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The Law of the World  作者: k2taka
第2部
69/93

出撃!にくきゅーチーム(ライディン奪還作戦 後編)

前回の続きなので省略します

 やがて街中を見回ってきたパラヤ達が戻る。町の中には亜人共の姿はなく、瓦礫も先ほどの浄化によってそのほとんどが消えて緑の大地と化しているとのことだった。

そんな町の様子などについて話している中で、ウミミンに【声】が届いた。

「ご主人様、悪魔たちがやって来てるニャ。」

 みぃちゃん達が東の方へ偵察に出ており、分身体だからこそウミミンと遠くからでも言葉を交わす【念話】が出来るのだ。

「わかったよ。みんなで後退しながら、町が見えるとこまで引き付けて。そこで迎え撃とう。」

「りょうかいニャ」

 突然空に向かって語りだしたウミミンを怪訝に見るみんな。その視線をスルーして落ち着いた口調で語られる。

「敵の増援が来たよ。」

 その言葉に緊張が走った。だけど、それらに対して何故か恐怖感は無かった。

「俺、おかしくなったのかな?全然怖くないんだが。」

「お前もか?実は俺もやられるって言う気がしないんだよ。」

 攻撃部隊のメンバーたちの中からそんな会話がされる。その会話はそこにいるみんなが感じていた。同じくワオリやユズナ、ゼフィルートも同じであるが、

「まぁ、俺は元々やられる気はないがな…。」

と、ゼフィルートは言ってのける。ごく当たり前のように言ってしまえるところが強さの証明であるが、それに笑って見せたメンバーたちも、その後再び送られてきたみぃちゃんからの報告で、中・下級悪魔が合わせて100、あと亜人が2万ほどいるとの連絡に皆が息をのむ。

「流石にこの人数じゃ…。」

 あるメンバーからの、自分たち180に満たない人数と比べて漏れでたぼやき。数の差は圧倒的。その数を迎え撃つには流石に冷や汗が止まらない。奇襲などで頭を潰すならば今まで戦って来たが、今回はその全てがこちらを潰しに来ている。更に言えば、先程逃げたゴブリンたちもそこに加わって数が増えるだろう。

「きっと厳しいだろうな。でも、今でも何故かやられる心配がしないんだよ。」

 厳しい戦いだが、無事に終わると感じて仕方ないメンバーたち。その現実離れし過ぎている感覚を謎に思いながらいると、ワオリが元気よく言った。

「このおかあしゃまの樹がみんなを守ってくれるですよ!だから心配ないですからみんなで頑張るですよ!!」

 その声に皆が笑顔を見せ合う。経緯を聞いて、その神樹にマドカが宿っていると思った元ライディンのメンバーたちは心配が消えた。それに感化されて、他の場所から加わったメンバーたちも安心する。そこへウミミンが説明を始めた。

「もう時間がないので、もう一度簡単に説明するね。

 この後、みんなで町の外に出て戦うけど、前にバン君たち守護部隊が盾を構えて後ろから攻撃部隊が離れすぎない位置で攻撃してね。あと危なくなったらみんなは直ぐにこの町の中へ逃げ込める場所で戦って。この中には結界を張ってあるので、ゴブリンたちは絶対に入って来れないので無理は禁物ね。」

 そう言って今度はユズナに話をする。

「ユズナちゃんはウミミと一緒に広範囲攻撃で倒せるだけ倒そう。そしてワオちゃんとゼロさんは強い敵が来たら個別に対処をお願い。多分、上級も交じってると思うからね。ワオちゃん、くれぐれも深追いとか無理は禁物だよ!」

