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アンリは気づいていた。
ルイスがエミリを好きになっていること、また、エミリも少なからず好意を抱いていることに。
しかし、別にどうでもよかった。
アンリはルイスに友情はあっても愛情を抱いていなかったからだ。アンリは絶対に結ばれることのない初恋の人がいた。しかし忘れられず、今もなお思いづけていた。
ノア公爵家とローズ辺境伯家の婚約は王命だ。国の結びつきのため必ず結ばれないといけない重要なものだ。ルイスもそう思っているだろうと、こればかりは仕方がないと、あきらめていた。
しかし、自分と違い、互いに想いあっているのにかわいそうに思え、学生の間だけでもと、あえて2人きりになるよう仕組んだりした。
しかし、そのせいで悪い噂が飛び交うようになった。どんどん悪いほうにいっている。訂正しても訂正してもどんどん噂は尾をひいて広がていった。
アンリは焦った。2人に迷惑をかけてしまったと。
3人で会うことはやめましょうといったときの2人の顔は青ざめていた。私のせいだ。ごめんなさい。毎日心の中で謝った。
なんでこんな皆が不幸になる婚約なんてあるんだと嘆いた。
2人を引き裂く自分の存在を恨んだ。
でも、はと気づいてしまった。
2人を結ばせることができ、なおかつ自分も初恋を実らせることができる方法に。




