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異世界とつながった世界で生きていく  作者: ゆうごろう
第一章 繋がりの始まり
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第五話 精霊と進化

第四話の剣人の思考で「410もあれば上級魔法の付与も·····」という場面がありましたが、上級魔法を中級魔法に変更しました。

僕が【精霊召喚】を発動すると、大量の魔力が吸い取られ、巨大な気配が地面に現れた魔法陣から感じられる。


やがてその魔法陣が掻き消えたと思えば、そこには1人の女性が立っていた。

エメラルドグリーンの長い髪をたなびかせて佇むその姿はとても上品で、威厳を感じさせた。


「あなたの願いはなんですか?」


柔らかく、しかし威圧感を伴ったような声がその場を支配する。


「…僕の…願い?」


僕の願い…それは…!


「僕の願いは…!強く、憧れていた友達の横に肩を並べていたい!もっと…もっと強く、逞しくありたい!」

「…それがあなたの願いですか。いいでしょう!その願いを叶えるため、私の力を使いなさい!」


そう言われた時、頭の中にアナウンスが流れてくる。


ーーーザザッ契約の口上を確認ーーー


ーーーザザッ契約対象の確認ーーー


ーーーザザッ最上位精霊【レビアス】の存在を確認ーーー


ーーーザザッ契約者の魔力を確認ーーー


ーーーザザッ固有名【レビアス】と固有名藤崎翔の契約を申請ーーー成功。


ーーーザザッ固有名【レビアス】の固有能力の譲渡を申請ーーー失敗。


ーーーザザッ固有名藤崎翔の進化を申請ーーー成功。


ーーーザザッ固有名藤崎翔の進化を実行ーーー完了しました。


藤崎翔は上人類(ハイヒューマン)へと進化しました。


ーーーザザッ固有名【レビアス】の固有能力の譲渡を申請ーーー成功。


ーーーザザッ固有名【レビアス】の固有能力を譲渡ーーー完了しました。


ーーーザザッ固有名【レビアス】の進化を申請ーーー成功。


ーーーザザッ固有名【レビアス】の進化を実行ーーー完了しました。


最上位精霊【レビアス】は、風の精霊王種【レビアス】へと進化しました。


前より長いアナウンスが終わり、契約が完了したことを悟り、【レビアス】と呼ばれていた精霊に話しかけ

る。


「えと、これで行けたんですか?」

「ええ。契約は完了しましたよ?ステータスを確認すれば私の固有能力が追加されているはずです!」

「分かりました、ステータスオープン!」


ーーーーーーーーーーー藤崎 翔ーーーーーーーーーーーー

魔力:400 総魔力量:8000 種族:上人類種

物理耐久値:100→200 魔法耐久値:500→2500

適正魔法:火魔法 土魔法 木魔法 水魔法 闇魔法

精霊魔法 召喚魔法 空間魔法 収納魔法

固有能力:言語理解 精霊分離 精霊召喚 精霊融合 従魔契約 闇魔法Ⅰ 詠唱破棄 魔力操作Ⅵ 物理耐性Ⅱ 魔法耐性Ⅴ 自動再生IV カリスマ イメージ補正 魔法生成Ⅰ 風精霊王魔法Ⅰ 魔力生産効率化Ⅱ ヘルプ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「すごい…適正魔法も増えてる…」

「ええ、私の【空間魔法】と【収納魔法】が取得できていますわね。それに、固有能力も増えてますわ。この【ヘルプ】って言うのは私のでは無いので、多分ハイヒューマンに進化した時に取得した能力ですわね。」


レビアスが説明してくれている。


「偉いですわ!こんなに私の能力を余すことなく受け継ぐだけでなく、私を進化させるまで…さすがご主人様ですわ!」


…ご主人様?


「あの、ご主人様って呼ぶのはよしてくれませんかね…」

「あら、よそよそしくしないでくれませんこと?」

「わ、わかりまし…分かったよ。これでいいかい?だからご主人様は辞めてくれないかな…」

「ふふふっご主人様は照れ屋さんなんですね!」


あっ…この子話聞かないタイプの子だ…


《聞こえますか?マスター。》

(ん?なんだ?)


《聞こえているようですね。私はヘルプです。ハイヒューマンへと進化した特典で、知識面での魔法を手助けしていきます。》

(へぇ、自我があるの?)

《はい。これはあなたの魔力が強大なものだからですね。》


(ふーん…ハイヒューマンって何?)

《ハイヒューマンとは今のあなたの種族名で、魔法に関する可能性が人類種、ヒューマンより広がっています。そのひとつとして私、ヘルプが追加されました。》


(うーん…ヘルプって呼びにくいなぁ…名前を付けてもいいかな?)

《その意味はあまり分かりませんが、いいですよ。私はマスターのものです。》

(…釈然としないけど、じゃあ君の名前はマリだ!)

《マリ…ですか。なかなかいいですね。気に入りました。》

(これから宜しくな、マリ!)


