表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『追放された野生の天才料理人、騎士団の胃袋を掴む ~「魔物を煮込むな!」と追い出されたのに、堅物公爵の理性を粉砕しています~』  作者: にゃん
第3章 至高料理師の凱旋(再びの砦編)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/67

第42話:砦の朝市

物語の舞台である北の砦の“1日”を、

リアルタイムでお届けする投稿を行います。

ウェブ小説ならではのライブ感覚をお楽しみください。

• 7:00 42話:砦の朝市

• 12:00 43話:地獄に仏?神様仏様リゼット様

• 20:00 44話:砦の隠し酒と雪解けカボチャ

北の砦のふもとに位置する「街道の村」は、朝霧が晴れると共に活気づいていた。

今日は月に数度の、砦へ食材を納入し、余った品を兵士や近隣住民と売り買いする「朝市」の日だ。


「さあさあ、今朝採れたての岩清水クレソンだよ! 旦那衆、いかがだい!」


活気ある声が響く中、砦の正門から数名の影が現れた。

先頭を歩くのは、漆黒の外套を羽織ったガイアス。そしてその隣には、村人たちが思わず手を止めて見惚れるほど、見違えた姿の少女がいた。


「皆さん、おはようございます! 今日もいいお野菜が揃ってるわね」


「……えっ? リ、リゼットちゃんかい!?」


野菜の籠を抱えたおばちゃんが、目を丸くして声を上げた。

以前のリゼットは、いつも煤にまみれ、サイズの合わない男物のシャツを無理やり着こなしている「元気な看板娘」だった。

だが今、目の前に立つ彼女は、どこか凛とした佇まいで、清潔感あふれる白い調理服に身を包んでいる。何より、まとめ上げられた髪に刺さっている黄金のかんざしが、朝陽を反射して神々しい。


「なんだい、その綺麗な格好は! 王都へ行ったって聞いたけど……本当にお姫様みたいになっちまって!」


「あはは、お姫様なんて。ちょっと王様にお料理を作って、そのお礼に頂いたのよ」


リゼットが屈託なく笑うと、村の男たちがざわめき立った。

「王様に料理を!? 本当だったのか、あの噂」

「なんでも、王様が一口食べて腰を抜かしたとか……」

「へぇ、それじゃあリゼットちゃんは、今や国一番の料理人ってわけかい?」


彼らにとって「至高料理師」という称号の意味はよく分からない。だが、「王様に直接褒められた」という事実は、最高に分かりやすく、誇らしいニュースだった。


「リゼットさん、ますますいい女になったなぁ……。あのかんざしも、本物の金だろう?」

「ああ、眩しすぎて直視できねえよ……」


「(……チッ)」


背後で、ガイアスが隠しきれない不機嫌さを撒き散らしながら、一歩前に出る。

「……おい。見惚れてないで、納入品を検品しろ。リゼット、あまりあちこちフラフラするな。人混みは危ない」


「団長さん、ここは私の馴染みの村よ? 危ないことなんてないわ」


「……お姉さまをそんな卑俗な視線で舐めるように見る……。この村ごと、魔力で更地にして差し上げましょうか?」


リゼットの左隣では、同じく銀髪の美少女――ミレイユが、周囲の村人を「塵」を見るような目で見下ろしていた。


「ミレイユちゃんも物騒なこと言わないの! ……あ、おじさん! その大きな『雪解けカボチャ』、全部いただくわ! これを蒸して、昨日のバターと合わせれば最高のご馳走になるのよ」


リゼットがカボチャを手に取ると、村の若者が勇気を出して話しかけてきた。


「リ、リゼットさん! 王様に褒められたって聞いたけど……俺たちの村の野菜、これからも使ってくれるのか?」


「もちろんでしょう? 王様も『北の野菜は力が強い』って仰ってたわ。この村の野菜がなきゃ、私の料理は完成しないもの」


「王様が、俺たちの野菜を……!」


村人たちは一気に沸き立った。リゼットが遠い存在になったのではなく、自分たちの野菜がリゼットを通じて「王様にも認められた」と感じたのだ。


「よーし、リゼットちゃんのためだ! 最高のキノコと肉も用意してやるよ!」

「こっちの蜂蜜も持っていきな!」


リゼットを中心に、村全体が明るい活気に包まれる。

「国宝級の称号」なんて難しいことは分からない。ただ、俺たちのリゼットちゃんが立派になって帰ってきて、今も変わらず自分たちの土の匂いを愛してくれている。

それだけで、村人たちにとっては十分すぎるほど「至高」の出来事だった。

【読者の皆様へお願い】 もしも「続きが気になる!」と思っていただけたら、 下にある【ブックマーク】や【ポイント評価(☆☆☆☆☆)】をいただけると、執筆の大きな励みになります! よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