Tale.28
すいません長らくお待たせしました。
今後は最低でも2~3週間に一度は更新したいと思ってます。
>>思ってます<<
はい、すいません、ふざけました。
「こんなものかな」
黙々と作業をすること数十分。
ボクは延々とマグナの追加武器やギルドのための武器を作っていた。
今の所作業は順調に進んでいる。
因みに夜斗はステータス上げにモンスターのレベルの高い所を狩りに回ってるとのことだ。
「そろそろ休憩……げっ」
『トゥルルルルルルル』
頭の中でシステムアラームが鳴り響いた。
コール|《通話》だ。
ウィンドウに表示されていた名前は――
《ミラ》
即効で切った。
が、再び鳴り出すシステムアラーム。
再び通話を切るボク。
しかし切っても鳴り出す無限のアラーム。
「……もしもし」
『もしもしアスたん!?可愛いなあもう、通話ボタンと間違えて何度も通話拒否の方を押しちゃうだなんて!」
「……」
『ピッ』
「ふぅ……」
通話を切り、一度ため息を吐いたボクは椅子にへたり込む。
『トゥルルルル』
「……もしもし」
『アスたんアスたん!よかったらこの後私とデーt――』
『ピッ』
『トゥルルルルルル』
『ピッ』
『トゥルルルルルル』
「ああもうわかりましたよおおおお!」
『っしゃあああああ!』
こうして、ボクはミラさんとデートに行くことになってしまった。
***
「――と、いうことなんだ」
「なるほど、災難だね兄さん。 というか災難しかないね最近の兄さんは」
現在、ミラさんを先頭に僕と夜斗は街道を歩いていた。
目的地は告げられていない。
因みに夜斗はあの後ボクがコールして巻き込んだ。
「で、俺は何すればいいんだ?」
「何かあった時に守って欲しい」
「……というか絶対何か起こるよな……」
否定できない。
「アスたん着いたよ!」
「……防具屋、ですよねやっぱり」
夜斗は当然無視されている、というか存在を認識されていないのだろう。
「ここは私の知り合いのお店なのよ、可愛い服いっぱいあるよ?」
「やっぱり着せ替え……うっ」
過去の着せ替え地獄の記憶が蘇り思わずボクは足をふらつかせてしまった。
「おっと」
「アアアアアアアアアアアア!!」
夜斗が崩れそうになったボクを腕で支えてくれると、ミラさんが何故か奇声をあげる。
「男がアスたんに触れるんじゃないわよォォォォォオオ!!」
「いや、俺は弟だから……」
「知るか!その汚らわしい手でアスたんに触れるなァァァァアア!!」
「いや、VRMMOだから汚らわしいとかいうの無いし……」
「いいから!私に!アスたんを渡せ!」
「そっちが狙いかよ!」
ボクを余所に激しい突っ込みと(天然)ボケの攻防が行われていた。
が、ボクは関与するつもりなどない。
とりあえず夜斗に体重を授けて楽になり、メニュー操作で暇つぶしがてらにアイテム管理をする。
「兄さんも兄さんで何で俺に体重かけながらアイテム管理してんの!?」
「いや、暇だから」
「この混沌的なやり取りの原因が何言ってるの!?」
「ほら、ボク関わりたくないから」
「これ以上ないくらい関わってるから!むしろ俺が元々関係ないし!」
「だから巻きこんだんじゃん」
「あああもう何で兄さんまでボケに回ってんだよぉぉぉお!」
夜斗には二人のボケは裁き切れない様だ。
可哀想に、とは思わないけど関与せずに見ている分には面白い。
漫才みたいだ。
うん、所詮は現実逃避だけどね!防具屋に入りたくないだけだけどね!




