第一話 強者
遅れて申し訳ない
大会前日、俺はカズと最終確認をしていた。
「カズ、多分向こうは魔法に関しての理解を深めてくる。だから、俺が教えたことをしっかり思い出して戦うんだ。お前なら、勝てる!」
「はい!師匠!」
いい返事を貰った。この分なら大丈夫そうだな。
「まぁ、当たるかは運の問題だ。もしかしたらカズかユウ、どちらかが俺か翔、他にも強いやつと当たる可能性だってあるんだ。」
「どんな奴でも…それこそ、師匠でも打ち破って見せます!」
本当に、よく育った。いい気合いの入り方だ。
明日の試合では俺達は敵どうしだ。だから、俺は今日最終確認を行っていた。
「今日1日は、自由だ。俺にもやることがある。だからと言って、寝ないとか言わないでくれよ?」
「押忍!」
そう言って、俺は練習場へと向かっていった。
~
ふぅ…ついに今日、大会が始まる。
ちなみに、正式名称は《冒険者選別大会》らしい。
「ふーん…なかなか多いな」
「そうだね。第10ブロックまで用意されているらしいよ。」
「強いやついるかなぁ」
「あんまり強いひとと当たりたくは無いなぁ、僕は」
「精霊の使用はオッケーなんだっけ?」
「うん。まぁ、使い手が少ないって言うのもあるんだろうけどね」
「あぁ、そっか。おっさん達翔の戦い見たことないもんな」
そう言えばあのおっさん達は俺達の戦い方とか戦闘力とか、ほとんど知らないんだったな。
「まぁ、いいから受け付け行こうぜ」
「分かった。」
~
「おはようございます!今日は、参加ですか?観戦ですか?」
「参加でお願いします」
「あ、俺も」
「はい!では、記入事項に記入してください!」
そこには、名前、年齢、職業、得意な魔法又は体術、一言を書く欄があった。
「ふーん…こんなの書いてどうすんの?」
「紹介に使います!」
「これ、記入無しってのもあり?」
「はい!全然ありです!」
とりあえず、名前と年齢、職業を記入する。
職業は学生でいいのかな?それとも、俺もう冒険者なのかな?
ま、いっか。うーん…魔法…付与魔法でいっか!
「翔は魔法のとこなんか書くか?」
「うーん…何するかはわかんないだろうし、精霊魔法って書いとこうかなぁ」
確かに、精霊魔法ってどんな精霊かによって全然変わるからな。
そういえば、つい最近、神の使徒からまた連絡が来た。内容は、日本は激戦区(反対側のブラジルは海をまたいでいるため特に問題はなかったらしい)になっているので、ひとつ有利な状況を作ってあげようみたいなことを偉そうに言ってきたのだ。
そのひとつが全国の図書館に亜空間が設置され、魔書やその他文献が読み放題になったことだ。
これにより、俺達だけが持っていた情報は日本中に発信されたことになる。
まぁ、いずれ公表するつもりだった上、どうやって情報を広めようか迷っていたのでちょうど良かった。
ただ、これで予習をちゃんとする連中にはこの紹介を聞いただけで何をするのかがだいたい分かってしまう。
まぁ、嘘のことを書いている可能性もあるので鵜呑みにしては行けないのだが。
「いいんじゃないか?精霊魔法っつったって、色々あるわけだし。」
「そうだね。剣人は?」
「付与魔法」
「…嘘ではないけども、嘘ではないけども!!」
さて、一言はどうするかな。《絶対俺が優勝してやる》でいいかな。
「一言は…頑張りますでいいや」
翔もこんな感じだった。
「…はい!では、藤崎様は第2ブロック、八重島様は第3ブロックでの予選となります!控え室へどうぞ!では、次の方~」
控え室かぁ…どんなヤツらがいるんだろうな
「じゃあ、翔。また会おうぜ」
そう言って、俺達は別れた。
~第3控え室
中へ入ると、緊張感が漂い、ビリビリする。
自然と俺の口角は上がっていった。
「いるじゃねぇかよォ!つええやつがァ!」
俺が入った途端、そう言う奴がいる。
そんなに強そうな奴がいるのか、そりゃ楽しみ。
「オイオイ、あんた強イなァ!」
俺のことだったみたい。
「オレの名前は黒岩セントだァ。楽しくヤろうぜェ」
なんか、危ないヤツっぽいなぁ…やだなぁ…
「お、おう。俺は八重島剣人、じゃ、い、いい試合にしようにゃッ!?」
