第九話 神話級
九話!
前回のあらすじ
剣人「ぎゃあ!頭いちゃあ!」
剣人「もう何もしたくなーい」
剣人「思い出した!」
翔「ゴーレムが出たあ!」
剣人「よっしゃやるべ」
では本文をどうぞ
その戦いは、一方的なものだった。
レビアスの言った通りロックゴーレムの魔法耐久値は低いらしく、【蒼炎・纏】の炎に焼かれ、機能?生命?を停止して行った。
「ふーん…弱いな。てか、狼とかは心臓があったけどこいつらはなんなんだ?魔石が弱点かと思ったけど壊してないからな…」
魔石は弱点で、壊せば直ぐに死ぬだろうが、俺は魔石に攻撃など当てえてはいない。
ただ、斬って燃やしているだけで全然弱点に攻撃をしているとかではなく、燃やしているだけである。
だが、しっかりとゴーレムは死ぬ。俺はそこに疑問を感じていた。
「…終わったらレビアスか翔に聞いてみるかな。」
そんなことを考えていたら、ゴーレムの数が残り十数体までに減ってきた。そろそろ終わるな。翔はどうだろう?
「【死の槍】」
翔は風で編んだ槍を操り、ヘル・ゴーレムに向かっていた。すごい魔力を感じる。
「すぐ終わりそうだな…こっちもさっさとおわらせよ。」
あと五体程だ、直ぐに済むだろう。ヘル・ロックゴーレムも翔に注意を向け、ロックゴーレムの製造を中断している。
俺は【蒼炎・纏】を発動させた<纏丸>を構え直し、ゴーレムに斬り掛かる。ゴーレムは蒼い炎に焼かれ、その機能を停止して行った。
「うし、終わったな。翔の方はっと…」
翔はヘル・ロックゴーレムの所々に風穴を開け、翻弄していた。【精霊融合】も発動させていないから、まだまだ余力を残しているようだ。
「これで…終わりだっっ!!」
そう宣言する翔。その宣言通り、ヘル・ロックゴーレムは膝から崩れ落ち、ひび割れて崩れていった。
「やったか…?」
いや、ちょ、それフラグ…!
そんなフラグを回収するかのように、崩れたロックゴーレムの体に魔力がともり、淡い光が発せられる。
そしてその光が納まったあと、崩れていた瓦礫がそれへ舞い上がり体を形成していった。
ぐぉぉぉぉおおぉぉぉおぉぉおおぉ!!!!!!!
咆哮。全てを破壊するかのような爆音に、校舎がひび割れる。
翔とレビアスは酷く狼狽えていた。
「おい!!翔、とりあえず【精霊融合】を!」
俺の声に反応し、慌てた様子で翔は精霊融合を発動させる。
「あ、あれは…まさか、神話級の魔物【怠惰のゴージス】…!?まさか、神話級の魔物まで出てくるだなんて…」
レビアスは【精霊融合】が唱えられている間、こんなことを呟いていた。
しかし、神話級の魔物か…【精霊融合】の魔力の奔流を受けても、ビクともしてないな。
「おい、レビアス!奴の弱点は!」
「分かりません!少なくとも、精霊界には伝えられておりません!」
クソっ精霊にすら伝えられてないのか…とりあえず、斬ってみるか。
俺はそう思い、纏丸をかまえる。そして、一気に踏み込んだ。
「なっっ!」
飛び込んだ俺に、ゴージスは拳を向け、放ってくる。
速いしでかい…!!避ける暇なんかねぇな、これ!!
「くっそ…!【最大能力値増加】、【超再生Ⅱ】!」
俺は【最大能力値増加】と【超再生Ⅱ】を唱える。淡い光が俺を包み込み、凄まじい衝撃が俺を襲う。
ぐ、結構きついな。インパクトに合わせて【超再生Ⅱ】を発動させたおかげで傷はねぇが、さすがにその後壁にぶつけられる傷は消せねぇ。クソ、これはさすがに死ぬか…も…
俺の意識は、深い闇の中へと堕ちて行ったーーー
★藤崎翔
仕留め損なった!?まさか、ゴーレムが復活するなんて…
そんなことを考えている間に、剣人がゴーレムに突っ込んでいった…と思ったら次の瞬間には、校舎に穴があき、剣人がぐったりしている。
「まずい…!」
『ダメです、翔君!今あれ、ゴージスに向かって行っても勝ち目はありません、逃げましょう!!』
「でも、剣人が…!」
『あれは突っ込んで行った彼の落ち度です。死んでも文句は言えないし、誰もあなたを責めない!』
そうじゃないんだよ、レビアス。僕は、責められたくないから助けるわけじゃないんだよ。
「僕は…剣人と肩を並べて戦うために君を召喚したんだ。覚えてるよね?」
『…っ。それ、は…』
レビアスがはっとする。
「今剣人を助けないと、僕は自分に嘘をつくことになるんだけど。もちろん、そんな事のためだけに助けるわけじゃないけど…僕は、助けに行くよ。」
そう言い、剣人の所へとむかう。
「…良かった、息はある。これなら…光魔法…」
『待って、翔君!ぶっつけ本番の魔法は危険なのよ、分かってるでしょ!?失敗する可能性がある!固有能力化してない魔法を使うことは危険なのよ!』
「わかってるよ!でも、やらなきゃ剣人が…!」
『だから、固有能力化している魔法を使えばいいのよ!!』
そうか、風精霊王魔法なら…!
