場の方に視線をうつし、ポツリつぶやくように言うと、振り返る事も無く更に続ける。

 

 「フィリア……今はそう言う事を考えている場合じゃないわ。

 ーー自分たちが逃げるのが最優先でしょ?」


 「ルークさん、いやイザベラのパパは良いの?」


 フィリアの問いにイザベラは静かにまぶたを閉じる。


 「ーー私には、家族の事より優先すべき事があるわ……」


 そう言って、彼女は再び歩き出した。 


ローズ(イザベラ)、ちょっと待ちなさい」


 シルビアは強い口調で、イザベラの背後から声をかけた。


 「アンタがここでルークのところに行かないと、この先ずっと、悔やむことになるわよ」

 「……」


 立ち止まったイザベラは無言のまま、ゆっくりと振り返る。

 そんな彼女にシルビアは真剣な眼差しを向ける。


 「ーーもし、このままアナタの父上が死んでしまったら、家を捨てて逃げ出したあの時のまま、あの人とずっとすれ違ったままよ」

 「それは……」 


 イザベラは口ごもった後、俯く。

 シルビアはそんな彼女の肩に手を置くと、


「それに、あの人はアナタの一人しかいないお父さんなのよ?

 私はルークの元に行くけど、アナタはどうする?」、と優しく語りかけた。

 イザベラは少しの間考え込むと、「行くわ」、と、顔を上げて力強く答えた。


 こうして三人の娘達は広場に向かって走り出す。


 イザベラ、フィリア、シルビアの三人が広場に着いた。

 広場は群集たちは既に城の方に向かい、其処に居たのはルーク達3人。

 そして彼らを手当てするブルーローズの面々だった。

 ようじょがちょこちょこ手当てする光景はお医者さんごっこのような光景だ。


 「ワシには勇気が無かっただけだ。

 済まなかった、イザベラ」


 ルークのそばにかけよったイザベラは、彼の話を聞き、想いを知った。

 ーー国を存続させる為、自分の心を押し殺し、国家を護り人々の命を救う為に鬼と化して法の守護者として法を護って来た事。

 その為には親友、肉親でさえ救うことが出来ないと言う、焼けるような苦悶の日々だったという事を。


 「もう良い、わかった」


 父の思いを知ったイザベラは、済んだ表情で一言言うと踵を返す。


 「貴方……、父上達のやってきた事は決して無駄にしない」


 イザベラはルークを一瞥すると、クールな視線で王宮の方向をみた。

 其処にあったのは門を取り囲む群衆、そして城壁の上で蟻の様に右往左往する守備兵だった。


 「二人とも、油断しないで。 めんどうな客が来ているわ」

 

 シルビアの視線の先に居たのは、セージそっくりの顔をした、青の陸上選手のセパレートのような際どいハイレグビキニショーツとトップのアンダスーツを着た腰までのロングの赤髪の娘。

 ブルーローズの生き残りだった。

クライマックスへ向けて頑張ります~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