「あいっ、わかってるですよ!」

「うん、それじゃみんなに号令をよろしくー。」

 ウミミンの説明が終わると、ワオリは大きく息を吸ってそして大きな声でみんなを励ました。

「さぁ皆しゃん、がんばって悪魔たちを倒すでしゅよぉ―――!」

「「「うおぉおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」

 張り切り過ぎていくらかカミカミだったが、そこがワオリらしいという事で、みんな笑顔で応じたのだった。

「出撃ですよー!」


「みぃちゃん、じょんじー、さんごちゃん。」

 ウミミンから念話が猫たちに入る。

「今からみんな向かうから、5分ほど好きに戦っていいよ。」

「分かりましたニャ!」

 みぃちゃんが張り切って応答すると、大きなシロネコのさんごが

「お腹空いたニャ」

と愚痴る。その横でクロネコのじょんじーが仲間たちをきょろきょろ見ながら「にゃぁ~?」と首を捻る。

「終わったら、お魚フルコースをお願いしようニャ。」

 みぃちゃんの提案に二匹は瞳を輝かせて賛成する。

「それじゃ、行くニャよ!」

 そう言うと三匹はいきなりじゃんけんを始める。その間も迫ってくる悪魔の大軍であるが、猫たちは気にしない。

「じゃんけんニャン!あ、じょんじーニャ。」

「にゃ~ん♪」

「いっぱい倒してニャ(楽できるニャ)」

 みぃちゃんが指摘し、じょんじーは嬉しそうに万歳する。その横でさんごは腹黒く声援を送る。

「よし、じょんじー行くニャ!」

 みぃちゃんが叫ぶと、三匹は一斉に悪魔たちへと疾走する。じょんじーを先頭に正三角形のフォーメーションで4つ脚状態で駆ける3匹は凄まじい速さだった。

 やがてじょんじーが叫ぶ。

「チェーンジ・ブラックッ、ヒュ~~~~ジョンにゃ!」

 その瞬間3匹の身体が光り、一つの光球となって疾走を続ける。そして光は悪魔たちの目の前30m程の地点で空へと飛ぶ。

 するとその光りは次第に中へと吸い込まれ、代わりに3m程の体長のクロネコが現れた。その背には白い翼があり、左右の手には鋭い爪が伸びている。そしてその顔は精悍で凛々しい成長したじょんじーの顔だった。

「ライトニングじょんじー、行くニャ!」

 緑の瞳はじょんじーそのもの。スマートで二枚目のクロネコじょんじーが空を物凄い速さで飛行する。その速さは目に止まらぬ程で、一直線に空を飛んでくる悪魔たちを斬り裂いて行った。そのあまりにもの速さに悪魔たちは成す術なく斬り裂かれて霧と化す。ライトニングの名前通り雷のような速さで、しかもジグザグに大空を飛翔する。

 急いで向かうナチュラルフロンティアのメンバーたち。突如として東の空に光が現れて、それから空の悪魔が次々に撃破されていくのを見て唖然とする。

「アレはなんでしゅかー!」

 興奮したワオリが叫ぶと、その姿を眺めながらウミミンが答えた。

「じょんじーだよ。みぃちゃん達はそれぞれで戦えるんだけど、三位一体になると何倍もの力を発揮できるんだよ。」

「三位一体でしゅか!」

 最早興奮しすぎてカミカミのワオリ。その内に空の悪魔がほとんどいなくなると、地上から矢や火球などが空へと放たれる。

「じょんじー、危ないでしゅよ!」

「大丈夫だよ。」

 慌てる声にウミミンは冷静に返事する。


「おーぷんにゃんこー!」

 迫る矢や火球を避けつつ、ライトニングじょんじーは三匹の猫たちへと戻る。

「ここは出番ニャ。」

「任せるニャン、さんご!」

「ニャァ~ン」

 さんごが言うとみぃちゃんが頼み、じょんじーは笑顔で鳴いた。

「チェーンジ・ホワイトッ、ヒュージョンにゃ!」

 さんごの声に再び光球と化した三匹。そして一つとなると、その光りは次第に大きくなっていく。やがて光を突き抜けて、8mもの巨大な白いネコが現れた。もっふもふの白い毛をした巨大なさんごが出現したのだ。

