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《ORIGIN TALE ONLINE》  作者: 零零機工斗
第一章:戦争だっ!
12/31

Tale.10

二日連続更新できた!

「テメェらどこのギルドのモンd「【影鞭】!」――ぐぇっ」


「誰だか知らねぇがとっとと失せr「【闇獄炎】!」――ぎゃああああっ!?」


「っく、コイツら何者なんd「【闇風】連射ァ!」――ぐはああああ!?」







「......無双だな」




魚雷火さんの戦いを見て、ボクの第一感想がそれだった

威力などはネフィムに劣るが、魔術師と呼ばれている癖に運動神経がかなり高いのだ。


例えば鞭の形状をした黒い靄を一振りで容易に敵を薙ぎ払ったり、大勢の前衛職を相手にしながらも魔法で後衛を吹き飛ばしたり、魔法を連射しながら飛び蹴りを食らわせたりなど、色々と無茶苦茶だ。

恐らく現実での運動神経も同じくらい高いのだろう


なら何故前衛職に向いているスキルではなく魔法を選んだかと聞くと、「魔法は現実に無いから」ということだった

確かにそう言われてみれば、使いたくはなってくる。


しかし、このゲームなら魔法剣士とかも可能な筈だ




「え?魔法剣士?ダメダメあんなの。中途半端じゃん」





効率を無視してまで信念を貫くって案外バカなんだね。

あれ、ひょっとしてボクも人のこと言えない...?



閑話休題



現在ボク達は雑魚を蹴散らしながら少人数ギルド、【勇者パーティ】の拠点を目指していた

『パーティ』という単語が含まれているが、ちゃんとしたギルドだ

しかもかなり強いとされるそうだ


ギルマスは【勇者】の二つ名を持つ魔法剣士の【カイ】。

最初の【魔王】に類するボスをソロで倒したから【勇者】と呼ばれる様になったそうだ



【勇者パーティ】は少人数の分、一人一人が強いらしい。

ボク達の部隊の人数と同じ、六人だ。

この部隊は魚雷火さん以外にもそれなりに強い人で構成されている


六人の内二人が前衛、三人が後衛、魚雷火さんが両方だ。

ボクは後衛なのだが、魔法は使えない。

代わりに、兵器での援護をしている。

さっき量産した爆弾を投げたり、プラズマ砲を撃ったり、小型のミサイルを撃ったりだ。


正直言うと、かなりズルイ。


前衛が相手を抑えている内にボクの高威力を誇る兵器の一発で木っ端微塵。

強そうな相手が出てきても魚雷火さんが出れば最低でも数分は抑えられる。

十分過ぎる時間でレーザーを使って敵を切り捨てたり、プラズマ砲を使って敵を蒸発させたり、ミサイルを使って大軍を爆破したり、とチート感溢れる戦い方をしている


「うわぁ、腕がああああああ!!」


「一体何が起こってr『ブォン』――」


「消えた!?」


「うぉ、誰か助けt--『ドォォォォオン』」


「なっ、爆発だとぉ!?」





......カオスだ


原因はボクなんだけど、ボク自身も何が起こったか正確には分からない。

分かるのは、魚雷火さん曰く『雑魚』の大軍に向けて色々な兵器の試し撃ちをしていること

そして攻撃が当たった人達は無残な姿になっている、もしくは死体すら残っていないということだ。

真っ二つに斬られた人、プラズマの熱で蒸発してかき消された人、文字通り木っ端微塵に飛び散った人。


ゲームなのでプレイヤーは血を出さないが、やはり恐ろしい。

なんてモノを作ってしまったんだボクは...


「やるじゃんアス!お前の作った兵器凄ぇな!」


魚雷火さんが褒めてくれるが、ボクは罪悪感から自重していた。


...せめて爆発物だけは止めておこうかな


未だに砲撃を続けながらも、ボクはそう思ったのだった





◇~◆~◇~◆





「そうか、君達が【闇光の刃】だったのか!随分と人数が少ないな!」


「俺達は【闇光の刃】のほんの一部隊だ。人数くらいは掲示板にも出てる筈なのだが」




メンドクサイ人。


それが、【勇者】の二つ名を持つ人物を表すのに最適な言葉だった



つい先程【勇者パーティ】に所属している二人を見つけ、襲撃しようとしたのだが、逆に先手を打たれた。

【勇者】カイがこちらに気づいて突進を仕掛けてきたのだ。


それをなんとか防いだら、長剣を下ろして笑いながら話しかけてきた。

で、今に至るという訳だ



「カイ、掲示板くらい見なさいといつも言っているでしょう。」


「そうだっけか?」


「そうですっ」


シスターの様な服装をした女性が溜め息を吐きながら【勇者】を叱った

こんな人だから、ギルドメンバーも苦労するだろうな...


今回のイベントもギルマスが負ければ敗北なのにこの人は当たり前かの様に外を出歩いていたし



取り敢えずボクは不意打ちとばかりに銃を取り出した


「もらったぁ!――うわっ!?」


が、銃の引き金を引き切る前に手から弾かれた

銃を弾いたのは、カイの長剣だった


距離は5メートルはあった筈なのに、近づかれたことに気づくことさえできなかった


「甘いぞ小娘!」



「...魚雷火さん。コイツ、やっぱり口だけじゃないですね。」


「まあ、少人数のトップギルドだからな。」


「じゃあ、やっぱり魚雷火さんが自爆で道連れに...」


「それだけは勘弁」


「じゃあ、正面から行く」


ボクはバリア展開装置を取り出し、カイに向かって駆け出した

相手は長剣を振ってきたが、バリアで弾くことができた


これで、大抵の攻撃を防げることが分かった


「今度こそ!」


ボクは予備の銃を取り出し、柄で長剣を叩き落としながら発砲した

銃の性能のお陰か、HPは半分近くまで減少した


「ぬぅ、アリス!」


カイがアリスと呼んだのは先程のシスターだった


「【ホーリーライト】!」


アリスが唱えると、カイの身体が光に包まれ、HPが全て回復した

強力な回復魔法の様だ


「アス避けろ!【闇獄炎】!」


巨大な黒炎の壁が迫って来たので、ボクは《加速靴(ブーストブーツ)》の加速を使って横に跳んだ。

カイもボクと同じ方向に跳んだが、顔面に蹴りを食らわしたので魔法が直撃した


「ぐべらっ!?」


顔面を蹴られたからなのか魔法を食らったからなのかは分からないけど、カイは奇声を上げてHPが一気に半分以下まで減少した


「止めぇっ!」


ボクは銃を二回連続で発砲し、カイのHPが0になるのを見届けた

振り返ると、既に他のメンバー達がアリスに止めを刺していた。




『一丁上がり!』


部隊の皆で歓声を上げた。

フルメンバーじゃなかったせいであっさり倒された【勇者パーティ】

まあそれも当然かの様にほっつき歩いていた【勇者】が悪いんですがね

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