一かけらの勇気とその代償
「あんたも魔王の城の所に居た子だよね?
あんたも何かうちらに文句あるの?」
れいなはセージの体をさらに痛めつけながら 微かに微笑みを浮かべている。
「今日のれいなちゃん こわ~い どうしたの」
せいじが尋ねた。
かのんの足はがくがく震えている、
うつむいて今にも泣きだしそうな様子だ。
「こいつみたいに痛い目会いたくなかったらいい子ぶるのは辞めるのね
あたしはあんあみたいな優等生みたいな性格の娘見るとムカついてくるの」
れいなはセージを踏みつけにしている。
「あたしらに謝ったら、あなただけなら見逃してあげても良いけど
どうするのぉ? 足震えてるしもう限界なんじゃない? 逃げたいなら逃げてもいいよ」
「今度は後悔しないようにきっと頑張って見せる
前みたいな思いはしたくない、今度こそ勇気を出す・・・」
かのんが小声でつぶやいた。
「何々? 聞こえなかったけどごめんなさい? って言った??」
れいなは満足げにかのんの方を見ている。
かのんは涙をこらえながら声を振り絞って
「やめなさい!その子供を離して!
あなた達のやってる事は何なの? ただの弱い者いじめじゃない!!」
「ふ~ん そういう事を言うんだ・・・。」
れいなの顔色が変わった。
「ずいぶんあたしのは~とが傷ついちゃった、 どうしてくれるのかなぁ~」
言い終わるのを待たずに
れいなはかのんに近寄り鋭い蹴りを食らわした。
「ぐ・・・」
かのんは躱す間もなくもんどりを打って倒れ込んだ。
「ごめんなさい?は どうしたの? もし謝れば許してあげないことも無いけど
ほらほら どうしたのナイト様は?」
れいなはかのんを痛めつけながら微笑みを浮かべてる。
その度にかのんの苦悶の声がこぼれてきた。
「あ~あ 出ちゃった ああなったら れいなはヤバいんだよな・・・」
ゆうじがつぶやいた。
その様子をローズとセージがうかがっていた。