「空にそびえるもふもふのシロ、スーパーにゃんこ・さんGoジーラ出動にゃ!」

 そのまま巨体がくるりと一回転しながら4本足で着地する。その見事な着地はさすが猫と言えるが、巨大な足の裏で踏まれてゴブリンたちが潰れる。そこから多くの攻撃が放たれるが、もふもふの白毛はそれらを受けてもビクともしない。そしてさんGoジーラは二本足で身体を回すと、尻尾で地面のゴブリンたちを薙ぎ払った。

「えっと…、私たち行く必要ないんじゃないのかな?」

 ユズナがその圧倒的な戦闘力を見て漏らす。その間もみんな走っていた。浄化されたことで障害物は無く、光によって作られた壁の為に向こうまでが透けて見える。

「ダメでしゅよ!あれは近くで見るべきでしゅよ!!」

 ネコたちの奮闘ぶりやカッコ良さにワオリの興奮は最高潮だ!

「うん、やっぱりあの数はあの子達にはきついから、あくまでウミミたちが向かうまでの時間稼ぎを頼んでるんだよ。」

「分かったわ、急ぎましょう。」

 急ぎかけていくメンバーたちだが、目の前で繰り広げられる巨大なシロネコがごろごろ転がって亜人たちを踏み潰していく様子を見ると、深刻さが緩んでしまうのだった。


「うぅ、腹ペコニャ。」

「仕方にゃいニャ!おーぷんにゃんこぉー!」

 さんごが呟くと、みぃちゃんが叫んで元の3匹に戻る。周囲は黒い霧が蔓延しており、町の方ではウミミン達がようやく姿を見せていた。

「そろそろ時間ニャ。急いでご主人様のとこに向かうニャ!」

 三匹は霧の中を全力で町へと走る。流石に巨大なさんGoジーラは、強力だが多くのエネルギーを使いすぎる。分離した三匹は霧の中に紛れながら離脱していくのだが、敵も然るもの。みぃちゃん達を追って上位の悪魔3柱が迫る。

「旨そうな奴らだ。」

「あの白いのは我が貰おう。白い毛皮が欲しいトコだった。」

「なら私はあの黒いのを。可愛いからはく製にして飾っておこうかしら。」

 悪魔たちはそれぞれ人型に近い姿をしており、その二本の足はゆっくりと動かしているように見えて速度は猫たちに追いつきそうな程速い。このまま逃げ切れないと判断し、三匹は勝負に出る。

「最後の力を振り絞るニャ!」

「「ニャー!」」

 みぃちゃんの声に二匹は応答する。

「行くニャよ!チェーンジ・トロトイス、ヒュージョンにゃ!」

 そして三匹は光り一つになると、3m程のみぃちゃんが現れた。

「シャイニング・みぃ参上にゃ!ニャァーーーッ!」

 シャイニング・みぃは名乗ると、そのまま大きくジャンプする。そして右手を空に掲げて叫んだ。

「みぃの右手が光ってうニャる!悪魔を倒せと轟き叫ぶニャー!」

 するとシャイニング・みぃの右手が太陽の光を浴びて光り輝く。その光に悪魔たちは一瞬視界をやられて動けなくなる。

「唸れ、シャーィニングパウズにゃっ!」

 みぃちゃんが落下と共に右手を下に向けて突き出す。その瞬間、光り輝く特大の肉球の形をした光が悪魔3柱を呑み込む。その太陽光いっぱいの光る肉球の中で、悪魔達の身は溶ける様に霧と化していくのだが、その表情は愉悦に歪んでいた。

