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《ORIGIN TALE ONLINE》  作者: 零零機工斗
第一章:戦争だっ!
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Tale.8

ほのぼのペースなのに、短めです

カナが軽く暴走します。あ、これはいつも通りか


お気に入りが180件越えててビックリです

本当にありがとうございます

「ねぇねぇお兄ちゃん?」


「んぐ、んぐ......何かな?」



僕達は今、現実世界で昼御飯を食べている。

昼御飯は架菜が作ったオクラ入りの夏カレーだ。


カレーが好物な僕は息一つせず一気食いをしていたのだが、途中で架菜が話しかけてきたので手を止めた。



「幾らネフィムさんが本気を出してなかったとは言え、未だにどうしてお兄ちゃんが数分でやられなかったのか不思議なんだよ。確かに兵器は凄かったけど、お兄ちゃん最初の日以来戦ったことはなかったんでしょ?ステータスの差が大き過ぎるくらいが普通なのに...」


「ああ、確かに生産しかしてないから素早さとかは負けるよ思う。でも一応自作の装備をしてたから、ネフィムさんに瞬殺されなかったんだと思う。」


「どんな装備?」


「ええと、《加速靴(ブーストブーツ)》ってのが一番役に立ったかな。あれを装備すると電池を消費してAGIを一時的に上げられるんだよ。素早く移動さえできればバリアの防御、《Σブラスター》の攻撃で十分戦えるしね。」



「どうでもいいけど、その《Σブラスター》って名前なんとかならない?言うだけでこっちが恥ずかしくなってくる...」



失礼な、と思ったのは今回で何度目だろうか

日に日に僕に対しての関心が悪くなってない?

むしろ作れたことを褒めて欲しい。


名前は気に入っているので変えるつもりはこれっぽっちも無いが


「そういえば気になることがあるんだけど、ネフィムさんってなんで口調変わったり、偉そうな態度から小動物みたいになっちゃったりするんだ?」


「ああ、あれはね...二重人格、とはちょっと違うけど、もう一つの自分を演じてるんだよ。ネフィムさん、見れば分かるけどちょっと痛い人でさ。本人は自覚しているから現実でそんな一面は見せないけど、ゲームだと世間体とかあまり気にしなくていいから厨二開放モードになってるんだよ」


「なるほど......まあ唱えてたスキル名から少し痛い人ってのは察していたけど」


だって【闇黒炎球】とか......多分あれオリジンマジックだけど、自分が狙われてなければ「痛い人だな」って呟いていたかもしれない


「ネーミングセンスについては人のこと言えないでしょ」


「酷い......」



若干傷つきながらも、僕は夏カレーをやけくそに口に放り込んだ。


そしてその後水を一気飲みしようとしたまさにその瞬間、





「やっほ~!皆大好き音葉、登・場!」




「ぶっ」


突然の侵入者の登場により、僕は飲んだ水を噴き出した。





「「お、音葉(さん)!?」」


相変わらずお気楽な音葉がピースサインを決めながら我が家の台所に侵入した。


「どうやって家に入って来れたんだよ!」


「合い鍵くらい持ってるさ!型を取らせて貰ったしね!」



それって何気に犯罪じゃないか?



「誰だよコイツに合い鍵の型取らせたの...」


「あ、俺だけど」



「「「藤矢いたの(か)!?」」」




「いや、さっきからずっと居たんだけど...」



その後、藤矢は暗い表情で部屋に戻って行った。

何故暗い表情をしているのか分からないが、僕は取り敢えずそっとしておくことにした。








◇~◆~◇~◆






「ねぇねぇお兄ちゃん?」


「今度は何だよ......」




現在、ボクは《ORIGIN TALE ONLINE》にログイン中。

ガラクタの散らばった倉庫に引き篭もっているのは相変わらずだ。

倉庫の中にはカナも居る



数分前と全く同じ台詞でボクに問いかけてきたカナは、ボクの作った兵器の一つをガラクタの山から引っ張り出していた。

銃の形をしているが、製作者のボクはその実態を知っている



「気をつけて。そのトリガー引くと爆発するから」



「怖いよっ!?」



「銃に見せかけた高性能爆弾だからね」


「ゴメン、もうお兄ちゃんの作ったメカは迂闊に触らない様にする」



何気に傷つくことを言うな、コイツは......

その辺に散らばってる爆発物はその銃だけなのに



「で、何の用?ボクの作った機械を見るためだけに来た訳じゃないんだよね?」


「別に用が無くても来たっていいじゃん。兄妹なんだし♪」


カナがそう言いながら後ろから抱き着いてきた。

同時に頭を撫でられているので、兄としてのプライドがシュレッダーに入れられている気分になった


「兄妹だからと言って勝手に抱きつくな。頬をつつくな。あと頭を撫でるな」


「お兄ちゃんのお肌柔らか~い。羨ましいくらいだよ」


「そんなこと言われても悲しくなってくるから止めて!」



しかしそんなことを言っても、カナが止まることは無かった


「ぷにぷに~スリスリ~」


「うにゃあっ、やめてくれぇ!」


カナは今のボクより背が高く、力では負けてしまう。

スリスリもボクの精神を凄い勢いで削っているし




ボク、かなりのピンチ



しかし、ボクは逃げ出せない



誰か、ヘルプ。



「ふへへへへ、今のお兄ちゃんは私には勝てないのだー!......あれ?」



カナが後ろへ引き剥がされたのを感じた。

後ろを振り向くと、何故か溜め息を吐いている夜斗が立っていた。

どうやらカナを引き剥がしてくれたのは夜斗らしい。横にはカナが転がっているし



「......助かった。ありがとう夜斗」


「ああ。全くカナ姉は......消えたと思ったらやっぱりここに居たな」



「ここに居て良いの!お兄ちゃんは私の癒しだから!」




褒めたつもりだろうが、それはボクにとってただの屈辱でしかないぞ、妹よ。


あと夜斗、何時の間にかログインしてたんだな

あの後部屋の隅で体育座りしているイメージしか無かったんだけど...



「兄さん、口に出てるよ......」


「おっとゴメン」



「はぁ......俺って何で存在感が無いのかな」



その後夜斗の目に光が宿っていなくて、それをチャンスとばかりにカナに襲われたのは言うまでも無い

次回、戦争イベントが開始します


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