13/25
第拾肆話 「楽に死ぬ方法」
頑張れ、頑張れと他人は僕に言う。
――僕はもう、めいっぱい頑張っているのに。そう今だって、
「はあ……」
ため息をついて、僕はマンションの屋上から飛び降りた。全身に風を強く感じる。
そして、そして、そして。
ぱんっと、体が弾ける音がした。痛みはもう、感じなかった――。
§
「うわ、また飛び降り自殺だってよ」
昼休み、スマホを片手に持ちながら、康二がそう話しかけてくる。
「ここ最近多いよね」
そう言った直後、僕のスマホがピロンという音と共に震えた。
「お前、通知切っとけよ。先生にバレたらどうすんだ」
「ごめんごめん」
そう康二に謝りながら、僕は通知音の原因であるメールを開いた。
『この度は、自殺代行サービスのご利用ありがとうございました』