血戦の行方
シルビアがれいなに斬りかかると、れいなもショートレイピアを抜きシルビアの斬撃を受け流した。
「猫の分際でやるじゃん」
れいなは無表情につぶやいた。
キンッ 鋭い音が響き渡る。
れいなは受け流した斬撃を返す手でシルビアに斬りかかった。
「アンタ、その程度なのぉ?」
猫のようなしなやかさを生かし彼女は余裕で斬撃をかわす。
れいなが何度斬りかかっても、シルビアは皮一枚でかわし続けまったく当たる気配が無い。
シルビアの斬撃が れいなの肩をかすめ彼女は「ちっ」と叫びシルビアに背を向けた。
「ゾット様がああ言っても、あたしはあんたをこのまま済ませるつもりは無いからね」
シルビアは れいなとの間合いを無遠慮に詰めた。
しかし、彼女は余裕の笑みを浮かべている、これがまるで自分の何かの策のように。
「シルビア 避けて まだ何かやる気よ! そいつの目はまだ死んでない!!」
茂みからローズが叫ぶ間もなく れいなは左手に剣を持ち替え刺突を繰り出した。
シルビアがそれをギリギリで躱すと、
れいなは右手で隠し持っていた長剣で真横に薙ぎ払い、シルビアに追撃を加えた
ざくっ!
シルビアを真っ二つに斬りさいたように見えたが、
しかし後には、シルビアのマントが真っ二つに切れた残骸がのこっている。
斬撃をギリギリで躱したシルビアだが、
服の一部が切り裂かれてる。
「はあ はあ ・・・
こいつ本当に強い・・・」
シルビアは荒く息を切らせている。
「私のあの技躱されたの初めてだけど 躱したのは褒めてあげる
今の技、服とかを身代りにする空蝉とか変わり身とか言うんでしょ?
初めてみちゃったけど意外と見切れるものね。 次は完全にあてる自信はあるわよ。
けど それ以前にもうその恰好じゃ使えないよね?」
れいなは冷たい笑みを浮かべ、ゆっくり両手にもった剣を広げるように構えた。
「うお~~~~ 死ね雑魚が!!」
ゆうじの叫ぶ声が聞こえ、大剣を構えてゾットに突進して行った。
ゾットはさらりと躱すと背後に回り込み一撃を加えると
ぼぐっ! 鈍い音が聞こえてゆうじは倒れ込んだ。
「踏み込み過ぎは、恐怖の現れだ
本当に強い心を持ってる奴は無防備に突っ込みはしない
お前は恐怖に駆られて噛みついてくる野良犬と同じだ」
ゾットがゆうじに語りかけると、
「くそ・・・ 」
ゆうじが吐き捨てた。
その姿をわき目で見たれいなは
「どいつもこいつも使えない奴ばっかじゃん・・・
あ~ ほんとマジでムカつく」
と吐き捨てた。