噛んだ…噛んじゃったよ…
「そう緊張すンじゃねェよ。別に取って喰ったりはしねェ」
「…まぁ、そうだな。いい試合にしような。」
「楽しみにしてるぜェ?」
なんか…終始危なそうなやつだったなぁ…戦闘狂ってのは怖いもんだ。
ここに小晴がいなくて良かった。
こんなやつと小晴が対面してたら、小晴に悪影響を及ぼしかねん。
ちなみに補足しておくと、小晴とゴージスは試合には参加しない。
だが、冒険者入は決定しており、ランクはDだそうだ。
理由としては、ゴージスの強さが桁違いなことと、影響範囲が広く観客席に影響が出かねないからだそうだ。
なら、ゴージスに勝っている俺は一体…とも思ったが、変なこと口走って出場資格の剥奪…なんてことになりたくは無いので黙っておいた。
小晴については、ゴージスがいないなら戦力が足りないから辞退したようだ。
「皆さん!ご注目ください!ただいま、受付の締切を致しまして、もう少しで予選を開始致します!では、ルール説明を!」
まとめるとこうだ。
・相手を殺してしまったりした場合は即失格で、今後冒険者になる資格を剥奪される。
・予選は、約200人づつが1ブロック当たりいて、その中から3人残ったら終了、その3人は本戦に出場する。
・武器の使用はありだが、貸し出している武器のみに限る
・魔法、固有能力の使用は自由。
くらいだな。細かいルールは…まぁ…その場の雰囲気で察そう。
敗者復活戦もあるらしく、敗者復活は二人、それに加え各ブロックの残った人が30人の合計32人のようだ。
つまり、優勝するなら5回勝たなければならない。
いいね、燃えてくる。
とりあえず、今は予選だな。予選で生き残るのは3人。
だけど、俺には広範囲の殲滅に向いた能力がねぇ。
どうするかな。
…人任せで行くか
~
『それでは!!第1ブロック予選を開始致します!』
俺は、観客席で小晴と共に予選を観戦していた。
観客席と実際のフィールドは遠く離れており、自衛隊の人の防御結界があってぼやけてしか見えない(剣人は身体能力増加でやっと見える程度)が、バカでかいモニターが8方にあって観戦することができる。
翔は次のブロックなので控え室だ。
ーーオォォオォォォオ!!
観客席が沸き上がる。ついに試合が開始され、みなが乱闘を始めたからだ。
『おおっと!皆様、盛り上がってまいりました!今若い男の人を場外へと吹き飛ばしたダンディーなかたは、エントリー紙によると上村滉人選手だそうで、高校教師!貫禄がありますねぇ!』
…こうちゃん、参加してたんだ…
「…剣人…」
「あぁ、そうだな…こうちゃん、出てるな…」
「それもなんだけど…こうちゃんって、あんなに動けたんだ…」
確かに、そうだな。今こうちゃんは後ろ回し蹴りで場外へと落としていたが、直径800メートルはある会場で、だ。
全く、恐ろしい。
『ーッ!?い、今のは見間違いでしょうか…!小さな子供が、180センチを超える大人を風の魔法のようなもので吹き飛ばしたように見えます…!』
…あれは、精霊魔法だな。全く、末恐ろしい。
『今、情報が入りました!お名前は河本六華ちゃんだそうです!な、なんと11歳!将来が楽しみだー!今日は、お父さんと一緒に…え?違う?あ、お父さんは観戦だけだそうです!』
お父さん…付き添いかよ…
『これは、波乱の予感が…!ーーッ!?こ!これは!謎の光が差したと思えば、先程紹介した上村選手と六華ちゃん、それともう1人メガネの男性以外が全員場外へとおとされてしまったぁ!』
一瞬、見えた。
あのメガネが指を鳴らした途端光が放たれた。
正確に言うと、全員の体の一部分から、ピンポン玉ぐらいの、だ。
『か、彼は藤原金道さんで、一言が優勝は私だ、だそうです。』
あいつは要注意だな。
「ねぇ、剣人。あの人、どうやったんだろうね」
「そうだなぁ…よく分からんが、指パッチンしていたのは見えた」
「私も、それは見えたわ」
「まぁ、要注意だな。」
次は第二ブロック、翔の出番だ。
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