「き…きもちぃい~」

 そこにようやく町の外に出て来たナチュラルフロンティアのメンバー。

「ウミミおねぇちゃま、悪魔たちが溶けるのにすごく幸せそーでしゅよ!気持ち悪いでしゅよ」

 その様子を見て身震いするワオリ。そこにウミミンの解説が入る。

「みぃちゃんが変身した【シャイニング・みぃ】は近接戦闘特化型で、三匹の中では一番恐ろしい攻撃力を持ってるんだよ。

 特にあの技はみぃちゃん最大最恐の技で、太陽の光をいっぱいに受けたニクキューで光の球を撃ち出し、それに触れたモノは太陽の熱によって溶かされる一方、体中を無数の肉球で包まれると言う永久もふもふぷにぷにな幸福感を受けちゃうんだよ。その幸福感から抜け出すのは至難の業で、もふぷにの幸福感を感じる間に死んじゃうと言う恐ろしい技だよ。」

「こ、怖いでしゅねぇ…」

 真剣なウミミンの解説にワオリが戦慄する。それを聞いていたユズナたちは、

(それって、幸せな死に方じゃないかな?)

と思うが、あえて口に出さない大人の態度でスルーした。

 その間に悪魔たちは消え去り、シャイニング・みぃは3匹に戻る。

「げ、限界ニャ~。」

 エネルギー切れで合体が解けたみぃちゃんたちは、猫の習性で見事な着地をするが、そこからはよろよろな感じでウミミンの元へ戻っていく。

「ご主人様~、くたくたニャァ~。」

「みんなごくろうさま、休んでて良いよ~。」

 ウミミンに労われて、三匹はスッと姿を消す。

「どこ行ったですか?」

 ワオリがきょろきょろ辺りを見回す。

「うん、姿は見えないけどちゃんとそこらにいるからね。町の中で休ませるよ。

 それじゃ、ここからはウミミたちの番だよ!」

 前方を見ると、相変わらずゴブリンや悪魔の大軍がこちらに向かって進軍していた。その数はおよそ3万はいようかという大軍だ。

 パラヤの号令で守備部隊が前線に出て大盾を構える。その後ろで攻撃部隊が構え、ユズナと弓矢を扱う者たちが弓を構える。

 そんな中、ウミミンは盾を構える守備部隊より前に出る。

「ウミミおねぇちゃま、危ないですよ!」

 慌ててワオリが注意を促すが、ウミミンは右手を地面に向けて言った。

「お日様いっぱい受けて、満タンだね!出ておいで。」

 地面へ呼びかける。するとそこから一本のひまわりが生え出て来た。それをウミミンが手にすると、ひまわりはスッと地面から剥がれた。

 満開のひまわり。その花は大きく、茎もウミミンが両手で持っても掴みきれない。それを地面と平行にして槍を構えたように持つ。

「数が多いからあと4本追加ね。」

 そう言うと、地面からウミミンを挟み込むように2本ずつ計4本が生えてきた。そしてそれらは意思を持っているようにウミミンが持ったひまわりと同じ方向に花を向ける。

「それじゃ行くよーっ、太陽サンサン、ひまわりバスタァー!」

 そう言った瞬間、ウミミンの持ったひまわりの花の先から極大の光線が発射された。

 それは圧倒的だった。ひまわりから発射された光線は地面から3mにも達する太さだ。それが全部で5本。最早ゴブリンたちは逃げようもなかった。光った瞬間にその身は光の奔流に呑み込まれ、瞬く間にその身は消された。そして光線はまっすぐに放射されると、その射程内の亜人はおろか、悪魔さえも跡形なく消してしまう。射程距離は数キロ先に及び、一瞬のうちに大軍の一部が消え去った。


 あまりに一瞬の出来事。光ったと思った時にはすで自分の隣を歩いていた同族が消え去った。ゴブリンがそれに反応できるはずもなく、呆けた顔をしているうちに、光は自分たちを包み込んだ。

 正面が消え去ったことで、ウミミンはからだを左へと向けていく。それによって抱え込まれたひまわりも向きを変え、光線は西の方へと移動する。逃げる術などない。旋回する光線に西の方でいた亜人や悪魔は即座に消え去る。巨体のバンデッドゴブリンもいたが、光に当たった部分が消え去り、重力で落下した残る顔なども光に消える。

