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第拾壱話 「ヤマヒコ」

「――ったく、完全下校時間とっくに過ぎてんじゃねぇか。いつまでも説教してないで、帰らせろよッ」


 薄暗い山道を歩きながら、俺はそうぼやいた。

 俺の家は山の頂上付近にあるので、走っても往復一時間ぐらいはかかる。それなのに、遅くまで説教をされたのだ。これは、少しぐらい愚痴ってもいいだろう。


 むしろ、山の頂上付近に家を建てた親にも怒りが湧いてくる。まあ、そのおかげで人一倍体力があるのだが。


 そんなことを思いながら歩いていると、俺の脳裏にある違和感が走った。それは、


「静かすぎないか……?」


 虫の鳴き声が全くというほど聞こえない。さっきから、俺の足音だけが音を奏でていた。おかしいと思った直後――、恐ろしい声が俺の耳に響き渡った。


「――ッ、あああああぁぁぁぁぁ!!」


 俺は思わず反応してしまう。してしまったのだ。――しては、ならなかったのに。


「聞こえタ、聞こえテタ、聞こえタ聞こえテタ聞こえタ聞こえテタ聞こえタ聞こえテタァァ聞こえタ聞こえタ聞こえテタ聞こえタ聞こえテタ聞こえタ聞こえテタ聞こえタ聞こえテタアアァァァ!?」



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