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しばらくして、アンリが戻ってきた。
「ルイ、待っていてくれたのね。エミリは保健室で少し休んで、寮に送っていったわ。ルイもごめんね、びっくりしたでしょう。・・・でも、なんで急にその話をしたの?」
「それは・・・」
ルイは黙り込んでしまった。
「何かあなたにも理由があったのね。」
「・・・ごめん」
「・・・エミリはね、あの事件でさらわれた当事者なの。その時のことがトラウマになっていて、思い出すと今でもあのように発作を起こしてしまうのよ。だから、エミリの前ではもう絶対その話をしないでほしいの」
「そうでしたか・・・傷つけてしまい、アンリにもエミリ嬢にも本当に申し訳ないことをしました。今度エミリ嬢に謝罪の機会を設けていただくことは可能でしょうか。」
「きいてみるわ。ルイごめんね。私が先に伝えておけばよかったのよ。私が悪かったの。本当にごめんなさい」
ルイは気づいていなかった。
この時も、お昼に話を振った時も、アンリも体がこわばり、手を力強く握りしめていたことを。




