未来の僕たちへ
初めての物語の執筆なので読みにくいところが多々あるかもしれません。
人間は汚い生き物だ。生態系の頂点に立ってもまだ人間の欲は消えなかった。食べるわけでもないのに動物を狩り皮を剥ぎ飾る。このなんでもないことのために命が一つ消えたというのに、、、もしかしたらあれは天からの罰だったかもしれない。おそらく僕がやったことは歴史書にも載らない、いやむしろ悪者として言い伝えられる可能性だってある。僕は果たして正しいことをしたのだろうか。
2351年日本、東京に巨人が上陸した。巨人は東京の街を破壊、人を捕食し続け東京は小一時間で壊滅した。巨人の大きさは百メートルほど。動きは早いわけではないが、とにかく硬くでかい。到底人間が相手できる大きさではなかった。東京に巨人が出てから約9年、人類は地球の6割を巨人に支配された。だが、きょじんが侵略を止めたのだ。人類はこのチャンスを逃すまいと和解を試みる。
△△△△△
2360年
「イブ、巨人との交渉の日が決まったとは本当か!」
男がドアを勢いよく開き叫んだ。
「あぁ、レヴォついにやったよ。ついに和解のチャンスが来たんだ。これも全部リーダー私のおかげだね」
彼女は自慢げに胸を張った。
巨人侵攻から9年連合軍の構成員はほぼ全員故郷を巨人に破壊されたもので構成されていた。和解の知らせ悔しくも全員にとって吉報だった。
「僕たちは人間領の侵攻停止を条件に和解を申し込むので意義ないな」
「おう」
連合軍メンバー全員が勢いよく返事した、ただ一人を除いて
△△△△△
翌日
場所は旧イラク、エデンの丘。周りには2本の大きな川が地平線まで続いており、丘の頂上には2本の木がなっている。その木の麓に二人の男女が立っている。徐々に大きな地響きが二人に近づく。
「我は巨人の長、アダムである」
低く地を這うような声が響く
「アダムよ私の名はイブ。早速だが本題に入ろう。人類はこの戦争の終結、つまり和解を求める」
イブは天まで届くような大きな声で言った。
「ははは、人間よ何を言い出すと思ったら和解か!飛んだ笑い話だな」
アダムは愉快そうに笑っている。
「愚かな人間よ、お前らは自分たちの立場がわかっているのか?我らはたった9年で人類が何万年もかけて開発した星を征服したのだぞ。」
先程の態度とは一変木がざわめき、アダムから放たれる雰囲気が変わった。
「だが、貴方たちの進軍は1ヶ月も前から止まっている。それにこちらが討伐した巨人の数も増えつつある、我々も貴方たちとも対等に話す権利があるはずだ」
イブが発言を終えた次の瞬間、とてつもなく大きな殺気がアダムから放たれた。
「小童、勘違いもええ加減にせぇ」
アダムから発せられる殺気がピリピリと肌を刺す。
「お前らの軍のおかげでこちらの進軍が止まった?笑わせるな、お前らは俺らの数少ない食べ物の一つだ。お前らに絶滅されては困るのでな、全滅しない程度に残しているだけだ。お前らなどは対等に見てはいない。お前らは俺らの餌なんだよ。」
アダムの発言はとても衝撃的だった。心では分かってはいた、こちらが討伐した数はあっち側が進軍を止めるほどのものでもなかった。それでも僕たちが掴み取った結果であってほしかった。
その時アダムがニヤリと笑った
「だが、その和平に乗ってやろう。ただし条件がある」
エデンの丘から帰る足取りは重かった。巨人側から要求されたのは食用人間の定期的な供給。これさえしてくれればあっち側はこれ以上攻めてこないらしい。期限は一週間後。おそらく条件さえ守ればアダムは本当に約束を守るだろう。だが、条件が条件だ。
連合軍本部に戻った僕たちはすぐに会議室に入り会議を開いた。
