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《ORIGIN TALE ONLINE》  作者: 零零機工斗
第二章:ゲームとは非日常である
20/31

Tale.17

久しぶりの更新でございます!

今回も新キャラ登場です!

「ふぅ......」


目を開けると、僕は現実世界へと戻っていた。

窓の外を見ると、日はもうすっかり落ちている。


あのあと、ミラさんは「アスたんと一緒がいい!」と言い張り、無理矢理【闇光の刃】の一員となった。

そして僕はその魔の手(カナを含む)から逃げる様にログアウトした。

何故か、最後の最後で二人の意見が合致し、二人掛かりで僕に襲い掛かったんだよなあ


あれに音葉が加わってなくて本当に良かった...



あ、さり気なく逃げてたネフィムさんや藤矢に愚痴でも聞いてもらおう。



そんなことを考えながらベッドに横たわっていると、精神的な疲れのせいか、すぐに眠気に呑まれて意識を沈めた。





◇~◆~◇~◆





朝。


僕にとっての朝とは、平和な時もあれば、平和から一番遠い時もある。

今日はどうやら、後者らしい。


「ふっふっふっふ......」


部屋のドアを開けたまま、廊下に立って不気味に笑う我が妹。

何を企んでいるのかは不明である。


とりあえず、起き上がる。


「なにしてるのかな......?」


「なーにもー♪」


怪しい。

怪しすぎる。


今はまだその企みが動きそうにないので、朝ごはんを食べることにする。


今日の朝ごはんは目玉焼きの様だ。

......何故か音葉も一緒に。


「音葉、朝ごはんくらい自分ん家で食べれば?」


「冷たいなあ、アスちゃんはぁー」


ニヤリと笑みを浮かべる音葉。

こいつも怪しい。


架菜と組んでるのかな...?



「お、明日斗おはよう!」


同じ食卓に、何故かいる筈の無い奴がいた。


黒髪黒眼の平凡な見た目にメガネを掛けている男。

こいつは僕の幼馴染であり、数少ない男友達の坂寺(さかでら)一也(かずや)だ。


「......なんで一也までここにいるの?」


「なんでって......暇だったし、丁度良い匂いがしてたからな。家も向かい側で近いし」


「犬かお前は」


目玉焼きの匂いを向かい側から認識できたと言うこいつの嗅覚は尋常じゃない。

常識すらもひっくり返す完全フリーダムな自由人なのである。


「ところで、音葉ちゃんから聞いたんだけど、お前もOTOやってるんだって?」


話題を切り替えてきたのはいいけど、その話題はまさか...


「あ、うん...やってるけど?」


「おお!じゃあ今日一緒に狩りしようぜ!」


やっぱり......

音葉が後ろでなにやらサムズアップをしてるが、誰に対してなのかは分からない。

ただ、唯一分かることがある。

僕は今、ピンチなのだと。


OTOで僕のアバターを見せてしまえば、どんな反応をされるか分からない。

というかこいつも僕の女装に肯定していたのだ。

絶対何かやられる。


「えーと、僕、生産職なんだ......」


「え?じゃあ狩りは無理か...」


生産した兵器なら狩りは最前線くらいまでいけるかもしれないけど。


「あ、じゃあそれなら俺の武器作ってみてくれ!お前の工作技術の見せ所だろ!」


やばい、どうしてもゲーム内で会うつもりだこいつ。


「別に良いじゃない、アスちゃん」


音葉がニヤニヤしながら肯定する。


これは断れない空気だ......

どうする僕。



「あ、じゃあ決まりな!」


勝手に決められた




◇~◆~◇~◆




OTOにログインし、カナと夜斗のホームで作って貰った自室で目覚める。

一也に会う前に、準備をしなければならない。



一先ず買い物をし、僕は購入したサラシを装備する。

一応、これでただの髪の長い男の子に――


...見える訳なかった。


髪を纏めてみても、ただのぺったんこなポニーテール幼女にしか見えない。

というかサラシ付けてもあまり変わらないし。

やはり顔とか体形とか身長のせいなのか。



いや、顔は現実と変わらないのか。

自分で納得してしまうと悲しいものだね......


とりあえず、髪をハサミで切ってみた。

が、すぐに生えてきた。


ゲームだけあって、システム的に変更しないと髪型とかは変えることはできないみたいだ。



結局、髪はポニーテールみたいに纏めて、白衣の内側に隠した。


さあ、戦いはこれからだ。

主に精神的な意味で。

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