表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/14

はじめに



   WELCOME TO THE FANTASY ZONE.

   GET READY!



 そんな、電子音声による歓迎の言葉から始まった、ぼくのゲームセンター通いの日々。

 世間一般では不良の溜まり場と目されているゲームセンターは、それまでのぼくには想像もできなかった、刺激的な面白さに満ちあふれていた。


【マーブルマッドネス】、【戦場の狼】、【フェアリーランドストーリー】、【ツインビー】。

 そして……【スペースハリアー】。


 数え上げれば切りがない。

 次々と生み出される、画像も、ルールも、音楽も、筐体のデザインまで斬新な幾多のビデオゲームに、ぼくは――ぼくたちは、目まぐるしく魅了され続けた。



 一応、自己紹介をしておいた方が良いだろうか。



 ぼくは、<HAL>。

 駅の近くにある小さなゲームセンター「ゲーム・パラダイス」で、ぼくはアルファベット三文字の、このハイスコアネームを使っていた。

 当時、高校一年生。

 県下有数の進学校、通称『南』高校に、片道二時間かけてバス通学していた。


 ……うん、歩きも含めて、片道二時間。往復四時間。

 起床時刻は毎朝五時。帰宅は早くて十八時過ぎ。

 この話をすると、ほとんどすべての人が呆れたような顔をする。


 そもそも『南』には、遠距離通学者のための寮がある。

 これだけ家が遠いのに、入寮ではなくバス通学を選択する生徒は、『南』の歴史においても相当なレアケースだったらしい。


 毎日が旅行気分で楽しかったんだけどな、遠距離バス通学。

 朝、目覚ましが鳴った後の数分間は、自分の選択に疑問を抱くこともしばしばあったけど。



 説明しておくべき背景は、これぐらいだろうか。


 つまるところ、これから始めるのは、ゲームマニアでもなんでもない高校生が、ごくごく普通にビデオゲームを楽しんでいたという、ただそれだけの思い出話だ。

 それも、一九八六年の後半のみ。

 ぼくの生活圏内に限られた、ごくごく狭い範囲での話となる。


 一体どれだけの人が、こんな地域も期間も話題も限定された思い出話を聞きたいと思うのか、ぼくにはわからないけれど……。

 かつてビデオゲームが好きだった人、今もビデオゲームが好きだという人に、少しでもこの話を楽しんでもらえれば、うれしい。



   READY?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