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異世界とつながった世界で生きていく  作者: ゆうごろう
第一章 繋がりの始まり
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第一章 プロローグ

拙い文章ですが、暖かい目で見守っていただけると幸いです。

3話前後までは2000字前後と短いですが、それ以降はもう少し長くしようと思っています。

「さぁ、どっからでもかかってこいよ…!」


 俺はそう言い放つと、魔狼の群れへと突っ込んで行った·····



 うだるような夏の朝、俺--八重島 剣人(やえじま けんと)--は憂鬱な気持ちで学校へと向かっていた。


「よ!久しぶりだね、剣人。」


 そう声をかけてくるのは親友である藤崎 翔(ふじさき かける)だ。こいつは見ていて清々しい程に爽やかイケメンで、実にモテる。


「おいおい、朝から元気だな。翔は。俺は眠くてしょうがないぞ?あと1ヶ月位休みが欲しいよ。」


 そう、今日は9月1日で始業式がある。俺達は高校二年生で、今日は二年生の二学期の幕開けだ。憂鬱な気分にもなるだろう。


「何言ってるんだ。クラスのみんなに会えるだろ?楽しみで仕方ないよ!」

「…俺はあんま思わねぇな…クラスに特別仲がいいやつとか翔くらいだし。暑いし。」

「そんな態度だから友達出来ないんじゃないか?俺は剣人の将来が心配でならないね。」


 …別に友達とか・・って言う無粋なことは言わず、素直に親友の心配を受けておく。

 そんなこんなしていると、久しぶりに見る教室が見えてきたーー



「じゃあ、出席とるぞ〜。」


 そう言う間延びした声が教室に響く。この学校は絆が大事だ!とか言った理由でクラス替えはない。なのでみんなが1年とちょっとの付き合いだ。だが俺には友達が少なく、話をするのも翔やその他少しのみだ。なので、出席確認が終わってボーッとしていると、突然声をかけられた。


「何かあった?生気が抜けた顔してるけど。」


 そんな失礼な事を言われ、意識が現実へと向けられる。


「なんだ、小晴か。」


 俺に声をかけた幼馴染--木野宮 小晴(きのみや こはる)--がムッとした表情をする。


「なんだとは何よ、なんだとは。でもそうね。死んだ魚のような目をしているのはいつもの事だったわ。変な事言ったわね、忘れて?」


 わざとか素で言っているのかは分からんが、イラッとしたので無表情で小晴の頭に手刀をくり出す。


「いた!?何すんのよ!」

「あ?なんだ?もっかいやるか?」

「ごめんなさいもうしないので許して!?」


 当然反発してきた小晴だったが、もっかいやるぞ?と脅したら謝ってきた。俺も鬼じゃないので許してやるとするか。


「まぁ、そこら辺にしときなよ、剣人。今の手刀八重島流のやつでしょ?あれ結構痛いんだから、手加減してあげなよ?」

「大丈夫だ。手加減はしている。」

「手加減してアレなの…!?」


 翔が俺達の"戯れ"に見かねて止めに入る。さすがに手加減くらいしてるさ。本気でやれば大変なことになるだろうし。


「しかし、なんで八重島流には手刀術だっけ?なんかがあるのかしらね…結構謎の多い流派よね、八重島流って。剣人は何か知らないの?」

「いや、俺も先祖の侍が確立した流派としか聞いてないな。大分実践的なだけじゃないか?」


 そう、俺の家は代々伝わる剣術の1家で、八重島流と言う。八重島流はかなり実践的な剣術で、多対一の状況や逆に1対1の場面も考慮されて作られている。その中に手刀術があり、さっき小晴に使った技は


 八重島流 手刀術【無道】


 という技で、無駄な動作を無くして放つ手刀術の基本の技だ。俺のじいちゃん程の達人ともなれば、ほぼノーモーションで放てるらしい。残念ながら俺はそこまでは至ってない。


 と、そんなことを考えていたらまたチャイムがなる。どうやら体育館に移動して行かなくてはならないようだ。面倒だと思いながらも、俺達は体育館へと向かったーー



「ーーー。これで私の話を終わります。皆さん、休み明けで体の調子を崩さないよう気をつけてください」


 やっと終わった…校長の話ってなんでこんなに長いんだろうか。そんなことをボーッと考えていた時、異変は起きた。


 ーーーザザッ最高神同士の承諾を確認ーーー


 頭の中に急に変なアナウンスが流れてくる。周りもざわついているようだから、俺一人ではないらしい。


 ーーーザザッ2つの世界の存在を確認ーーー


 なんだろう。とてつもなく嫌な予感がする。


 ーーーザザッ2つの世界の接続を確認ーーー


 背中に悪寒が走る。不味い。俺の常識を超えたことが起こる予感が頭の中に渦巻く。


 ーーーザザッ接続を締結する概念の作成ーーー成功

 これより、"繋がり"を締結します。


 アナウンスの終了と同時に光が爆ぜる。衝撃はない。だがとてつもなく強い光に当てられ予感が正しいことを裏付けているようで、俺は目をつぶりながら考えることしか出来なかった。

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