爆炎の後に
「みんな大丈夫か?」
かのんとセージの二人を庇いながらゾットの声が響いた。
「私は無事よ、バジルも」
倒れ込んでバジルと庇うようにしているローズの声が響いた。
「取り逃がしちゃったみたいね。
タルの水を使って、たき火の場所で煙幕を起こすなんて敵ながら考えたわね。」
「それだけじゃないですね」
ウッドがほこりを払いせき込みながらローズに話しかけた。
「ここらの岩は石灰岩だから、たき火の後に水をかけるとかの
熱疲労させて脆くさせれば、
ここの下にある鍾乳洞の薄い天井くらいまでの岩は魔法で簡単に崩せるんですよ
もっともそれなりの威力が無いと壊れませんがね。
そこまで計算してここでキャンプしていたんでしょう、
まったく悪魔のような知恵ですね」
「熱疲労?」
ローズが首をかしげた
「ああ まだ教えていなかったかもですね
熱くなった食器を 急激に冷やすと一気に脆くなるでしょう?
あれと同じです」
ローズは感心している。
「あの女無茶苦茶しやがる。
だからオレが痛い目合わせないと判らないと言ったんだ
殺っとけばこんな目にあってなかったぜ」
エドが泥まみれにながら吠えている。
「あたしも同意見だな~ あいつは絶対に改心しないよ」
いつの間にか猫に戻っているシルビアもうなずいた。
「あたしとゾットがセージとかのん庇って無かったら、
確実に二人とも死んでたよ?」
よく見れば、彼女のところどころの毛が焼け落ちて、剥げている部分がある。
「かのんが居ない!」
セージが叫んだ
「ごめんなさい かのんお姉ちゃんがれいなに連れて行かれて・・・
そこの穴に飛び降りていったんだ」
バジルが弱弱しく答えた。