またも車外では
車内では翼の応急処置
車外では
カモメが何かの気配を感じる
軽い脱水症上を起こし掛けている竹野翼に対して
看護師として今…
出来る限りの事をしていた。
翼の上半身を脱がせハンカチに水を染みらせ
吹き上げる
少しは体温が下がるだろう
残りの水は少しづつ少しづつ翼の口に含ませて行く
少しの砂糖や塩があれば…
もっと良いのだか
無い物ねだりは無意味だ。
兎に角翼くんの体温を冷やさなければ…
出来るだけ水を無駄に使いたくない。
が白石佳江は
ハンカチにしっかりと染み込ませ
頸動脈へ当てた。
『で来るだけの事は終わったわ…』
心配そうに覗き込んでくる竹野友子…
『応急処置をしました
後は風通しの良いところで寝かせてあげることです。』
車外では…
『この気配…』
とカモメが小さな声で呟く
『どうしました?
カモメさん』
塚本の耳の側で…
『そこを…何かが横切ろうとしてます。』
カモメは線路の砂利を掴んだ。
塚本も釣られるように砂利を掴む
目の前にヒョッコリとウサギが一羽姿を現した。
カモメが投げたツブテは惜しくも外れた。
そこで…
ウサギに向かい
『おい!!』と呼び掛けた。
ウサギは大きな物音に驚き立ち止まる習性がある
今度は塚本が狙いを定め見事ウサギへツブテを当てた。
気を失ったウサギの耳を持ち
『塚本さんナイススロー』
『実は野球部だったもので』
『片桐さん 何か受け皿になりそうなモノはありませんか?
例えばヘルメットとか?
『ああ…点検の時なんかに使うヘルメットなら…』
『それと塚本さん先ほどのカッターを貸して下さい。
社外に居る
男たちには何故…ヘルメットなのか?
理解できなかった。
次回
日付が変わる頃にアップします




