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第26話 思いがけない縁談

祭りは終わった。酔っ払いと喧嘩と音楽で溢れていた夜が終わり、首都は再び静かな朝を迎える。

巫女たちにも日常が戻ってきた。それぞれの勤めに励む。私は製作中の織物に取り掛かりながらふと皇太子様のお顔を思い浮かべる。「明日、会おう」と殿下は仰った。どんなご用かしら。落花生食わせろ、とか?まさかね。


おやつ会議は皇太子様と、第一皇子様が参加された。途中から皇太子様は「ここからは二組に分かれよう」と仰り私の手を引いて歩き出された。



「若年寄り、いや、木洩れ日。これからの話を聞いて、是非「うん」と答えてほしい。頼む」

「伺ってみなければ、返事のしようもありませんが」

「やっぱりそうだよな。実は、、、弟と、「硬い岩」の皇子と結婚してやってほしい」

「!?」


驚きで声も出ない。これが皇太子様ご自身と、ならまだ分かる。何故、未成年の第七皇子の話が出てくるの?私は説明を求めた。


「実は祭りの前に両親、弟交えて家族会議をしたんだ。議題はオレの結婚相手だ。オレはお前を正室にしたいと訴えたんだが、却下された。予想はしていたがな。オレは立場上、妹たちの中から正室を迎えなくてはいかん。側室ならば許可すると言われたが、、、オレはお前を側室にはしたくない。

正室は家族の一員だが、側室はしょせん主従関係だ。母を見ていてよく分かる。お前をそんな風に扱う気はない。


父とオレの攻防が続く中、石っころが言い出したんだ。「ボクが若年寄りさんを正室にします!」とな。両親はあっさり許可したよ。一人くらい年上の、しっかりした妻がいたほうがいいってな。冗談じゃないよな。でもあいつ、大真面目で「ボク、ずっと若年寄りさんが好きだったんです。嬉しいです」って泣いてんだよ。泣きたいのはこっちだって」


何がどうなってるの。頭が働かない。息が苦しい。私の意見は無視?


「だが、父には逆らえん。父は最速でお前たちを婚約させ、石っころの成人と同時に結婚させる気だ。異議があるなら即刻、自分の側室に召し上げると言っている。オレを諦めさせるために。

オレの側室、石っころの正室、父の側室。お前のためには弟の正室が最善だと思う」


じっと見つめられて、頬が熱くなる。


「私は、、、親の許可のない結婚はできません」

「親の許可?もうあるぞ」

「は?」

「元北州知事のなんて言ったかな、髪のちょっと薄いやつ、あいつに確認したんだから間違いない。お前を連れてくるときご両親に「もし、貴族から側室に望まれたらどうするか」と尋ねたら「一夜限りの伽でなく、側室ならば望むところ」という返事をもらったそうだ。なんなら飛脚を送って確認するか?」


現実って残酷。私は「少し考えさせて下さい」と返事をするのが精一杯だった。

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