「イブ僕は反対だ。確かにこの戦争を終わらせられるのは人類側にとってとても大きい。国民は安心し、復興も進むだろう。だがここであの条件を飲んでしまえば、「巨人によって不幸になる人を無くす。」という今までの僕たちの目標はどうなる?、、」
「すまない、少し一人にしてくれないか?」
イブは下を向きながら俺たちに言った。
この条件を飲めばとても多くの国民が救われる。だが、その裏で、巨人に食べられてしまう人たちがいる。そんなの仮初の平和でしかない。お願いだイブ、、
△△△△△
真っ暗な誰もいないはずの会議室で黒いローブを羽織った男とイブの話し声が聞こえる。
「リーダー」
「なんだ、ジヤか。一人にさせてくれといったであろう」
「ですが、リーダー今回の条件は飲むべきかと思います」
「なぜだ?あの条件を飲んでしまえば少なからず人が死に続けるのだぞ」
「あなたの考えはそうなのかもしれませんですが考えてください、あなたは人類全員を束ねるリーダーです。たとえ数人が使用と人類存続のための決断をするのがあなたのすべきことです。」
「だが、、、」
「だがではありません。リーダーは強き者でなければなりません。よどうかよいご決断を」
イブは腕を机に立て、顔を手で覆い下を向いた。
そうしてジヤは部屋から出て行った。出て行ったその顔は笑っていた、、、
△△△△△
一週間後イブは巨人の条件を飲み互いの領土不可侵の盟約を交わした。
僕はイブのいる執務室へと駆け込み、戦友であり我々のリーダーでもある彼女に問うた
「イブなぜだ?なぜ承諾した?」
イブは暗く冷たい顔で僕を見つめる。
「私は人類の救世主として。選んだんだ」
「その君の選択でこの先数十年、もしくは数百年苦しめられる人が出てくるんだぞ」
「それでも私はこの答えを買えない。その犠牲になる数に見合った数が救えるんだ」
「そんな簡単な足し引きの話じゃないんだよ」
「うるさい. そんなこと私もわかってる」
彼女は机を叩いた。
彼女の顔が見えない。何を考えているかわからない。
「こんなもの間違ってるよイブ、間違っているはずなんだ」
「ジヤ彼を牢へ連れていけ!」
僕はそばにいたジヤに連れられ手部屋を出た
扉がしまる最後の瞬間まで僕を見る顔は以前の彼女のような顔ではなかった。
コツコツとジヤの靴の音が廊下に響く
「ははははははは」
ジヤの大きな声が廊下に響く
「最後まで滑稽だったなレヴォ」
ジヤが大きな笑顔を俺に見せる。
「お前イブに何をした!」
「なに、ちょっとプレッシャーを与えただけさ。少し責めただけでつぶれちまったよ」
「なぜそんなことを」
「簡単な話よ、人類を救うという大いなる目標の前では、あの条約を承諾するだけで人を殺すことが許されるのだからな。それほどの大きな権力を見放して置けるものか。」
ジヤは皮肉のこもった口調で話した。
「お前そんなことしてただでは済まないぞ」
「いや、済むさ。お前以外は誰もこのことを知らない。そのうえいつもリーダーの隣にいた一番邪魔なお前もこれから消えるのだからな」
俺はその瞬間俺がどうなるのかを悟った。俺は何も言えなかった。
なぜなのだろうか俺は何か間違ったことをしたのだろうか。
そこからの記憶はあまりない。ただ巨人の口の中で最後にイブの顔が浮かんだ。僕たちはいつ道を踏み外してしまったのだろうか。巨人と和解をしようとしたところだろうか。いや、平和を望んだ所から間違ったのだろう。やはり愚かな人間にはそのようなことは高望みだったのだろうか、、、なぁ教えてくれよイブ。なぜに世界はこんなにも理不尽なんだ
初めての物語が少し暗めなので、次回作は楽しい冒険譚にしたいと思ってます。次回作もご期待ください。