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正体

今、現在進行形の状態

「ムーー!!」


両手で少女のほっぺを掴んでいるさて、何だこのガキは見た感じ小学生と同じ位の背格好で髪の眼が赤よりも紅という色をしている以外はただのガキにしか見えない。イヤ、もう一つあるな


豪は少女のほっぺをむに~という擬音が付きそうな感じで両手でほっぺを引っ張る


犬歯が異常に発達している。さっきこのガキが言った俺を見てご飯と言った発言とこの歯。これはあれだな吸血鬼ヴァンパイアだな。


ご飯という発言だけではよく分からなかったがこの歯で大体、見当が付くし俺の記憶が正しければ確かにこのガキはオークションの檻に居たガキの一人だ。


チラッとガキの方を見ると


「ほはん~!!」


「お前、何がしたいんだ?」


「ひ~ひょ~ひゃい!ほははふひはー!!」


何、言ってるかサッパリ分からん。少しして手を離してやると直ぐに飛びついて来るかと思ったが何もしてこずに涙目になりながら俺を見ている。


「オイ、ガキ?」


「あに?」


涙目を浮かべながら返答する少女に豪は


「何で俺がご飯何だ?他にも沢山、檻の中に居ただろ?」


「いちばん、おいしそうだから!!」


どういう結論でそうなった?そして、一番不思議なのが異世界の知識が疎くても分かるが何で吸血鬼があんな檻の中に居て何故、今俺の目の前に居るのか?

今、このガキが大人しくしている間に鑑定を使ってみるか


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


シエル・クローネ


年齢:151歳

種族:吸血鬼

職業:元魔族公爵令嬢


HP:82600

MP:120080


攻撃力:2440000

防御力:920500

俊敏力:40300

運:93


スキル

吸血Lv.7・闇魔法Lv.6・剣術Lv.3・飛行Lv.5・従属化Lv.5・夜目Lv.7


称号

弱体化の呪印・元次期魔王候補・紅血の令嬢・同族殺し・幼女


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



このガキが次期魔王候補?称号にある弱体化の呪印が何らかの関係がありそうだな。それにしても弱体化と付いているがこのステータスは確かに高いな、これは吸血鬼を含めた魔族のステータスはこれ位が普通なのか。


ブツブツ、豪が頭のなかで整理している内に少女は服の袖を引っ張りその手に噛みついた。


豪は自分の手を噛まれても冷静な状態だった。少女の歯が自分の皮膚を突き破らなかったから冷静な状態でいた。


だが、豪はそれだけでは詰まらないなと思った。


「オイ、ガキ」


「何?」


「口開け」


「えっ?ご飯くれるの!?ちょうだい!!」


豪は少女の返答を聞き、自分の親指を歯で噛んで血を出した。刃物位で今の自分の身体は切れないから自らの歯で血を出し少女の口に滴が落ちた。


少女の口に落ちた血は舌を伝い喉に流れ、少女の中から膨大な魔力が溢れ出た。豪の魔力には及ばないがそれに近い魔力が目の前の少女から姿を変えていく者に豪は近付いた。


「どういう理屈でガキが美少女になったかは知らんがどうするんだ?」


言い終わった瞬間に豪は少女からの攻撃を受け吹っ飛び壁から落ちた


「おい、男。感謝はするが図に乗るなよ、我が名ははシエル・クローネ!吸血鬼の代表である称号の魔王を授かりし者なり」


「おいおい、いきなり酷いなお嬢ちゃん。しかし、ここまで性格が変わるとは思わなかったな」


豪は魔力排出のブーストを利用して空中に浮いている。


「ほう?私の攻撃を受け無事とはな貴様本当に人間か?」


「どいつもこいつも、俺を化物扱いとはな酷いもんだ。さて、戯れ言はこれまでにしておいて……ガキにはお仕置きが必要だな」


「笑えんな。何の冗談だ?人間」


「何、異世界ならではの異種族ハーレム要因に吸血鬼美少女とは中々良いもんだと考えていたんだかな。止めた、ペットで十分だ。チビに戻れ」


シエルは掌を豪に向け次から次へと無数の黒い球が豪に向かう。豪は魔力排出を使った空中維持状態で居るだけで逃げようとしない。


「魔法擬きPART2!」


豪は拳を握り締め拳に魔力を集め、黒い球に殴りかかる。豪は黒い球に拳を突っ込み瞬時に手を開いた瞬間に衝撃波が周りを襲い、無数の黒い球が衝撃波により吹き飛びシエルの手が閉じ攻撃が止まる。


「何だ、その魔法は?」


「言っただろ魔法擬きってな」


豪は手をシエルに向けグー、パーを繰り返した、豪にシエルは警戒しながら手を見てようやく分かった。豪の先程の攻撃は魔法の応用技を使用した攻撃なのだ。


魔法の応用技とは大きく分け5つ


『放出』 『圧縮』 『開放』 『操作』 『固定』


この5つであるのだが応用技とは言えこれ全てを完璧に使いこなすには正直難しい。だがしかし、豪は先程の攻撃は応用技の4つを使いこなし行ったのだ。手に魔力を『放出』させ魔力を『圧縮』し『固定』して手を開くのと同時に『開放』という手順だがただ単にこれをやっただけでは衝撃波が起きる訳ではない。豪の化物じみた魔力量により出来るのだ。



「恐ろしい、こんなのが人間の国に居るとは『大魔王』並だな。貴様」


シエルは自分の力を理解している。吸血鬼の中でも私は才に恵まれ魔王という吸血鬼の代表になれる事になっていたが私の周りはそれを許さなかった我が兄と父に集う下等の者により首裏に刻まれた『弱体化の呪印』がある。兄と父により人間に金で私を奴隷として売り出される予定だったがあの男に救われて感謝はするが今の私はそんなことより目の前の男を従属化させる事が優先だ!