『風精霊王魔法【癒しの風】があるわ、それを使って!』
「分かった!」
僕は、事が事なので今回は【即時魔法生成】を発動させる。
緑色の淡い光が剣人を包み込み、剣人を回復させる。だが、剣人は外傷を受けてはいないようで、意識を取り戻すのは時間がかかりそうだった。
「…食い止めるしかない、か。」
《それをオススメします、ご主人様このままでは八重島様は【ゴージス】にトドメを刺されてしまいます。》
覚悟を決めるしかないようだ。
★木野宮小晴
上村先生達の指示で校舎を離れた私達は、市営の公民館に避難していた。
「大丈夫…なんですかね」
「大丈夫だと私は信じているよ、木野宮。それに私達は何も出来ない。口惜しいことにね。」
私の言葉に、上村先生が答える。そんな問答をしていると、学校の方からけたたましく魔物の声が聞こえる。その声は、断末魔などではなく…怒りの声だった。
「…ほんとに、大丈夫ですかね…」
「さぁ、分からないな。」
上村先生…さっきと言ってることが違いますよ…
私は不安になり、学校へと向かおうと公民館の出口へと向かって行った。
「待て。危険すぎる。」
「でも、でも…」
「…そんなに行きたいのか?危険なんだぞ?」
「そんなのは、安全な場所で剣人や翔達に戦いを任せていい理由にはなりません」
「…どうしても、と言うのか?」
「はい。たとえダメだと言われても、私は行きます。」
「…分かった。私も同行しよう。それなら許す。だが、決して無茶はするな。そんなこと誰も望まんからな。」
そうして私達は学校へと向かって行った。
★藤崎翔
「剣人、早く起きてくれよ…僕一人じゃ無理だぞ」
僕は剣人に向かってそう言い残し、【ゴージス】にむかいなおる。
『貴様は何者だ。』
「驚いた、喋れるのか。僕は藤崎翔、ただの学生だよ。」
『ふむ、学生というものは分からぬが、この魔力で"ただの"、か?なら、"学生"というものは要注意であるな。』
僕はそんなことを言っている間に魔法を構築する。
『ふむ、やる気満々のようである。久々の外だ。せいぜい楽しませるのである』
僕は集中し、【死の槍】を発動させる。その数80。僕が出せる最高の数だ。その80本もの槍を、一気に【ゴージス】に叩き込む。これでやれるなんて思ってもいないが、全力の牽制だ。
『小賢しい』
あぁ、やっぱりダメか。ほとんどと言うか、一切ダメージが入ってないように見える。
「ふぅぅ…」
落ち着くんだ、僕。僕は1人じゃない。レビアスだって、マリだって、後ろには寝てるけど剣人だっているんだ。
「マリ、サポートを。レビアスは僕に魔力を送り続けてくれ。」
《了解です。マスター》
『分かったわ、翔君』
僕は【ゴージス】の動きに注意しながら、魔法を発動させる。
風精霊王魔法【王の暴風】
この魔法の影響により、【ゴージス】の周りには物凄い風が吹き荒れ、その風は濃密な魔力で出来ており、魔法耐久値が低いはずであるゴーレム系の魔物には大ダメージが入ると同時に風の牢獄に閉じ込めることの出来る魔法だ。
この魔法で【ゴージス】注意を引き付け、次の魔法を発動させる。
風精霊王魔法【王の威厳】
これは相手の魔法耐久値、物理耐久値を一割低下させる魔法。
風精霊王魔法【王家の槍】
【死の槍】を超えるほどの暴力的な魔力の奔流を纏い、大量の魔力で編まれたこの風の槍は全てを貫通する。
だが、その攻撃全てを【ゴージス】は
『邪魔だ』
と一言の後手を横に払っただけで消し去った。
やはり、一筋縄では行かないな…正直勝てるビジョンが浮かばない。
『はぁ、少しは期待していたのだが、目覚めの運動にもなりゃしないではないか。ガッカリである。早々に終わらせるべきであるな』
そう言った後、正拳突きの様な構えをとる。いや、シャレにならないよそれは…!恐らく、その拳が放たれた瞬間僕達どころか校舎も全て吹き飛ぶ、そんな威圧感を放っている。
「はは…もう笑うしかないね。レビアス、マリ。最後まで付き合ってくれるかい?」
『もちろんよ、翔君』
《もちろんです、マスター》
2人がほぼ同時に言ってくる。頼もしい限りだ。
「僕は、今から全身全霊を持って奴の一撃を止める。2人にはそのサポートを頼みたい。今から僕が使うのはオリジナル魔法だ。マリにはその最適化、レビアスは僕と一緒にその魔法の発動を。頼んだよ、二人共。」
僕はそう宣言し、体内の魔力を高めていく。
まだ、足りない。
まだまだ、足りない。
もっと。
もっともっともっと!!
僕の中の魔力が膨れ上がる。そして、僕は今さっき考えたオリジナル魔法を放つ。
オリジナル魔法【完全防壁】
僕の意思を反映させ、濃密な壁となった魔力は、【ゴージス】の前に立ちはだかる。
『面白い。これもまた一興か』
そう言い、【ゴージス】は拳を打ち出した
次回の投稿は明日の正午を予定しています
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