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急に求婚なんて困ります④

妖界には四大貴族というものが存在する。

四大貴族____それは四神の加護を受けた、青家、白家、朱家、黒家の四家の事である。


四神とは青龍、白虎、朱雀、玄武である。


「四大貴族の当主達の力は絶大であり、ここの妖界の平和が保たれているのは四大貴族とそのトップに君臨する王が居るからなのです」


秋明は目を輝かせながら話し続ける。


「そして…ここは春様も気になるポイントかと思われますが、四大貴族の現当主方は歴代の当主方を遥かに超える美しさを誇っております!!人気があり過ぎて妖界では写真集も出版されているぐらいです!!」

「は、はぁ…」


春はやっぱり妖界って変わってるなぁ、と思いながら聞いていた。


「しかしですよ春様、白蓮様が一番ですよ。間違いありません」

「まぁ、そうですね、そこはこの馬鹿秋明と同意見です」


凛も頷きながら『白蓮様、一番!』と言っている。

春はまるでラーメンのコマーシャルでよく聞くフレーズを思い浮かべて笑いそうになって考えるのをやめた。


「少し気になったのですが、白蓮さんは四大貴族でありながら王族なのですか?」

「…あぁ、いえ。王族はこの妖界には存在致しません」

「四大貴族__四家の当主全ての代替りが無事終わった100年後に当主の間で四家の代表者、つまり妖界を統べる王を決める『器』と呼ばれる儀式が存在します」


「白蓮さんはその『器』と呼ばれる儀式で王になったのですね」

「はい」


秋明は嬉しそうに頷いた。

春は外の景色を眺め始めた。


「あぁ、春様に言い忘れておりました!」

「え?」

「四家は皆が皆仲が良いわけではございません」

「あ、そうなのですか?」

「はい、ちなみに白家は青家とは犬猿の仲と言っても過言ではありません」


「……なるほど」


秋明は青家の者とは決して会わないように、会っても逃げるようにと念を押した。

そこまでとは知らず春は目を見開いて驚いた。

その後、四大貴族の話を終えた秋明と凛は春を休ませる為に部屋を出た。



秋明と凛が部屋から出た後、春は疲れがどっと押し寄せ、その場にあったベッドに倒れ込んだ。




***






『___春』


優しい声が春を呼ぶ。

酷く懐かしく、胸がじわりと熱くなる。



『春_』


春は春を呼ぶ主が誰だかよく分からなかった。モヤが呼ぶ主を隠してしまう。



『愛しい私の春』



____誰?



『私だけの春』



目の前に手を伸ばされて、春は恐る恐るその手を握った。







***



「っ…?」


春が目を覚ますと少し暗くなっていた。

春は結構な時間寝ていたのだろう。

その時、手に違和感を感じた。


「春、よく眠れたか?」


春は目を擦って隣を見ると、どう見ても隣に白蓮も寝ていた。

そして、右手はしっかりと白蓮と繋がれている。


「春、まだ眠いか?」


白蓮は目を細めて手を繋いでいない右手で春を引き寄せて抱きしめる。


「春、春」


白蓮の首元に顔を押し付けられて、春の危険察知センサーが反応した。

急いで引き離そうとする春に白蓮はそれよりも強い力で抱きしめる。


「ちょっ、離してくださいっ!!」

「春…」


切なそうな声で何度も春の名前を呼ぶ。

寝ぼけているのは白蓮の方なのかもしれない。


「…白蓮さーん」


春を抱きしめたまま動かなくなった白蓮。


「今何時ですか?あの私、そろそろ帰らないと」

「なぜ?春は私と居ればいい」


耳元で優しく囁く白蓮。


「はぁ…そういう口説き言葉は他の女性にお願いします」

「春でないと意味が無い。春、結婚しよう」


すかさずプロポーズしてくる白蓮にもう春は笑うしかない。

不思議そうに思った白蓮は少し腕を緩めて春の顔を見る。


「笑うという事は、良いのだな?」

「どうしてそうなるのですか」

「春、結婚……うぐ」


春は左手で白蓮の口元を押さえた。


「結婚、結婚って…普通はお友達からとかそういうのじゃないのですか?」

「んん、んんん?んん」


春は白蓮が何を言っているのか分からなかったが、白蓮が言い終わった後嬉しそうに目を細めていたのを見て、良い事ではないのは伝わった。


「結婚っていうのは人間にとっては大きな事なんです。そんな簡単に決められるわけがないです」


白蓮はまた春を抱きしめ、白蓮の口元にあった春の左手に自身の右手を重ねていた。

急いで春が離すと春は名残惜しそうな顔をしてまた春を抱きしめた。



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