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本日アンリ・ローズ辺境伯令嬢とルイス・ノア公爵令息の婚約が結ばれた。
ソール王国は、太陽の女神のもと作られたと言われる国であり、500年の歴史ある国である。この国の人々は少なからず魔力をもち、魔法を使うことができた。国の周囲には魔獣もおり、創設当初からローズ辺境伯家は、国防を任される由緒正しい家系である。
そんな辺境騎士団と、王都騎士団はいつからか互いに反りが合わず、ギスギスした関係が続いていた。腰抜けども、田舎者などお互いを馬鹿にし対立していた。
そんな中6年前王都で発生した幼児連続誘拐事件をきっかけに、和解の方向に進むようになった。
今回の婚約は、さらなる友好をすすめ、王国の守護を固めるための王命であると聞かされている。
アンリが12歳、ルイスが10歳の時の婚約であり、ルイスが18歳になったら結婚となる予定となった。
アンリはディラン・ローズ辺境伯の末娘であり、銀髪でエメラルドブルーの瞳をしている。
ローズ辺境伯は銀髪でブルーの瞳をしており、辺境騎士団長を息子に託し、15歳年上の長兄現在辺境騎士団団長を務めながら時期辺境伯として日々励んでいる。長兄は金髪にブルーの目をしている。
り、次期辺境伯として励んでいる。
10歳年上の次兄は、学園を首席で卒業し王太子の側近となっており、銀髪の長髪を一つにまとめ、エメラルドグリーンの瞳をしている。
母親はアンリを出産後、産後の肥立ちが悪く亡くなってしまったため、父、兄らが大切に大切に育ててきた辺境伯家の姫である。
ルイスは、黒髪に金色の瞳をしており、ノア公爵家の嫡男である。父リュカもルイスと同じ黒髪に金色の目をしている。アンリの長兄と同い年であり、リュカは幼児連続誘拐事件解決の立役者であった。1年前に公爵家当主となり、王都騎士団の団長を務めている。
「ノア公爵嫡男ルイスと申します。アンリ様とお呼びしてもよろしいでしょうか。私のことはぜひルイスとお呼びください。」
2つ年下であるが、少し恥ずかしがりながらも、公爵家嫡男らしい毅然とした態度だ。
「ローズ辺境伯家長女アンリと申します。ぜひアンリと名前でお呼びください。私もルイス様と呼ばせて頂きますね」
「はい、アンリ様。それでは、今後婚約者としてよろしくお願いします。王都と辺境伯を結びつける大切な婚約と聞きました。若輩者ですが、あなたとこの国を守るため努力してまいります」
そういって手渡されたのは、白のチューリップとカスミソウの可愛らしい花束だった。