5 マリエール商会
マリエ―ル商会が開業した。売上は順調だ。マリア王女に国家予算並みだと言われる。
5 マリエール商会
マリエール商会が開業した。貧民や貧困者を店頭に立てる勇気はないのでアンドロイドに任せた。異世界のマリエールのアンドロイドも見た目は10代の美少女だ。卒無く対応してくれたら有り難い。店はマリエールのアンドロイドが4体、異世界のアンドロイドが50体だ。残りは、貧民と貧困者とともに武具、防具作りやゴミ処理、今は王城の上下水道工事をしている。マリエールは余興としてマジックショーをしたり、来賓の応対をしている。一応に店員の
美人さに目を惹かれた。そういった質問には、
「そういった面を重視して集めました。外目は良くても、中身が伴わない子もいますが私もその口なので人のことは言えません。」
この場所は王子と王女が国王にせがんで借りて貰った。王都の中心地である。いずれは外商もやりたいが今はこれだけで精一杯だ。午後11時本日の営業が終わった。凄い人だった。売上はどうだろう。トラブルはなかったのか。マリエールはいたわりの声掛けて回った。アンドロイドだ。疲れを見せるものはいない。他部署で働いていたアンドロイド達も戻ったのでアンドロイド達の数は多い。売上の報告がある。
「初日の売上、約3億エミリです。」
ほうぼうから歓声が上がる。私の念話は異世界のアンドロイドには伝わらないが、アンドロイド同士では伝わるらしい。事前の予想では精々1億までと予想していたのがその3倍だ。初日に集まったこともあるし今日は土曜日だ。明日以後この売上が続くとは思えない。しかし今日の成果を喜ぼう。私も歓声を上げた。
翌日以降もまずまずの売上を上げた。1億エミリを下回るのは余程天候の悪い日だけだ。ちなみに1億エミリは10億円だ。外商始める。まずは王城だ。異世界のアンドロイドをいきなり王城に出すのは勇気がいるのでマリエールが一緒だ。そして目指すはマリア王女のところ、マリア王女とマリエールは盛り上がる。
「初日3億エミリ? 1年で1000億エミリ国家予算並みね。」
「初日だけよ。土日を除けば1億エミリを少し超す程度だわ。」
と会話は続く。女子トークだ。中々本題に入れない。ちょっと間が空いたのをとらえ、アンドロイドが話す。
「こちらの品々をマリア王女に進呈したいと思います。」
マリア王女の顔にクエスションマークがつく。
「私に? 私まだ10歳よ。ジュエリーはまだ早いと思うけど。」
アンドロイドはたじろがない。
「我が主も10歳、されど年商1000億エミリを目指しております。人の価値は年では決まりません。これらはマリエール商会の最高ブランドのジュエリーです。我が主と並ぶ最高の女性だからこそジュエリーが輝くというものです。」
良く口が回るものだ。マリアは火が着いたようだ。
「最高の一品を私に付けなさい。」
アンドロイドは、かしこまりました。と応えると正に最高の一品を馴れた手付きでマリア王女に付けた。ネックレスだ。正面に大きめのダイアモンドをサファイアが取り囲んでいる。周りの光で変化する不思議な石だ。その周りの部分つまり首に巻く部分もダイアモンドを中心にサファイア、ルビー、エメラルドなど中心に様々な宝石が纏まりを持って上品に配列されている。
「マリア王女様であれば普段使いされても良いと思いますが社交会等で使わられれば輝きます。マリア王女を最高の姿にするマリエール商会の誇る最高の一品です。」
マリア王女は宝石を見たり、鏡に映したり、側近達の意見を聞いたり上機嫌だ。アンドロイドは更に説明を続ける。
「ネックレスは場合により使い分けます。こちらは儀礼用、外国からの来賓と会う時使います。こちらが葬祭用---------。TPOに応じて使い分けます。」
アンドロイドの声はマリア王女には届いていない。
マリア王女は身に付けているネックレスのとりこになっている。
本当はマリア王女にはネックレスは早いとマリエールは思った。でも年齢相応のブレスレットでは怒りそうだ。それで普通15歳の成人した女性が始めて着ける若い女性が着けるもので最高のものを送った。マリア王女なら似合う筈だ。予想以上の反応だ。
今日は大家族会議だ。数ヶ月に一回開かれる。第2王妃は憂鬱だ。王の血筋を残すための結婚と言う意味では成功だが第1王妃の子ども達に比べ自分の子ども達が劣っているかが判る。最近はマリエ―ルと言う少女を使って各種産業や事業を行なっているらしい。そのマリエ―ルは先日マリエ―ル商会を立ち上げ、第1王妃の子ども達はそれに尽力したらしい。年商1000億エミリを目指すそうだ。私や子ども達の存在意義がなくなった。実はマリエ―ルは私のところに来てジュエリーを進呈したいと言って来た。ダイアモンドのネックレスだ。これほどのものを私は見たことがない。子ども達にも素敵なブレスレットが送られた。男の子にはエメラルドを中心にダイアモンドで飾ったもの、女の子にはサファイアをダイアモンドで飾ったもの。私達には過ぎたもののような気がして着けて来なかった。それが王妃と王女の首から下がるものに比べて劣るものか判った。
「ねい、国王、聞いて下さいよ。このネックレスマリエ―ル商会最高の作品か聞いたのよ。そうしたら最高の一品はマリア王女に贈りましたので王妃様に贈るものは2番ですだそうよ。」
王妃の首にはルビーを中心に置いて、サファイアで飾られている。他の部分はダイアモンドだ。王妃自身も別に怒っているわけではない。王女の首には最高のネックレスがかかっている。
マリア王女は満足そうだ。
「ネックレスは使い分けるのよ。今なら本当は普段使いの方が良いかも知れないけどお披露目が必要でしょう。マリエ―ルに使い分けるように10種類のネックレスを貰ったわ。どれも素敵よ。それに年齢によって使い分けるそうよ。20代後半になってこのネックレスはおかしいそうよ。」
聞いていてマリエ―ルが私達親子の存在をどう見ているのか判った。ようするにどうでも良いのだ。いても居なくてもどうでも良い存在。国王に取っても第1王妃とその子ども達に取ってもそうだ。
悲しいことに息子はルドルフ王子に娘はマリア王女に忠誠を誓っている。反骨精神はないの゙か。
マリエールが外商を始めた。その様子を第2王妃の視点で見る。