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流行語と天然と手榴弾には気をつけろ


「おっとっぉ!うっかり雑巾がッ!」


ヒュン!


「・・・・・おいッ!」


・・・・べチャ!


真の顔面に思い切り濡れ雑巾が張り付く。


「いや~。ごめんね、真クン。ついつい」


「・・・・・いいさ、人間だからな。そういうこともあるさ」


そういう真は顔から濡れ雑巾を剥がすが、その顔は引き攣っている。


「・・・・ハハッハッハ!だよね~。流石心が広い真クン」


さらに宏助が挑発した次の瞬間、


「おっとっぉ!聖気がうっかり出てきてしまった!」


ヒュン!


「いや、それはないだろッ!」


ギリギリのところで頑張ってかわす。


サッ!


「・・・チッ!紙一重だったのに・・・」


「お前!今のは無いだろッ!」


宏助は憤慨してみるのだが。


「・・・・心が狭いなぁ・・・」


「なんだとッ!」


全く取り合ってくれないうえに、


「・・・・ほれ、ブーメラン式」


ヒュウーン!


なんと聖気が俺に舞い戻ってくる。


「え!?」


流石にこれには反応できず、見事にヒット。


ドカッ


「ああ~!力が抜けてく~!」


あっという間に聖気が当たった脚が浄化されてゆく。


「・・・戻して欲しければ今すぐ謝れ・・・・」


歩み寄る真。顔が・・・・コエエ。


「おい。浄化するのはズリーだろ!」


一応抵抗してみるが、どうせ軽くあしらわれるのだろう、そう思ってたとき。


「やられたらやり返す・・・倍返しだ!(ドヤ)」


・・・・・奴が自爆した。


「じぇじぇ!(訳:まさかこんな下らない喧嘩でドヤ顔して流行語を使う奴がいたなんて!)」


すかさずそれを突く宏助。真もやっちまったことに気付いて顔を赤くするがもう遅い。


「いや、お前もだろッ!」


奴の突っ込みもごまかしにしか聞こえない。


あとは決定打を与えるだけ・・・・そう宏助は考えた。


コトの発端はまず俺が能力で雑巾を全力投球したことだ。


雑巾は見事に真にヒットした。


しかし、奴はあろうことか聖気を投げつけてきやがった。


しかも紙一重で避け安堵する俺に、太刀の悪い真が聖気を真に戻ってくるように細工していて、聖気が結局俺に当たった。


これを奴は【ブーメラン式】と呼んでいる。ネーミングの悪さには最早呆れを超えて関心すら覚える(麗さんとココも似ている)。


そんなこんなで俺の脚には力が入らない。


(とりあえず麗さん呼ぶか~?でも真の味方だしな)


やっぱりここは明さんに・・・・と考えたとき、


「ひゅるるるる~、あ、手榴弾を持った手がうっかりすべった」


「「ナニぃ!!!」」


ヒュン!


突如、廊下の向かい側から出てきた麗さんが、反対側にいた俺らに手榴弾を転がしてくる。


「「えええええええ!!!」」


女性と言っても流石は女性SP隊長。あれよあれよと危なっかしく手榴弾は、しかし確実に宏助たちの元へやってくる。


ゴロゴロゴロゴロゴロ・・・・・・・


「ちょっとマてぇい!不意打ちか!不意打ちなのかッ!」


慌てる宏助に対して、真は冷静だ。


「慌てるな。冷静に物事を考えろ。こういう場合麗は、「この手榴弾実は手製でドッキリなの!」とか言って・・・・」


「よく分かっているじゃない真。本物はこっち・・・・」


麗が懐から手榴弾の本物(危ないだろ)を出そうとしたところでうっかり落としてしまう。


「「「あ」・・・(笑)」・・・いや笑ったの誰だ今ッ!」


ドカッ!ボフン!


「「「・・・・?」・・・(残念)」・・・おい、誰だ残念がってる奴ッ!」


なんと本物と言って出した手榴弾は地面に当たるやすぐに白い粉を周囲に撒き散らした。


(小麦粉か・・・。待てよ・・あっちがドッキリってことは・・・つまり・・・・)


「・・・・いつもドッキリとか言っておいてあの天然ぶりで、何かをやらかすのが麗だ(涙)」


「あら、良く分かってるじゃない・・・(汗)」


「・・・・アンタら夫婦の命がけ漫才に俺を巻き込むなぁッ!」


素早く転がってきた手榴弾を回収。手の中握りつぶす。


ドッカアアアァアアアアアン!


