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異世界とつながった世界で生きていく  作者: ゆうごろう
第一章 繋がりの始まり
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第二話 ステータス

本日1話目です

 教室へと戻ると、机の上には魔書って言われるものが1人4冊の本が置かれていた。


「へぇ…これが魔書なの?薄いわね…」


 俺の後ろで小晴が呟く。


「そうだな…俺ももっと分厚いのを想像してたんだが…」

「4冊あるけど、それぞれ何が書いてるのかな?」


 俺と翔が答える。


「まぁ見てても始まんねぇし読んでみるか?」


 そう言って俺は窓際の席へと座ろうとしたが、窓の外を見て固まらされた。そこには…大量の狼のような獣がいたのだ。犬とも違う、巨大な図体。その狼のうち、一体の一際存在感を放つ狼が俺が見ているのに気づき、あの体育館で聞いたような叫び、いや雄叫びを上げる


 グォォオオォォォオオオォォオ!!!!!!


「ひっ!ちょ、ちょっと剣人!外に何があるのよ!」

「わかんねぇ…狼みてぇだけどな。そうだ、魔書とやらには書いてねぇのか?」

「わ、分かったわ、確認してみる。」

「俺も探してみるよ。」


 小晴と翔が探し始めるのを確認し、俺は机の上に魔書と共に置いてあったステータスプレートを手に取る。


「これがステータスプレートか?でけぇな…えっと…【コンフィグレーション】だったよな?」


 ーーーザザッ設定者の魔力を確認ーーー


 ーーーザザッ設定者の適性魔法を確認ーーー


 ーーーザザッ設定者の固有能力を確認ーーー


 ーーーザザッ設定者のステータスを確認ーーー


 ーーーザザッ設定者のステータスをインプットーーー

 完了しました。


 こんなアナウンスが頭の中に流れると、ステータスプレートが光の粒へとなって、体の胸あたりに流れ込む。


「うおっ、なんだ?」

「どうしたの?剣人、なんか見つけた?」


 小晴は一旦無視し、【ステータスオープン】と唱える


ーーーーーーーーー八重島 剣人ーーーーーーーーーーーー

魔力:25 総魔力量:50 

物理耐久値:400→4000 魔法耐久値400→4000

適性魔法:付与魔法 身体能力増加 最大能力値増加

固有能力:言語理解 付与固定Ⅰ 空踏 剣戟強化 隙見 威圧 魔力操作Ⅰ 物理耐性Ⅹ 魔法耐性Ⅹ 超再生Ⅰ 魔力変換Ⅰ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 こんな画面が目の前に映る。

「おい、小晴、翔。これが見えるか?」

「どうした?剣人。俺には何も無いように見えるが…」

「ん?どうしたのよ。ついに頭までおかしくなったのかしらん。まぁ、こんな状況で落ち着いてるあんたは充分おかしいと思うけれどね!」


 小晴に1発手刀をぶちこむ。


「!?い、いつもより…痛い…!?」

「…これが身体能力増加か。いつもの2分の1位の力で打ったけどいつもより痛いらしいな。よし!もうちょっと練習すっか!」

「ひぃ!も、もう言わないから許してぇ!」


「ん?剣人はステータスを設定したのか?」

「おう。適性魔法に【身体能力増加】ってのがあったから試してみたんだ。これ、すげぇぜ?使いたいって思ったら瞬時に使えるんだ。」


 俺達がそんな話をしていると、クラスに続々と人が入ってきた。



「ふ、藤崎くん達は凄いね。落ち着いてて。」

「いやいや、そんなことないさ。俺達が落ち着いていられるのは剣人のおかげだよ。剣人がいつも通りでいてくれるから俺達は落ち着いていられる。」


 謙遜する藤崎君もカッコイイ!とか、さすが藤崎、こんな時でも八重島のことを上げるんだな。とか八重島って藤崎君と木野宮さんのおまけでしょ?なんでいるのよ。藤崎くんに近づいてるんじゃないわよ!とか()()()以上に聞こえる。だけどあんなにハッキリと聞こえたのに翔達には聞こえていないようだ。どうやら【身体能力増加】には聴力とかも強化の対象に含まれるらしい。視力も上がってるのかな?そんな感じに考える。世の中ポジティブに考えなきゃ生きていけないぜ?持論だけど。


「や、やっぱり外にはいるのかな?その…獣みたいのが…」


 クラスのマドンナとか言われている林 照美(はやしてるみ)が涙ぐんだ目で聞いてくる。こいつ嫌いなんだよな。裏がありそうで。


「あぁ、いたよ。今魔書で調べたけど、ウォーウルフって言うらしい。敵を観察してから襲うらしくて、あと2日は猶予がありそうだ。」


 へぇ、そうなのか。2日、ねぇ…


「じゃ、じゃあさ!戦わないで済む方法とか、載ってないのかな!?」

「おい、それは都合が良過ぎないか?ここはゲームやらアニメじゃねぇんだ。ご都合主義には行かない。死んだら終わりだし、セーブだって出来ねぇ。自分の行動と発言に責任が生じる。そこんとこよく理解しとかねぇと、そんなことを考えてるようじゃ生きていけねぇぞ?」


 馬鹿なことを口走るクラスメイトの西塔 悠真(さいとう ゆうま)につい口が滑る。我慢できなかった。自分の信念は理解してもらうつもりも、されるつもりもなかったが、言ってしまった。もしかしたら良心が働いたのかもしれない。


「は、はぁ?じゃあお前は戦うつもりなのかよ!?お前馬鹿じゃないのか!?いつもクラスで孤立してて藤崎達がいねぇとなんも出来ねぇくせによ!」


 俺、そんな感じで見られてたのか…やべぇ、軽く泣きそう。


「そこまでにしなよ、西塔君。剣人は別に私達の助けなんてなくてもなんでも出来るわよ!それに私達が落ち着いていられるのは剣人のおかげってさっき翔が言ってたけどその通りよ!剣人は凄いんだから!」


 小晴がべた褒めしてくる…!そんなに手刀痛かったのかな…なんか悪いことしたな…


「今だって反論出来ないから木野宮さんが庇ってるんだろ!?そんくらい分かってんだよ!!なんも出来ねぇやつが偉そうな口聞いてんじゃねぇよ!」


 んー…止めた方がいいかなぁ?こんなことしてる場合じゃないんだが…


「みんな落ち着け!今はこんなことしている場合じゃないだろ!?それに西塔君も言い過ぎだ!剣人に対する誤解はこの際どーでもいいさ!剣人自身も気にしていない!今は一致団結してこれからどうするかを話し合うべきだ!」


 その翔の言葉に落ち着きを取り戻したのか、小晴と西塔が黙る。そうして俺達のギスギスした2日間が始まった。

次は午後6時頃に更新します



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