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第拾弐話 「口内炎」
「――痛ッ!」
また、口内炎だ。かれこれ一ヶ月も治っていない。流石に歯医者にでも行ったほうがいいのか?
あ〜、気になる。――見に行くか
そう思い、俺は食事中にも関わらず席を立った。向かうところは、洗面台。
そして、俺は鏡の前で唇をめくり――、白い潰瘍が三つ、人の顔みたいに並んでいた。
「なんだ、これ……気味悪いな……」
そう俺が言葉を発した直後、三つの白い潰瘍が不気味に笑った。――比喩抜きで、間違いなく笑ったのだ。にっこりと、不気味な笑みを浮かべて。