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その男には気をつけろ  作者: 夢カモメ
7/28

探索

陽が暮れる前に何とか水の確保をしたい


そんな気持ちに駆られる

5人の男たち


水を確保出来る手だてはあるのか?

流石に陽が傾いたとはいえ夏の西日が5人に容赦なく照り付ける。


『なあ…カモメのオッサン…あんた背広を着て

ネクタイ迄しめて暑くないのかよ?』


『暑いですよ…

出来ればシャツ一枚になりたい位ですよ

太田さん』


『何故…脱がない?』


『この草木が生い茂る中を歩くのには

出来るだけ肌の露出は避けたいモノです。

藪蚊や虻や蜂などから身を護らなければいけないからですよ。』


『そんなものかねぇ?

俺は御免だな。』


5人は足元を隠すほどに生い茂る草木の中を慎重に足元を探る様にして先に進んだ。


『一寸待って下さい』


『どうしたんですか?カモメさん?』


『塚本さん…一寸こちらへ来てみて貰えませんか?

ほら…此処に獣道があります…

獣が居ると言うことは

水場がある可能性が高いのです。


塚本さん貴方のリュックの中身を見せて貰えませんか?』


『ええ…良いですよ…』

と塚本はリュックの口を開けた。


『何せ、貧乏な学生なもんで無人駅にでも泊まって宿泊代を浮かそうと思いまして』

と恥ずかしそうに中身をカモメに見せ始めた。


『おやっ!中々貴重な野宿道具が有りますね。


コッフェルにキャンプ用のコンロ、おっ?蚊取り線香まである。

これは…随分と助かりますね。』


『役に立ちますか?』

と塚本はカモメに訊ねた。

『役に立ちます!』

とカモメは力強く答えた。




暫く宛もなく東へ歩くと

砂浜に出た。


『水場は見つかりませんでしたが

これで…明日の朝…

口を湿らせる位の水は確保出来ると思います。』


『カモメさん?まさか?

海の水を飲むのですか?』

『中村さん?…

幾らなんでも海の水は呑めません。

塩分の補給に舐める程度は持ち帰りたいとは思いますが?』


『じゃあ…どうやって水を確保するんだ?』

と太田が訪ねる。


『塚本さん…

リュックの中にコッフェルとビニールの買い物袋がありましたよね?

それを出して下さい。皆さんは砂に手で穴を掘りましょう…』


『どれ位の穴ですか?』


『片桐さん…今日の所は穴は一つ…コッフェルの倍くらいの深さで広さは直径30センチくらいでしょうか

そうそう…塚本さん

カッターもありましたね?』


『ええ…でも…この取り合わせで水が手に入るんですか?』


『ほんの少しですがね』

とカッターでビニール袋の二ヶ所を切り

展開させた。


『穴は直ぐに掘れたでしょ?

この穴の中心にコッフェルを起き穴を塞ぐ様にビニールを被せます。

この時中心を少し凹ませ

ビニールの端は砂を被せて固定します。

こうして置けば砂浜の水分が蒸発しビニールの裏で冷やされ水滴が滴り落ちます。

後は明日の朝、日の出前に水を回収に来ればいいのです。

そろそろ機関車へ戻りましょうか?』


5人は東へと歩き出した。



陽が暮れる前に車内へと戻ってきた五人を迎える様に

薪等を用意した女性たち


これから長い夜が始まる

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