静かな雨の降る部屋で
どの位時間が経っただろう。
静かに降る雨の音で、かのんはベットの上で気が付いた。
全部夢だったの?
辺りを見渡すと かのんの何時ものふかふかベットじゃなくて
どこかで見覚えのある部屋のベットである。
ステラおばあさんの家に居ることが分かった。
同時にいつの間にか、ローブのような服に着替えさせらてていて
体の至る所に包帯が巻かれている。
少し体を動かすとまだ微かに痛みを感じる。
「お前もやっと気が付いたのか?」
かのんが横を向くと彼女の隣に セージが至る所に包帯を巻かれて横たわってる。
「ベットが足り無いから、同じベットに二人だってさ やってられないぜ」
セージが毒づいた。
「ふふふ そうね」
かのんが微笑んだ。
「そうだゾットは? ゾットはどうなったの?」
「・・・」
セージがかのんに背を向けた。
「言わなくても良いよ ごめんねセージ・・・」
かのんの顔から涙がこぼれている。
沈黙が二人を包んだ
「一度しか言わないからちゃんと聞いとけよ・・・」
あいつに殺されそうになった時にオレを庇って胸に大きな傷を負わせてごめんな、
それとありがとう・・・。
オレは今までやみくもに勝てない相手にも突っ込むのを勇気と取り違えてた。
これからゾット様みたいに心も体も、もっともっと強くなって、
今度はおれがかのん泣かせる奴をぶったおして
おまえを守ってやるから! もう絶対に負けないからな!!」
セージは大粒の涙を流しながら震えている。
かのんはセージ後ろからを胸の辺りに抱きしめ
「ありがとう セージ もう泣かないで
私も泣かないから・・・」
部屋の中では雨の音だけが静かに響いている。