「『大魔王』ね~、そりゃ大袈裟だな」


「早く、私の者になりなさい。そしたら、楽になるから」


「それにしても性格変わりすぎじゃないのか?」


「それはどうでもいいだろう!」


「ふ~ん」


男はニヤニヤしながら私に話かける。先程からこの男は何を考えているんだ?謎に満ちているだが私の身体を一滴の血で私の身体を元に戻すだけの力と魔力があるのは分かるだからこそ油断はせずに倒す!


「そんなに血が欲しいのか?」


「!?」


「血を欲しいか?」


男はもう一度語りかけた。


「当たり前だ!!」


「そうか」


男は左腕を前に出し右手をを頭より上に上げ一気に振り下ろした。


自らの腕に


ボトッ


男の左腕が落ち、男は平然と落ちた腕を拾い上げ無くなった肘から先を私の前に突き出した。垂れ流しの血を


「飲め」


男の声は冷たかった先程まで、ヘラヘラしていた顔とは違って冷酷に満ちている。私はいつの間にか膝を地に付けていた。今まで普通に人間達の血を飲んできたがそれは全員従属化させたり、自らの身体を私達に捧げた者達の血しか飲んだり偶に余興として人間の血を無理矢理飲んだりしたがこいつは何々だ!?恐い目の前の男が恐い!!



「どうした飲めよ?血を飲まないと維持が出来ないんだろうその身体?」


「何故、分かる」


「何となく。それよりも飲めよ?」


何故、この男は私に血を飲ませようとする!?小刻みに震える身体を抑えながら考える。そうだ何時も通りに首から


顔を上げたシエルは豪と目が合った


豪の目から発する光は禍々しく光っている。シエルは豪の目を見て本当の恐怖を感じた。威圧ではない問い掛けるような目をしていた。

「死にたいのか?早く飲めよ」と感じ取ったシエルはここから逃げ出したい気持ちで一杯になった時に下げていた顔を無理矢理髪を引っ張られ上げさせられ血を呑まされた。


「よし、これでOKだ」


「何であんな事をしたんだ」


「おいおい、産まれたばかりの子馬みたいに脚が震えてるぞ」


「それよりも貴様、腕が!!」


「これか?血はチートじみた力で筋肉で一時的に止めてあるから大丈夫だ。それよりも仁!!出て来い!!」


「ヤレヤレ、バレてたか」


突然、シエルの背後から現れた男にビックリしたシエルは豪の後ろに隠れた


「あらら、随分と懐かれたな」


「さあ、何でだろうな」


「それよりも腕、大丈夫か?」


「これから、治すところだ」


その瞬間、切り離した腕が勝手に動き出しよく見ると触手が切断部分から延びておりそれが一本だけではなく無数の触手が腕から生えている。


「なあ豪、流石にそれは気持ち悪いんだが」


「奇遇だな、俺もだ」


腕から生えている触手が段々短くなり、最後には見事にくっつき何回か腕を上下左右に振ってみたりしたが問題は無いようだ。


「貴方、本当に人間?」


これは精神的に来るもんだな美少女に存在否定とはだがそれよりも。


「お前、何で逃げた?」


「そりゃ、戦いに巻き込まれたくないからな。俺はどちらかと言うとスピード特化型だし。あと、さっきは途中で抜けたがまだ渡す物が有るからな」


仁から雑に投げられた二つの物を受け取り確認する。一つ目は明らかに刀だな長さ的にこれは、刀袋から取り出し鍔に手紙らしき物が付いているのを見て取り開いてみる。


『 豪様へ


お身体は大丈夫でしょうか。今や貴方様は迷宮都市にも噂が届いております。国滅の覇者、魔王などと

呼ばれていますが私は心配で心配で心が苦しいです。豪様ご飯をちゃんと食べていますか、栄養は偏らないように食べていますか、歯を磨いていますか、お風呂に入っていますか、私を愛してますか、愛してます豪様に早く会いたいです。会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい豪様愛してます。……………以後俺に対する愛文(病み)


最後にその刀は迷宮都市で有名な鍛冶屋に刀の製法を教え迷宮内で手に入れた特殊な鉱石を使って作った刀です。それを私と思ってお使い下さい。


豪様を愛する西園寺未月』


読み終わり手紙を破り捨て刀を抜き刀身を月に翳し見て鞘に戻す。


「さっぱり、分からん」


「だろうな」


「さて、次はこれだな」


布に包まれた物を見てこれは俺好みだと直ぐに装着した。


「ガントレットとは良いプレゼントだな」


「似合うな豪、余計悪さが増してるがな」


ガントレットは全体的に赤黒い素材で出来ており何となくガントレットに魔力を込めると左腕のガントレットが盾になり右腕のガントレットが剣に変わる。やることはやったし後はどうするか?


「これからどうするんだ豪」


「それを考えていた所だ」


ふと、シエルの方を見て今言うのを何だが服が元々ガキに合わせたズタズタの服を着ていており露出されてる所が多く目に余る。


「そうだな取り敢えずこの国で数日のんびりしてからぶらぶら観光でもするか」


「そうか、俺はこの国に用はもう無いからな。豪また会おう!」


仁は国の反対側の方向に落ち闇に消えた。残るのは吸血鬼少女のシエルと俺。


「私を殺さないのか?」


「何だいきなり?」


「色々ともう疲れたんだ。家族に裏切られ、完全に屈服されてもう何もやる気がない」


「ふーん、じゃあ」


シエルに近づきお姫様抱っこをする。


「なっ?!何をする!!」


「いや、一人で旅行とか寂しいからな。一緒来てもらうかな!!」


国の方角に走り出し壁から落ちる豪と吸血鬼シエルは街に消えた。





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