第22話 変化
夏が終わり、秋が過ぎ、冬になった。今月は一年で一番重要な行事、冬至の祭りがある。巫女は大忙しである。私はお勤めにもすっかり慣れて、織物と笛の腕も上がったように思う。もう見習いではない。「南の風」嬢は踊りに打ち込んでいる。祭りでは主役を務めることになるかも、と言っていた。
第一皇子改造計画はゆっくりながらも進んでいるようだった。以前の「南の風」嬢は上品な言葉ながら第一皇子の出来の悪さを痛烈に罵っていたのに、秋の終わり頃から「皇子はこれができるようになられました」「皇子は努力しておられます」と口にするようになった。さらに最近は「卒業が近いかも」と言うようなことを口にする。
今日も朝から儀式用のお酒を仕込む。口噛み酒だ。粉にして、水を加えて丸めたトウモロコシを口に入れ、よく噛んで唾液と混ぜ合わせて、壺に入れる。後でこれを発酵させて酒にする。酒は儀式にも日常生活にも欠かせない。特に冬至の祭りでは太陽神に捧げられるため、多量に必要となる。
もちろん笛の稽古も手を抜かない。このまま頑張れば当日の演奏に参加できそうな気がする。
今日のおやつ会議の議題は第一皇子の卒業をいつにするか、だった。冬至の祭り近くは皆忙しいため、祭りの一週間前、ということに決定した。
「ちょっと早いが今から言っておく。祭りの前夜祭と当日は、日が暮れたら居住区から出るな。まさかとは思うが、巫女にちょっかい出そうという冒険野郎が、いないとも限らんからな。見張りの強化は手配しておく」
「お心遣い、感謝いたします」
その後別邸から「大顔」と「新芽」が面会に来てくれた。たくさんの落花生を受け取る。
「もうすぐ冬至の祭りですね。前夜祭には北州を代表して、わたくしが参加致します。祭り当日に北州の踊りを披露する一団も、昨日到着しました」
「大顔」は祭りについて説明してくれる。いつもの長話に、私はちょとうんざりした。




