表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その男には気をつけろ  作者: 夢カモメ
12/28

何をお探しですか?

いよいよ

醜い人間のエゴが顔を出し始めます。

夜明け前…

蚊取り線香の火が消えかかる頃

まだ薄暗い車内を一人

忍び足で出ていこうとしていた。


滑り出す様に車内から飛び出すと一目散に昨日コッフェルを仕掛け口を湿らせる程度の水を手に入れようと走り出した。


(昨日目印にコッフェルを埋めた穴のすぐ横に棒を立てたんだ…


何が悲しくて…

ウサギの生き血なんて飲まなくちゃいけないんだよ

アッチの方角が明るい…


あの方角の先にコッフェル…

水があるんだ…)


彼は急ぎ足から駆け足に変わっていた。


砂浜が見える

(奴等を出し抜いてやったぞ!!

これで!!水は俺の…

俺一人の物だ)


彼は誰も居ない砂浜に向かい

叫び声とすら思えない

奇妙な雄叫びを上げて砂浜に飛び出した。


彼の目に飛び込んで来た光景は…


何本もの棒が立ち並ぶ

光景だった。


『いつの間に?こんな事を』

彼は呟く様に一人ごとを口にした。


(だが…まだ誰も掘り返して居ない…

みんなが来る前に全て掘り返せば良いじゃないか?)


彼は気を取り直し

砂浜を手で掘り返し始めた。


ひとつ目の棒の側には何も無かった。


二つ目、三つ目、四つ目


五つ目の棒の側が

異様に柔らかい


彼は慎重に砂を払い

中のコッフェルを取り出した。


二口分の水が溜まってる。

一気に彼はコッフェルに口を付けて飲み干した。

コッフェルをに多少の沙が付いて居ようと構わずに












『ウガアァァァ!!

塩水じゃないか!!

畜生!!』


彼は一目散に機関車へとかけ戻り

車内へと飛び込んだ。












『貴方がお探しなのは

この水ですか?

それとも…

甘くて瑞々しい、この



果物ですか?












太田さん!』


と涼しい顔でカモメが訊ねた。




明日もお楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