探索②
『塚本さん太田さん…
かなり陽も傾いて来ました。
水を確保に行きましょう』
太田はもう我が儘は言わないとみんなの前で誓った
元より塚本には自己犠牲の精神は旺盛だ。
三人は西陽の中…
機関車の外に出た。
浜辺に向かう間
カモメは塚本に話し掛ける
『一体我々が居た世界から何年経って居るんですかねぇ?
人っ子一人居ない
それどころか…人工物の跡形すら有りません。
一体塚本さんの言う通り
未来に飛ばされたとしたら
今は何年先の未来なんでしょう?』
『確信じゃ無いんです…
瞬間移動と言うには
あそこに大山がありますし
弓ヶ浜も存在した…
ならば…
時間軸が後ろに後退…
何らかの影響で光の速さに近付いてしまった。
と考えたら
納得がいくかなぁ?と
思っただけなんですよ。』
『今はその考えで推し進め状況を把握していく事が
元の世界に帰れる近道ではないかと思います。
塚本さん…
ガイア理論ってご存じですか?』
『ガイア理論ですか?
確か…地球を一つの生命体と考えるあれですか?』
『ええ…そのガイア理論です。
地球の45億年の歴史の中で大絶滅を何度も繰り返して来ました。
中でも先カンブリア期に
最大の絶滅期を迎えます。原因は二酸化炭素の水中濃度が高くなったからだと言われています。
これにより地球の最大の進化のモデルケースと言われた生命の95%が絶滅したと言われます。
私達の居た世界の二酸化炭素の濃度は先カンブリア期を凌ごうとしてました。
あの頃の人類は絶滅の一歩手前だったのかも知れません。
この世界に人工物コンクリートやアスファルトが見当たらないのは
少なくても
5万年は人類が居なくなってから時間が経って居るでしょう?』
そんな事を話している内に浜辺に出た
『太田さん…
貴方…何処へコッフェルを起きました?』
『確かここら辺に…
あった!!』
『それじゃあストッキングに砂を詰めましょう。』
三人は砂を詰めカモメに案内されながら水場に向かって歩いた。
次回もお楽しみに




