迷光
重たい頭をこすりつつ目を覚ますと草原に寝転がっていた。
ここは何処だろ……。
女の子すわりになり、
記憶の糸を辿り思い出し始めた。
私の名前は 瑞樹かのん ごく普通の女子高生だったはず。
ごく普通と自分では思っているけど、
世間一般から見るとだいぶズレている様で起こしたトラブル数知れず、
人呼んで嵐を呼ぶ女(トラブルメーカーとも言うらしいけど)
今日も自転車で学校に行く前にさっそく忘れ物、そのせいで遅刻ギリギリギリギリの時間になって、
え~~~っとそれから・・・。
家から駅までの下り坂の道を自転車で全速で飛ばして走っていって、
急に飛び出してきた幼稚園児を華麗にかわして、
…それから…。
……それから……。
かわした後に華麗に車道に突っ込んで、華麗にダンプとランンデブー。
走馬灯のように今までの短い人生がよみがえってきた……。
やばぁ~~ やっちゃった
全然実感無いけど私死んだのかな。
そう思うと何故か無性に悲しくなってきた
普通に生きてきて普通にやってきて、平凡なままで何もせずに死んじゃうなんて
悲しすぎる、今度生まれ変わったら後悔しないように頑張ってやってみよう。
その前にここはあの世らしいから、天使がお迎えに来てくれるのね?
天国に行って生まれ変わったら今度は後悔しないようにきっと頑張って見せる!
それから数時間 高かったお日様も少し傾き始めて
おなかもぐぅ~~っと悲痛な声を上げ始めていた。
どうやら私は既に生まれ変わってこの世界にいるようだった。