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今日から魔王始めました  作者: くろねこ
1章 魔王誕生
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魔王始めました 

「ローズ良い判断だったぜ、ありがとうな。

お前の香水のおかげでオレもかのんも何とか助かったみたいだ。」

あの状態に香水を振りかけてくれたから

大丈夫な部分だけを緊急分離パージしてこのサイズで何とか復活できたんだ。」

でもオレは前の力は全然残ってないからな。」


ウッドは何かに気が付いたようだ。 

「その件は置いておきましょう。 

あと二人があの状態から復活したのも内密に。

ローズ後で話がありますが良いですか?」


ローズの顔が少し厳しい顔になった。

「わかりました。」


何時の間にやら、リゾットの周りにかのんとセージがこっそり近寄って

ネコ口でリゾットをつまみ食いしている。

「ね~ お腹が空いてると余計に美味しいね」

「美味しいな」 「ね~ 」


背後に怪しい影が忍び寄り

ぼこ! バコ! くわぁ~ん!!

「いったぁ~~」 「いてぇ~」 「くぅ~~」

ステラが かのんとセージとゾットの頭をほうきの柄で撫で叩きした。

いや ゾットはフライパンで叩かれている。


「つまみ食いするんじゃないよ!

まったく 油断も隙もあったものじゃない

この悪ガキどもに行儀作法を教え込まないとね」


「まったくみんなお子様なんだから」

ローズは澄ました様子で、リゾットをつぎ分けている。


「オレもお子様に含まれるのか?」

ゾットは頭を押さえている。


「言わずともじゃないのぉ?

どう見てもお子様だしぃ」

シルビアが笑いながら答えた。


「違いねぇな 」

エドもうなずいている。


ステラは呆れている。

「魔王ってのは、台所を荒らすのが仕事なのかい?

それが魔王の仕事ならこの三人は魔王の素質ありありだけどね」


ゾットは笑いながら答えた。

「ステラ婆さんもああ言ってるし 

かのん お前が今日から魔王な」


かのんは目を丸くしてる。

「ゾットは魔王やらないの?」


「俺はこんな状態だし、魔王は無理だ」

ゾットがさらに続けた。

「オレが大魔王になって、手伝ってやるよ

だから かのんお前が魔王ね」


かのんは満面の笑顔で

「うん、 魔王頑張ります。

 だからみんな手伝ってね」


いつの間にか雨が上がって、雲の切れ間から日の光がこぼれ始めていた。




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