「・・・・・・なんで俺ばっかり集中砲火・・・・」


「「・・・・すまん(すみません)・・・・・」」


握りつぶされた手榴弾は最後の報復として俺に対しての小規模爆発を仕掛けてきた。










「麗さん・・・・大変ですッ!」


「ああ・・・、よく分かったわね」


「・・・ッてアンタ今度はなにやらかしたんですか!宏助さん、服ボロボロのうえに黒こげじゃないですかッ!」


「安心しろ。死んでないから」


「てめぇそういう問題じゃねぇよッ!」


「だから、床の焦げあと修正してるじゃないですか~」


「当たり前だろ!」


「・・・・・」


最早真にも多少冷たい視線を浴びている麗である。


「そうではなくてですね・・・・・実は神条総帥から緊急収集命令のfaxが届きました」


「「いや。それ先に言え(いいなさい)よ!」」


「・・・・・・(おいッ!)」



もう、真と麗さんの夫婦漫才に突っ込むのは飽きた。伝えに来たSPも慣れているのかスルーである。


「どういう収集命令なの?」


やっと冷静になった麗さん(おせえよ)が質問する。


「それが・・・・明さんと必ず別邸で雇っているSP全員を連れて来い、だそうです。


宏助さん、真さん、捕らえた死神も含めて、だそうです」


「・・・・!それは異例ね・・・」


「・・・そもそもあの件や宏助の件は本邸に伝わっているのか・・・?」


「伝えてはいないけど・・・・・、まぁ、どこかに盗聴器でも仕掛けているんでしょう」


サラッと言うけど、サラッと法律違反ですよね、それ。


「しかし、召集とは、これまた面倒クサイ・・・・」


「私たちはいいけど・・・・明様はねぇ・・?」


「・・・・あの~?俺、よく分からないんですけど・・?」


「召集令てのは、簡単に言えば、神条家の血縁関係のある人間全員が、本邸に神条総帥の名の下に集合する、てことだな。


毎回目的はそれぞれだが、大体は情報交換や身辺報告とか、親戚間の重要な話し合いなんかが、舞踏会を通して行われるんだ


今回の収集令は?」


真の質問に気の張らないだらけた声が返す。


「ちょうど1ヶ月後に行われるようですね。テーマは、身辺警護の重要性の再確認と、その強化。それと神条家のその後について。


親戚間連合会議が三日に一度、行われ、それ以外は舞踏会や、食事会など様々ですね」


「はは~ん。だからSP全員召集なのか」


「おい、真。三日に一度って、そんなに長いのか?」


「長いな。一番長くて二ヶ月。最低でも一ヶ月は覚悟しておけ」


「マジかよッ!ショックすぎるなぁ・・・・・・て、あれ?明さんそういえばいませんね?」


「部屋に篭っているんじゃないの?また?(ジー)」


「ウチのお嬢様は箱入りだからな・・・・・・(ジー)」


「いや、俺ですか!?」


「ここは、いってこい、宏助」


「行って下さいよ、宏助さん」


「畜生ぉおおおお!」


「さて、それは置いといて、とりあえずあと一ヶ月しかないんです!早く準備しなければ!」


「それもそうだな」


「確かに」


「まだ、屋敷の修復も完全には終わっていない・・・。屋敷を完璧にしてから本邸にいかねば」


「よっしゃ!がんばるか!」


「そうだな・・・・(SP全員の収集・・・・)」


「・・・・皆に連絡しましょう・・・・(何か・・・違和感を感じる)」










それから、三週間(一週間前に本邸へは行くらしい。常識だそうだ)。


皆、必死で、屋敷の清掃、整頓、準備を負え、ハイスピードで旅支度を整えた。


「おっと!雑巾がすべっ・・・・」


「滑らせるかっ!」


「おっと聖気が・・・・」


「出させるかッ!」


こんなやりとりがあったのは必然である。


あのあと、明はなんとか元気になってくれたようだ。当然、こちらの心臓は張り裂けそうだったが。


そのときに、肝心の本邸は、どこにあるのか、と質問すると


「・・・ああ、本邸はですね・・・」


やや間があって答えてくれた。


てっきり国内とばかり考えていた宏助は少し驚いた。


「・・・ハワイにあるんですよ・・・・」」


総帥って、夏国が好きなのか・・・?


そんな疑問を抱えながら、三週間を過ごす。


清掃、武器、警備の整理。ハワイへ行くための準備。それらをその間に行う。


滅茶苦茶ハード、といわざるを得ない。


全ての準備が終わったのは、当然ギリギリであった。










~三週間後 ハワイ~


「・・・・」


ザザ~ん!


「「「「ヤッホ~!海だッ~!」」」」


視界一杯に広がる二つの青。


その青を囲うように広がる砂浜は、太陽に焦がされんばかりに照らされている。


広がるとてつもない海。


そう、宏助は今、ハワイの海にいた

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