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初恋  作者: りら
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プロローグ

夫が亡くなった。

20年目の結婚記念日だった。


息子に爵位を譲り、これからは夫婦2人でゆっくりすごそうと話していた矢先に病が見つかった。

余命宣告をうけた。

体調が悪いのに、心配する私を逆に労ってくれ、結婚記念日まで頑張ってくれた。



夫とは政略結婚だったが、私を妻として尊重し、大切にしてくれた。

息子は公爵として、娘は王太子妃として、国のため、領民のために、立派に努めている。




夫は私の初恋だった。

子どもの頃からずっとお慕いしていた。


夫は、前の奥さまを亡くされたあと再婚を拒んでいたが、私が無理矢理おさまったのだ。

夫との結婚は絶対にあり得ないものだった。

夫と結婚できる可能性が出てきたとき、奇跡がおきたと思った。この奇跡を絶対に逃がさまいと自分から動いた。父を、夫を説得した。

王命であり、国の安寧のために、夫は私を娶ってくれた。

本当に嬉しかった。幸せだった。




天国で奥さまと会えただろうか。

私は無理矢理妻になった女だ。自分の愛を押し付け、それでも夫は私を20年間大切にしてくれた、愛おしいお方。

もう私から解放してあげないといけない。

嫉妬なんてしてはいけない。

奥さまにお返ししなければならない。



本来は結婚できる相手でなかったのだ。

旦那様とお呼びしてはいけなかった相手だったのだ。






お義父様と呼ぶはずだったのだから。




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