 見える限りに西側が消えれば、今度は東側だ。流石に恐怖で逃げようとするが、大軍故にそう素早く移動など出来るはずがない。右側へ向くウミミンにつられて光線は逃げる亜人たちを呑み込み、やがて光線は消えた。


 その圧倒的な光の暴力に、味方であるナチュラルフロンティアのメンバーたちも戦慄した。先ほどの猫たちにしても圧倒的な力だったが、今のウミミンの攻撃は理解の範疇を超えている。もしもあれが自分たちに向けられたら…そんな恐怖を抱いてしまうのがヒトであった。

 誰かがゴクリと喉を鳴らした。何を喋ればいいか分からず、ただ成り行きに目を向けるしかないメンバーたちの中、ワオリが叫んだ。

「しゅごいでしゅよぉー!ウミミおねぇちゃましゅごいしゅごい!」

 歓喜の声。そして絶賛するように大喜びで駆けて行く。皆が動けずいる中、純粋にワオリは敵を倒してくれたウミミンを褒め称えた。

 そんな駆けてくるワオリに微笑みながら、ウミミンは光線を吐き出し終えたひまわりをそっと地面に置く。それによってひまわりは枯れて土と化し、そして大地へと戻って行った。他の4本も大地に倒れるように伏せると、同じように枯れて土となっていった。

「ありがとう。」

 そうひまわりにお礼を言うと、虚空から白い杖を取り出した。

「ウミミおねぇちゃま?」

「まだ終わってないよ、ワオちゃん。」

 数万という大軍は消え去った。しかし、高位の悪魔はその攻撃から逃れていたのだ。

「花弁乱舞。」

 ワオリを寄らせて魔法を発動する。空中に無数の花びらが舞い、それらが一斉に二人の周囲を回転した。そこに火球や氷柱が飛んできたが、花びらの回転が全てを塞いだ。

 攻撃が止まると花びらも自然と消えた。そこに影が伸びてくる。一筋の槍だ。それをワオリは魔刀で弾くとその場で槍が何本も押し迫ってきた。そしてワオリがそれらを全てはじき返すと、一拍の間で魔刀から真空刃を放つ。真空刃はまっすぐに飛び、槍を操る影を遠ざけた。

「何者ですか!」

 ワオリはウミミンを庇う様に前に出て構えた。その刃の向こうで影が実体化した。

「ヒト如きがと舐めていたが、考えを改めるべきであるな。」

 その影はやがて鎧武者のような姿と化す。青い鎧でその手には一本の槍が握られていた。

「拙者はブラングチュール。エスペティッカ大将軍直属の部下にして、この討伐隊を任されし者だ。」

 そう言うと一度後ろに振り向き、再び言葉を発した。

「残念ながら、この戦に関しては我らの負けであるな。よもや一瞬にしてあれほどの大軍を消し去るとは思っておらんかった。仕方なくここは退くとすべきであるが、せめてその首くらいは頂こうかと思ったところだ。」

 兜の下には眼球の無い骸骨があるだけだ。しかしその空虚な目の部分がウミミンを凝視していることがわかる。更には憎しみを持っていることも。

「そんなことはさせないですよ!あたちがウミミおねぇちゃまを守るです。」

「ふむ、その意気や良しっ。されどそれは難しいであろうな。」

「なんでですか?」

 大きな瞳がじっとブラングチュールを睨む。ウミミンもまた構えた姿でその様子を注視した。

しかしそのあとに言葉は訪れない。答える気がないのか?と思った時、「ガシンッ」と鈍い金属同士がぶつかり合う音がした。見れば、ウミミンの後方に暗い赤の装束を来た悪魔がいた。もう少しで刃が触れるという距離。しかしそれを横から蹴りを放って動きを止めさせるゼフィルートの姿もあった。その蹴り足を自分の左腕の甲で止める赤い装束の悪魔。

