購入依頼
白石佳江のストッキングを一億円で売ってくれと依頼するカモメ
その意図とは如何に
『申し訳ない…竹野さん…売買契約が成立したもので
先程のペットボトルを
お返し願います。
皆さん…この穴埋めは何とかしますから』
竹野友子からペットボトルを受け取り太田へ渡し
『一億円の水です…
さぁ…ユックリと味わって下さい』
太田はグビリグビリと音をたてながら喉に水を流し込む。
それを羨ましそうに眺める翼に
『翼くん この夏ミカンをあげよう』とカモメは手渡した。
『出来ればみんなで分けてほしいな…』
合計三個の夏ミカンを取り出した。
『先程沼地ですが
真水と夏みかんの樹を見つけました。
日がくれる前には十分な
飲料水が確保出来ると思います。』
『どうやって沼地の水を飲料水に変えるんですか』
『白石さん…看護師の貴女らしい疑問です。
確かに衛生面には配慮します。
ですから…
今貴女が履いているストッキングを
先程の一億円の契約書で買い上げましょう』
怪訝そうな表情でカモメを見詰める女性達
『おや?何か勘違いしてますね?
私は変態ではありませんよ…
悪魔ですけど…』
『どうやってストッキングを使うんですか?』
『先ずはストッキングに焚き火の後の炭を詰め込みます。
次に砂を詰め込み
一番上に青草を詰めます
これを上を切り取った空のペットボトルに被せます。これで…ろ過器が出来ます
後は煮沸すれば飲料水になります。
どうですか?
白石さん貴女のストッキングを一億円で売りませんか?』
白石佳江は暫くの沈黙の後
『一億円は要りません
私のストッキングで
ろ過器を作ってください』と答えた。
次回にも期待して下さい




