第九話
※短いです。
「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく 後日談:もうひとつの結婚 後編」と話がほぼ同じです。
フロナディア王国の学園の卒業パーティーから一年半が経ち、それ以上延期することもできず、ライオネルとリリアの結婚式の日となった。その日は暴風雨が吹きすさぶ日であった。式に出席する人々は早く家に帰りたくてたまらなかった。
その中、ライオネルとリリアは祭壇の前につく。しかし二人の顔に喜びは見えない。結婚式は儀礼的に風がさらにきつくなる前に帰れるように超スピードで進められた。
そして式が終わると式の主役も含めて、足早に家路についた。
公爵家の馬車にはライオネルとリリアが向かい合って座る。しかし、言葉はない。
屋敷に着くとライオネルは足早にリリアを待つこともなく入っていった。
遅れてリリアが降りて入っていく。
リリアが屋敷に入ると玄関にはライオネルと抱き合う元北の砦の隊長エドモンド・ウィアーの姿。
リリアは二人を睨み付けると自分の部屋に向かっていったのだった。
リリアとしては公爵家の者として必要なものをある程度好きに買えるが、一年の修行と半年の教育の結果、素質がないと言う事で公爵夫人にも成れず、ライオネルとの間に子供を作ることがないため、リリアが何かやらかさないかを心配する公爵の監視の元、王都で暮らすこととなった。
ライオネルは国王より許可された婚約者が公爵夫人の素質がないと言う事、そして、本人も公爵になるには不適格とされ、のちに火種を残さないようにするため去勢されたが、領地の私兵団の団長となり、元北の砦の隊長エドモンド・ウィアーに守られながら共に領地にて過ごすこととなったのだった。
※終わりっぽいですが、もう少し続きます。