19/283
続嵐の夜に
れいなは、指についた かのんの血を悪戯っぽく舐めて冷たい笑顔を浮かべ
「これが何だが判る? 」
れいなは胸元から小さな卵型のペンダントを取り出し
本体の卵の部分に かのんの血を少し塗りつけた。
「これは、処女の血液を餌にして魔物を呼び寄せる物よ。
そして、あなたが魔物に襲われて殺されていく様を
愛だの友情などって馴れ合ってるあいつらに見せつけてやるのよ。」
「あなたはどうして其処まで酷いことができるの?」
かのんがれいなに尋ねた。
「それをあなたに説明する理由は無いわ
でもそうね、あえて言えばあなた達がムカついたから」
れいなが吐き捨てた。
私は信じない・・・信じてたまるか・・・
れいなは自分でも気が付かないうちに呟いていた。
血が付いたペンダントが強い光を放ち始め、光が辺りを包み込むと
近くに虚空に怪しい魔方陣が描かれて
そこから、猫のように体を丸めている巨大な竜が鈍い音を立てて地面に落ちた。
しかし、その事を気にする様子も無く竜は一向に動く様子は無い
「す~ す~ 」
静かな寝息を立てて竜は寝ている。