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《ORIGIN TALE ONLINE》  作者: 零零機工斗
第一章:戦争だっ!
14/31

Tale.12

急展開が多い様な......

《憑依》才能のA(アクティブ)スキル:【憑依】



元々は召喚師やテイマーが管理下にあるモンスターに憑依するために使用するスキルだ。

何故そのAスキルのためだけに一つの《才能スキル》が存在するのだろう、と一時期はネットで論争をしていたそうだ。

しかし、分かったことは【憑依体強化】というAスキルが派生する、ということだけらしい。



しかし、ボクは実験を通して《憑依》才能がモンスターにしか使えない訳ではないことを発見した。

どうやら、自ら動くことのできる要素さえあれば何にでも憑依できる様だ。


例を挙げればモーターカーやラジコン飛行機など




あと巨大ロボットとかも、ね




『らあああああああ!』



「ぐべらっ―――」



正面の何人かがマグナの腕に当たり、吹っ飛ばされる




現在マグナに憑依しているボクは、絶賛無双中だ。

銃弾に全く動じず、小さく見える人を蹴り飛ばしている


操縦桿を握っている時とは違い、自然と素早く且つ容易に機体を動かすことができる。



途中で幾つかミサイルが飛んできたが、ボクはロボットならではの間接の曲がり方で避けることができた。

操縦桿での操作ではほぼ神業に近い動きだろう。

何せ憑依前とは違い、人間の様に全てのモーターを動かして無茶苦茶な動きを再現しているのだから



『新兵器とーじょーってな』


ボクは背中からプラズマサーベルを引き抜き、力を流し込む感覚でマグナから電力を入力する

すると、プラズマサーベルはマグナの身長の半分くらいの光の刃を形成した。



背中、足、手、腰のブースターを使ってあらゆる方向に飛び、敵を切り捨てる

同時に飛んでくるミサイルにはこちらも足からミサイルを発射して衝突させる。

そんな攻防戦が続き、敵の数は確実に減っていった


気づけば、数分も経たない内に【(アーミー)】は全滅していた



「......アス?」


『......何?』


「注目を引きつけるだけで良かったんだが。」


ボクも少しやり過ぎたと思っていた所だ。


魚雷火さんだけでなく、残った部隊の皆もあんぐりと口を開けていた



『別に倒しておいて損は無いんじゃない?』


「いや、まあそうなんだが......それ、凄すぎだろ」


そうだろう、そうだろう

これがボクの最高傑作なのだから!


「もはやチートだろ」


「というかレーザー銃とか作ってる時点でチートじゃね」


「でもそんなこと言ったらウチらの団長や魚雷火さんだって十分チートなんだが......」



部隊の人達が集まってゴニョゴニョと話し始めた

ボクはマグナの聞き取り機能のお陰で話が筒抜けなのだが、聞かなかったことにしよう


ボクは【憑依】を解き、マグナのコックピットに戻る。

今の戦闘で精神的に疲れたせいか、ボクは自然と力が抜けて座り込んだ


すると、【夜斗】からコールが掛かってきた


「もしもしー、どうかした?」


『兄さん!?アンタ一体何したんだ!?外から様子を伺ってたんだが、青い巨人が広場で暴れてたぞ!』


「ああ、あれ?ボクの作った機械兵だけど」


『やっぱりか!!』


いや、知ってるんだったら聞く必要が無いんじゃないか...?



『なんてモン作ってるんだ!?アレはゲームバランスが完全に壊れるって!別のゲームになるだろ!』


「大丈夫、売らないから。」


『そういう問題じゃねええええ!!』


ウィンドウに映っている夜斗は頭を抱えて叫んでいた。

そして微かだけど、遥か後ろにも同じ叫び声が聞こえた









丁度その時。

一つの人影が広場に姿を現した。


「っと、なんか来たから通話切る!」


『へ?兄さ――』


通話を切ったボクは操縦桿を握りなおした



人影を確認してみると、軍服に黒いコートを羽織った大男だった。

顔を良く見てみると、大男というより、『おっさん』の方が近い気がした



片手にはアサルトライフル、もう片方にはバズーカが握られている。



大型の銃火器を二つも持つって、一体どれほどSTR(筋力)が高いんだろう...


そんな疑問をボクは思考から消し、汗を手で拭った。


「お前が仲間をやったのか?」


『仲間?【(アーミー)】のメンバーなのか?』


「メンバー......間違っちゃいねーが、どっちかってーとボスだな。」


おっさんは苦笑いし、頭をぽりぽりと掻いた


「見た所プレイヤーの乗ったロボットの様だが、俺の仲間を一部とはいえ数分で片付ける程とはな。興味が沸いてきた。ちょっくら戦ってくれよ」






(アーミー)】のボス――もとい、【(アーミー)】のギルマス、プレイヤー名【コマンド】。


敵ギルドのギルマスなら戦わない理由はない。




『良いよ。』





その言葉を聞き、コマンドはニカっと笑った。


「それじゃ遠慮無く行かせてもらおう!」


そしてボクを狙い、アサルトライフルとバズーカを連射し始めた




ボクは【憑依】を発動し、背中のブースターで横に飛んだ。

そして急旋回でコマンドの正面まで接近し、腕を振り落とした。



だけど流石はギルドマスター、あっさりと避けられた。

コマンドはアサルトライフルを連射しながらバズーカを構え、マグナの胸部を正確に狙っていた。



当たらない様にと必死になり、ボクは機体を捻ってコマンドに踵落としを繰り出す。

蹴りは避けられたが、爆撃は中断された様だ。

ボクは相手に攻撃の猶予を与えない様にプラズマサーベルを引き抜き、そのまま斬りつけた。




「フゥンッ!」




コマンドが一度唸ったかと思うと、サーベルの刃は彼の縦に構えられたバズーカで受け止められていた。

見た所武器の素材からして、強度が予想と同じくらい高ければあと数十秒は耐久度が持つだろう



だけどそれでは遅すぎる




『っだああああ!』




サーベルを引き戻し、全力で別方向から叩き斬る。

防がれてはお終いの最後の賭けだったが、どうやら今回は相手も動揺したお陰で成功しそうだ。



そのまま勢いを付け、斬り抜こうとした。











そのままだったら、ボクの完全な勝利だっただろう。




だが理不尽なことにその瞬間、【憑依】の常時MP消費でMPが切れた。

MPが切れて【憑依】が解除され、マグナの動きが一瞬遅れた。


その一瞬の隙を、相手は見逃さなかった。




「おらあああああああ!!」




地響きにも間違える程の雄叫びを上げ、コマンドはボク(マグナ)の腕を蹴った。

サーベルは腕ごと吹っ飛ばされ、コマンドは一気に接近してきた


ボク(マグナ)は何もできず、気付けばバズーカを胸部に突き付けられていた





「勝負ありってか。終わるのは残念だけど、楽しかったぜ?」


コマンドはニカっとしながらバズーカの引き金を引こうとした




刹那、





「ぐはっ―――」



コマンドが引き金を引き切る前に、突如現れた影に吹っ飛ばされた。




「久しぶりおっさん。お前を殺しに来たぜ」


現れたのは良く見知った人物だった



「貴様、【銀狼】の夜斗か......面白くなってきたな...!」



倒れこんだマグナの正面では、自信満々の笑みを浮かべた夜斗と、不気味な笑みを浮かべたコマンドが睨みあっていた

あれー、やっぱり急展開。


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