「ねぇえ、あなたさっきからムッとしたり嬉しそうにしたりどうしたの?」

「あぁ、ヘルプってのと喋ってたんだよ。」

「へぇ…ヘルプってのは自我があるのね?」

「うん。マリって名前なんだ。」

「マリは、私とは喋れるかしら?」

《可能ですよ。》


「可能らしいよ?」

「じゃあ、繋げてくれる?」

《ではマスター、行ってきます。》

(う、うん。行ってらっしゃい。)

「お、来たわね、マリ。」


そこからはガールズトーク(?)にはなが開いているらしく、マリは帰ってこなかった---



ちっす。八重島剣人です。見事に蚊帳の外です。

いやぁ、レビアスって呼ばれてるのが来たあたりから退散しようかなぁって思ってたんだけど、これが動けねぇの。


なんでだろうね?儀式は見逃しちゃダメってことなのかね?てな感じで俺は翔と合流し教室へと向かって行った。





俺達が教室へ着くと、そこにはなんかでかいクマ?と契約を結んでいる西塔がいた。


「ははっ!見ろよこいつ、強そうだろ!」


んー…覇気が感じられない。雑魚っぽいが…余計なことは言わないようにしよう。


「なんだァ?吃驚して声も出ねぇか?八重島ァ!!」

「…ん?なんだ。俺に言ってたのか。気づかなかった、すまんな。で、強そうだろ?だっけ?正直言うと覇気がねぇな。多分魔狼より弱いだろ。下げとけよ?無駄死にになる」

「は??てめぇなんかに何が分かるんだよ!」


はぁ…こいつ話聞かねぇ…ほっとくのが一番だな、こりゃ。クマ?には悪いが、現実見て貰わねぇと


グォオオォォォォアオォオォォ!!!!!!!


ビリビリと肌を突き刺すような咆哮が校舎を襲う。


「ついに来たか…!」


俺は手に右手にはめたグローブの掌にある宝石を触る


宝石に指が触れると宝石が輝きだし、その手を前にかざすとそのかざした先にある空間が()()()()()

俺はそこから白の鞘の持ち手が黒い日本刀を取り出す。


「空間魔法って便利だなぁ。これ、使い道の幅が広いな。サンキュ、レビアス。教えてくれて」


空間魔法を教えてくれたレビアスに俺は礼を言う。

実はあの召喚の騒動が一通り終わった時、レビアスに便利な魔法を聞き出していた。


そのひとつがこの【空間魔法】で、空間にひびを入れさっきみたいに収納したり出来るらしい。

ちなみに翔もレビアスと契約した時に使えるようになったらしい。天才めっ!


「さぁ、俺の初陣だ」


俺はその一言を残し、戦場へと向かって行った



「フゥゥゥゥ…ビリビリ来るなぁ!これが殺気ってやつか?全然濃さが違ぇ!」

『ガルルルルルルル!!!』


俺は刀を引き抜くと、【付与魔法】で予め付与しておいた魔法を使う。


「【紫電・纏】発動…!」


俺は自作の刀、〈纏丸(仮)〉に魔力を流し、ギミックのひとつを発動させる。


【紫電・纏】とは中級魔法のひとつで、物に紫色の電気を纏わせることで感電させたり、焼き払ったり出来る俺にピッタリの魔法だ。

消費魔力も中級基準ピッタリの40で、発動時間は無制限と使い勝手がいい。


俺は〈纏丸(仮)〉を構え、技を繰り出す。


八重島流 殲滅特化 【狂い咲き】


これは殲滅特化とか何とか言ってるが、端的に言えば滅茶苦茶に剣を振り回し、切りつけていくという雑な技…に()()()


