第23話 驚愕のプロポーズ
冬至の祭り一週間前。今日が第一皇子様の最後の訓練。今日も日の出とともに始まる。腕立て伏せも腹筋も、皇子はそつなくこなす。監視役との組手まである。始めた頃は想像もできなかったような機敏な動きだ。体つきはがっしりとして、お腹も引き締まっている。
「やめ!本日をもって訓練を終了する。最後に貴様のモットーを言ってみろ!」
「盗むな 騙すな 怠けるな!」
「お前の命は何のためにある!」
「日の御子様の御為です!」
「おめでとう!貴殿はもう立派な軍人だ!漢だ!これからの活躍に期待する」
「ありがとうございます!!」
長かった。でも皇子はやりきった。皇太子様も私も感無量である。
ひとしきり第一皇子様はむせび泣いたあと、「上官殿」と言って「南の風」嬢に近寄る。
「わたくしはもう、上官ではありません。一介の巫女でございます」
「では、南の風殿。この日が来たら、言おうと思っていたことがあります。どうか、、、」
第一皇子様は「南の風」嬢の手をとる。これって、もしかして、、、?
「どうか私を婿にもらって下さい!」
「はあ?」
「いやあ。驚かせたな」
皇太子様が説明をかって出る。
「秋頃だったかな、兄上が豹柄を妻にしたいって言い出したんだ。そこで父上含め話し合ったんだが。ちょっとマズイんだ。第一皇子に豹柄みたいな立派な嫁が来たら、絶対誰か言い出すんだ。「第一皇子を皇太子にするべきだ」ってな。まあ、譲ってもいいんだが、オレにはいろいろとやりたい事業計画ってもんがあって、皇太子の座を譲ったらできなくなっちまう。
何より兄上が皇太子の座なんて望んでいない。だったら婿に出してしまえば丸く収まる。という訳だ。豹柄、どうだろう」
「どうとおっしゃられても」
「南の風」嬢は考え込んでいる様子だ。弟さんのこと、西州のこと、いろいろあるんだろう。暫くして、顔を上げた。
「謹んでお受けいたします。よろしくお願いいたします。婿殿」
今日のおやつ会議には第一皇子様も加わられる。祭りが終わるまでは会議も閉会だ。皆で祭りの話題に盛り上がる。
「前夜祭参加者は三日前から断食なんだ。巫女は不参加だが、粗食にはなるだろうな」
「今年は私も参加するぞ!」
「それが普通だろ。威張るな」
お二人はやっぱり結構仲がよろしいようです。




