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第17話 おやつ会議

「ほれ。この夏最初の芒果だ」


皇太子様が大ぶりの芒果を下さる。「南の風」嬢と私は恭しく受け取る。


「ありがとうございます。美味しそうですこと」

「ありがたき幸せ。これはまた巨大な芒果でござるな。どれ」


私が果実を揉み始めると、何やってんだと止められた。


「はて。揉みほぐした後で果汁を飲むものにありますれば、、、」

「これは、皮を剥いて実を食うんだ」


殿下が手本を示される。あらら。私が知っているのは繊維が多くて果汁を飲むことしかできない種類だったのだ。私も手で皮を剥いて食べてみる。滑らかな舌触りと濃厚な果汁が美味しい。


「これは、美味にございまするな」

「そうか。よかった」

「若年寄りさん、ボクの分もどうぞ」

「それがしの胃の腑は、かように巨大ではありませぬ」


笛の自己練習の後のおやつをお二人の殿下はお持ち下さった。今日は「南の風」嬢も一緒だ。果物が美味しくて。幸せだね。


「ところで、今日は豹柄に頼みがあるんだが、いいか」

「何なりと。殿下」

「実は、兄上、、、第一皇子のことなんだ。叩き直してやって欲しい」

「は?」


以前皇太子様が仰ったように、お兄様方は身体も心も弱くていらして、第二、第三皇子は早逝されているらしい。第一皇子は甘やかされたのをいいことに、皇族の務めも果たさず、儀式にも参加せず、未だ独身。朝は起きて来ず、部屋にこもっては趣味の小型女神像集めに夢中だという。「日の御子様」もお怒りで、何人もの教師をつけては更生させようとなさったらしいけど、効果はなかったという。


「頼む。お前が弟を厳しく育てたのは聞き及んでいる。その調子でやってくれ。父上も全面協力すると仰った。だから、この通りだ」


そう言って皇太子様は頭を下げられた。


「しかし、なぜそこまでなさいますの。失礼ながら、殿下と第一皇子様の仲が良いという噂は聞いたことがございません」

「周りはどう見ているか知らんが、兄上とオレは結構仲がいいんだ。それに兄上は寛容なんだ。昔からオレがいくらいじっても文句を言わん」


それって、寛容とは関係ないような。


「承知いたしました。わたくしのやり方でやらせて頂きますので、口出しは無用に願います」

「もちろんだ。よろしく頼む」


そして私たちは打ち合わせを始めた。




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