「さすが悪魔だ。油断も隙も無いな。」

 そう言って放った蹴り足を振りぬく。その力に弾かれるように赤い装束の悪魔は飛ばされたが、しっかりと一回転して着地する様は平気だという事であろう。そのままスッと立ち上がって、消えたかと思った瞬間にブラングチュールの傍に立った。暗い赤の装束は如何にも忍者のようで、その赤は返り血を浴び続けたことで染まったものである。

「よく気付かれた。」

 赤い装束の悪魔が語りかけた。それをゼフィルートはウミミンを挟んでワオリと逆の位置に立つ。

「気配などはそうだろうが、殺気が消せてないぞ。」

「!…これは拙者まだまだでござるな。」

 一瞬の絶句の後に構える赤い装束の悪魔。その横でブラングチュールが語りかけた。

「貴様が仕留められんとはな。これはなかなか楽しませてくれそうだ。」

「申し訳ござらん。」

 そんな会話をした後、その悪魔たちは次第に姿を消していく。

「まぁ、この戦は我らの負け故に退こう。されど今度は容赦せぬ。」

「うっ、待つですよ!」

 ワオリが真空刃を放ったが、悪魔たちが消えたために当たらなかった。そこにブラングチュールの声が響く。

「また相まみえる日を楽しみにしておるぞ。」

 その言葉を残して、悪魔たちは去っていったのだった。暫く周囲を警戒していたが、やがてゼフィルートが攻殻を解いたことで皆の緊張も解けた。

「何にしても、無事に故郷は取り戻せたという事だな。」

 ゼフィルートがワオリの頭に手を置いていった。それにハッとしたワオリは皆の方に向いて叫ぶ。

「みんなーっ、あたちたちの勝利ですよぉー!」

「「「うおぉぉぉぉーーーー!!!」」」

 皆が喜びに沸き、勝鬨をあげた。死を覚悟していたが生き延びたこと。そして故郷を取り戻せたこと。涙を流して喜ぶ者もいる中、ウミミンがガクッと膝を折る。

「ウミミおねぇちゃま!」

「ウミミンっ!」

 慌ててゼフィルートがその体を抱き支えると、ウミミンは弱弱しく言葉を発する。

「大丈夫。ちょっと魔力を使い過ぎただけだから、少し休ませ…」

 そのまま意識を失うウミミン。地面に寝させると、スースーと寝息を立てて眠る。

 慌ててやってきたユズナが「眠っているだけだ」と言ったことでひとまず安心するが、たった一人で強力な魔法や術を繰り出し、自分たちに故郷を取り戻させてくれた事をみんなが感謝し頭を下げたのだった。

お読み頂きありがとうございます。


昨夜は前半を掲載させて頂いたのですが、実はその後寝落ちしてしまいまして、

夜中目が覚めた所で、あとがきにお礼のみを加えて投稿させて頂きました。

大変お恥ずかしい限りで、失礼いたしました。


さて今回のライディン奪還作戦ですが、あまりにも「やっちまった感」を感じております。

私、スパ〇ボ大好きでして、前のユキダルマーが書けなくしてしまった反動で、

ついつい猫たちをあんな風にしてしまいまして…書いててすごく楽しかったです(笑)


三位一体と言ったらあのロボですし、他にもちらほらと書いてあった内容にクスっとなって下さると嬉しいです。


そして本文ではウミミンの無双ぶりを感じて頂けたことかと思います。

前のあとがきで書いておりましたが、自然の力を使った魔法や術を使います。、

今回は太陽のエネルギーを使った「ひまわりバスター」を使用しました。

他にも色々とありますが、このひまわりバスターは使用制限がありますので

そう言った細かな詳細は、本文で書いていくことにします。


それから町を取り戻し神樹が出来た事で、この町が拠点となっていきます。

それが世界にどう影響を与えるか。そのあたりも含めて、ナハトイデアール大陸編は進めて参ります。

今後もどうぞよろしくお願いします。

それではまた次回まで。

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