しかし、この技の本質はそこにはなく、この技は敵の急所を見極め切り裂いていく、というものにある。

この技術を取得するには努力が必要だが、使えるようになれば初見の動物でも心臓の位置が分かるし…世界が繋がって以来、()()()()()の位置も把握出来る。


まぁ俺も何かはわからんけど、魔狼達が切られるのを避けているのを見ると弱点なのは変わりないだろ。

切った後は明らかに弱体化しているし。


しっかし数が多い。

全然減らねぇよこいつら。

…無尽蔵に湧き出てるのか?そんな情報なかったが…

確かめねぇとな。

命の奪い合いは、"最悪の場合"という状況を潰していかねぇと負ける。


俺は魔狼を切りながら魔狼が向かって来る方向へと突っ込んで行ったーー



ーーーーーーーーーー藤崎 翔ーーーーーーーーーーーーー


「…やっぱり凄いな、剣人は。」


昔からそうだ。僕にできないことを簡単にやってのけて、解決してしまう。


《マスター、これでは我々が活躍できません。東側の殲滅を受け持つことをお勧め致します》


マリが言う。


「そうだね…よし、行こうか!レビアス、早速"あれ"を試そう!」

「OKよ、翔君。いつでも来なさいな」


レビアスが長いエメラルドグリーンの髪を揺らし、合意の言葉をくれる。

僕に対する呼び方は翔君で落ち着いた。


「【精霊融合】発動…!」


宣言をすると、レビアスがたくさんの光の粒となり僕の胸のあたりに溶け込んだ。


ーーーザザッ精霊融合の発動の宣言を確認ーーー


ーーーザザッ精霊融合の発動を申請ーーー成功。


アナウンスが流れてくると共に、僕の容姿が変わってくる。


髪の色が黒とエメラルドグリーンの混じった色に。

手首の部分にリングが現れ、背中には翼が生えた。

そして魔力が爆発的に増え、体の周りには溢れ出る魔力が風となり漂っていた。


「よし…!行くよ!」


僕らは戦場へと飛び出した。



「…こうして見るとやっぱり多いな。」


独り言を呟く。


「…試しにこれかな。風精霊王魔法【死の嵐】」


【詠唱破棄】により詠唱を省き、風精霊王魔法の高位殲滅魔法を発動する。【死の嵐】が発動し、大量の魔狼が魔法によって切り裂かれ魔石を残し消滅する。翔は背中の翼を使い上空に留まりながらその光景を目にし、若干の罪悪感に駆られながら違和感を感じていた。


「…数が…減らない?」

《ええ、その通りです。恐らくは上位種がおり、随時召喚され続けているのではないでしょうか》


マリの言う通りだと思う。どれだけ数を減らしても減るどころか増えているようにも感じる。


グォオオォォォォアオォオォォ!!!!!!!


そんなことを考えていると、突如魔狼が吠える。

その声には威圧感と共に、並々ならぬ存在感を含んでいた。


「あいつが上位種ってやつかな?」

《恐らく、そうであると考えられます。そして種族名は【ヘル・ウォーウルフ】でしょうかね。》


マリが答えてくれる。流石だな、知識はこれから困らなさそうだ。


『アイツを優先して狩った方が良さそうねぇ…いつまで経ってもあいつが死なないと雑魚が増えるばかりよ?さすがに数で押されたらこちらが不利だわ。』


…レビアスってそんなに口悪かったっけ?素が出てない?


「よし、じゃあ対個人の魔法も試してみよう。」

『じゃあ風生成魔法【ロンギヌスの槍】なんてどうかしら?あと、さっきみたいに魔法名も言わなくて結構ですわよ?今、【精霊融合】の影響で一時的にですが【詠唱破棄】が進化して【即時魔法生成】が使えるはずです。イメージさえしっかり持っていれば直ぐに魔法を放てるはずよ。』


へぇ…じゃあ試してみようかな。でも、できる限り言った方がいい気もするな…【精霊融合】を解除したらそれは使えないんでしょ?


『えぇ、そうですわ。でも、翔君なら直ぐに進化させることが出来ると思うわよ?』


まぁ、頑張るよ。


「風生成魔法【ロンギヌスの槍】」


魔法を使用すると、天に掲げた右手の上に濃密な風によって作り出された巨大な槍が出現した。

ここまでイメージ通りだとなんか怖いな…


《いえ、それはマスターの【イメージ補正】による効果であり、元の魔法は小さな槍が手元に出現し、ただ真っ直ぐ進むだけの魔法です。マスターならもっと自由なものも作れると思いますよ》


固有能力のおかげだったっぽい。

しかし、イメージ補正か…イメージ通りになるんだったらこんなことも出来るかな?


「風精霊王魔法【死の嵐】プラス風生成魔法【ロンギヌスの槍】で…出来た!」

《マスター…それは恐らく固有能力である【魔法生成Ⅰ】の効力です。普通出来ませんよ。》

「えっ…出来ないんだ…まぁいいか!えーと…名前どーしようかな…オリジナル魔法【死の槍】でいいか。」


僕は【死の槍】を操り、【ヘル・ウォーウルフ】に攻撃を加えてゆく。


ヘル・ウォーウルフは、死に恐怖が無いかのように槍を恐れず真っ直ぐに向かってくる。僕は少しの恐怖心を覚えながら、【ヘル・ウォーウルフ】を討伐した。


グォオオォォォォアオォオォォ!!!!!!!


ヘル・ウォーウルフは、戦っている最中とはうって変わり、少し笑ったように見えたーーー


ーーーーーーーーーーー西塔 龍馬ーーーーーーーーーーー


なんなんだ!あの野郎は!藤崎達の腰巾着じゃなかったのか?!

魔狼の咆哮を聞きつけるなり変な魔法使ってしかも教室から消えやがった!


どうなってる???どうなってやがる!!!なんなんだ!?あいつは俺より弱いんじゃないのか!?!?俺にはあいつより強い固有能力があるんだ!!!あんな根暗より強いんだ!!


なんで、なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんで!


あいつはなんなんだよ!!


…憎い。


俺より活躍しているあいつが憎い。

俺よりも弱いやつが俺より目立っているのが憎い。

みんながあいつに歓声を上げるのが憎い。


《力をやろう》


そんな声がした。


《力が欲しければ仲間を裏切り、我らにその力を示してみよ》


俺の頭の中はどす黒い思考に支配されて行ったーーー

次回は明日の正午に更新を予定しています

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