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第捌話 「ぺたぺたさん」
部活終わりの帰り道。私はふと、後ろに気配を感じた。しかし、振り向いてみても誰もいない。
気のせいだと思い、私は再び歩き出した。その瞬間からだ。――ぺたぺたぺたぺたという音が、私の足音と共に聞こえ始めたのは。
走ってみても、足踏みをしてみても、ぺたぺたという音が私の足音と共に張り付いてくる。足を止めると、ぺたぺたという音は止んだ。
その現象に怖くなり、私は、
「――ついてこないでよッ!」
そう金切り声を上げ、家に向かって走り出した。
次の日から――、
私の学校でのあだ名は『ぺたぺたさん』になった。